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細胞外電子移動

概要

嫌気性細菌の一部、Shewanella 属を代表とする金属還元菌は、細胞外の金属を電子受容体として利用（還元）し、呼吸を行っている（異化的金属還元）。 その際に、細胞表面から細胞外へ電子を移動（伝達）させる。この機構を細胞外電子移動（伝達）と呼ぶ。
細胞外電子移動機構を持つ金属還元菌は、レアメタル回収や微生物燃料電池への応用が研究されている。
本項では、細胞外電子移動機構のひとつ、Shewanella 属が持っていることで知られる Mtr (metal-reducing) extracellular electron transfer pathway に関して記述する。
Mtr system は、以下のタンパクで構成されている。
  • inner membrane-bound multiheme c-type cytochrome CymA (NRULE_0333)
  • outer membrane multiheme c-type cytochrome MtrC/OmcA (NRULE_0334)
  • periplasmic multiheme c-type cytochrome MtrA (NRULE_0335)
  • outer membrane beta-barrel protein MtrB (NRULE_0336)
内膜上で呼吸鎖複合体 I (NADH dehydrogenase) によって生産された電子が、CymA, MtrA, MtrC へとリレー状に移動していき (MtrCAB complex を形成している)、 細胞外の電子受容体へ伝達される。
代表的な鉄還元菌 Shewanella oneidensis MR-1 ゲノムには、mtrCAB パラログが複数ある。Fe(III) 還元に関与しているのは、MtrCAB であるとされている。

参考文献

  • Shi, L. et al. (2012). Molecular underpinnings of Fe(III) oxide reduction by Shewanella oneidensis MR-1. Front Microbiol. 3(50):1-10. PMID: 22363328

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（更新日 2015/11/30）