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ビタミンC生産

概要

ビタミンC (L-アスコルビン酸) は、抗壊血病因子として発見された水溶性ビタミンであり、コラーゲン合成を介した正常な毛細血管の維持や抗酸化作用に必要とされる。 ほとんどの動物はブドウ糖を基にしてウロン酸サイクルからビタミンCを体内で合成することができるが、ヒトやモルモット等では生合成に必要なL-グロノ-γ-ラクトン酸化酵素が欠損しているため、体内でビタミンCを合成することができない。
酸味を有する白色の結晶で、水によく溶けるがエタノールに溶けにくく、ジエチルエーテルにはほとんど溶けない。 結晶状では安定だが、濃度の薄い溶液中では不安定である。そのため、調理時の洗浄や加熱でビタミンCの効力は失われる。 ビタミンC は、消化管から吸収されて速やかに血中に送られる。食事から摂取したビタミンCもいわゆるサプリメントから摂取したビタミンC も、その相対生体利用率に差異はない。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版)によれば、成人の推奨量は 100 mg/日である。 人工的な工業生産法としてライヒシュタイン法が知られる。1933年にノーベル賞科学者タデウス・ライヒシュタインが開発した。

機能に関する知見

機能を示すメカニズム

アスコルビン酸の生産は D-グルコースを原料として行われており、工程についてはいくつかのルートがある。 微生物を利用した工業生産では D-グルコースからL-ソルボースを経る系や、2,5-ジケト-D-グルコン酸を経由する系が知られている。

機能を持つことが知られている生物

工業生産では Gluconobactor oxydans などが使用されている。

Rule/Function 作成に関する特記事項

いずれの系もルール化はできなかった。

実用化例

ビタミンCの微生物産生 特表2007-519406など多数

参考文献

  • Hancock, R. D. and Viola, R. (2002). Biotechnological approaches for L-ascorbic acid production. Trends Biotechnol. 20(7):299-305. PMID: 12062975
  • Bremus, C. et al. (2006). The use of microorganisms in L-ascorbic acid production. J Biotechnol. 124(1):196-205. PMID: 16516325

関連外部リンク

  • 「健康食品」の安全性・有効性情報 「ビタミンC」 国立健康・栄養研究所.
(更新日 2014/01/28)