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アクリルアミド生産

概要

アクリルアミド (CH2=CHCONH2) の生産の多くは、現在、ニトリルヒドラターゼを用いたバイオプロセスによって行われている。 これは、バクテリアの産生するニトリルヒドラターゼによって、アクリロニトリルを水和してアクリルアミドを生産する方法である。 ここではニトリルヒドラターゼについて説明する。

機能に関する知見

機能を示すメカニズム

ニトリルヒドラターゼは、alpha subunit と beta subunit からなり、活性中心にコバルトイオンまたは鉄イオンをもつ金属酵素である。酵素活性の発現にはいくつかのアクセサリータンパク質、酵素の翻訳後修飾が必要と考えられている。類似の構造をもつ酵素としてチオシアネートハイドロラーゼ (thiocyanate hydrolase; SCNase)がしられている。
ニトリルヒドラターゼ(nitrile hydratase; NHase)
  • EC 4.2.1.84
  • Reaction: An aliphatic amide <=> a nitrile + H(2)O

機能を持つことが知られている生物

以下の株でニトリルヒドラターゼの研究およびバイオプロセスによる物質生産の実用化などが進んでいる
  • Rhodococcus rhodochrous J-1
  • Pseudomonas chlororaphis B23
  • Rhodococcus erythropolis N-771, N-774

遺伝子に関する知見

ニトリルヒドラターゼ beta subunit は そのアクセサリータンパク質 P14K と配列類似性があるが、タンパク質ドメインとアミノ酸長により区別することが出来る。
NHaseと類似タンパク質
NHaseと類似タンパク質
関連する遺伝子の系統樹
NHAA系統樹
NHAB系統樹

実用化例

久留主 泰朗 他3名. ニトリルヒドラターゼ活性を有する細菌の培養法. 特開平8-38163. 1996-02-13.

参考文献

  • Katayama, Y. et al. (1998). Cloning of genes coding for the three subunits of thiocyanate hydrolase of Thiobacillus thioparus THI 115 and their evolutionary relationships to nitrile hydratase. J Bacteriol. 180(10):2583-2589. PMID: 9573140

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(更新日 2014/03/13)