氷核形成タンパク質

氷核形成タンパク質 (Ice nucleation protein, INP) は、それ自身が氷核となって氷晶形成を促進し、溶液の過冷却を起こりにくくする機能を有するタンパク質。

アミノ酸長 1000-1500aa の内、約8割をリピート配列が占めており、これが氷核形成時の水分子の整列に関与するとされている。 リピートは 16aa×3 を 1単位とし、16aa の内最初の 8aa は同一配列。このリピートを signature とする、INP 特異的な InterPro が作られている。
IPR000258IPR000258 Bacterial ice-nucleation, octamer repeat

細菌では、Pseudomonas属、Pantoea属、Xanthomonas属など Proteobacteria の一部が氷核形成タンパク質を産生することが報告されている。細菌以外では、海藻類や甲虫の消化管からも見つかっている。

• 人工増雪剤 (商品名:Snowmax コダック社)
  人工造雪剤として氷核活性細菌、Pseudomonas syringaeの殺菌菌体を利用。
  現在、日本各地のスキー場で利用されている。
• 凍結濃縮剤 (厚生省に食品添加物として届出 キユーピー株式会社)
  オレンジジュース、醤油、ジャムなどの凍結濃縮、製薬などの凍結濃縮などに用いる

• Lindow, S. E. et al. (1989). Localization of ice nucleation activity and the iceC gene product in Pseudomonas syringae and Escherichia coli. Mol Plant Microbe Interact. 2(5):262-272. PMID: 2520825
• Gurian-Sherman, D. et al. (1993). Isolation and characterization of hydroxylamine-induced mutations in the Erwinia herbicola ice nucleation gene that selectively reduce warm temperature ice nucleation activity. Mol Microbiol. 9(2):383-391. PMID: 8412688

• NFUNC_0024 Ice nucleation
  NRULE_0106 Ice nucleation protein