製品安全

Vol.452 5月14日号 「屋内でのこどもの事故」

Vol.452 5月14日号 「屋内でのこどもの事故」【PDF:542KB】

 家の中には、大人にとっては危険がなくても、こどもにとっては思わぬ製品事故の危険が潜んでいることがあります。普段大人だけで過ごしている親戚のおうちや宿泊施設などに旅行をするときは特に注意が必要です。屋内でのこどもの事故を未然に防ぐためには、事故を防ぐポイントを知り、危険な状態になっていないか点検する“おうちパトロール”が重要です。もし、危険な状態を発見したら、こどもがその製品に近づかないようにするなどの対策をしてください。普段は“おうちパトロール”をしていても、外出先では忘れてしまうかもしれません。外出先でも“おうちパトロール”を実践して、安全に楽しみましょう。今回は屋内でのこどもの事故を防ぐポイントをご紹介します。

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項目一覧

  1. 1.屋内でのこどもの事故
  2. 2.製品事故収集情報(4月14日~4月27日 受付81件)
  3. 3.リコール情報 9件
  4. 4.その他の製品安全情報
    • ・令和6年度 製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2024)募集開始
    • ・「SAFE-Lite」のご案内
    • ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
    • ・Instagram アカウントのご案内

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1.屋内でのこどもの事故

1. 挟み込み、下敷きの事故
【扉での指挟み】
 こどもがシステムキッチンの扉の丁番の隙間に指を挟み、負傷しました。
→扉を開くことで丁番に生じる隙間にこどもの指が挟まれ、負傷したものと考えられます。
丁番での指挟み(イメージ)

【固定していない家具が転倒し負傷】
 棚が倒れて周辺を損傷し、こどもが軽傷を負いました。
→付属の転倒防止金具が取り付けられておらず、設置直後で棚に何も置かれていなかったことで倒れやすい状態だったため、外力が加わって転倒に至ったものと考えられます。

【挟み込み・下敷きの事故を防ぐためのポイント】
○指挟み防止グッズを活用する。扉はこどもの位置を確認してから開閉する
 こどもが扉の丁番等に手を触れていると扉の開閉時に指を挟み込むおそれがあります。市販の指挟み防止グッズ等を活用して隙間に触れさせないようにすることが有効です。
 また、近くにこどもがいるときは、扉の開閉に注意してください。こどもがいつの間にか扉に近づいて隙間に触れていることがあります。扉を開閉するときは、こどもがどこにいるのか確認しましょう。
指挟み防止グッズの活用例

○家具を壁や天井に固定する。家具で遊ばせない
 たんすなどの家具にぶら下がったり、引き出しを開けてよじ登ったりして家具が倒れ、こどもが下敷きになるなどの事故が発生しています。家具は固定し、扉や引き出しにロックをかけて遊ばせないなどの対策を取ってください。家具の固定は地震の対策としても有効です。

市販チャイルドロックの活用例

(参考情報:東京消防庁の「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」)
 https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-bousaika/kaguten/handbook/

2. やけどの事故
【電気ポットによるやけど】
 宿泊施設でこどもが電気ポットを転倒させて、やけどを負いました。
→電気ポットの上蓋が確実に閉まっていない状態で置かれていたか、若しくはこどもが電気ポットに触れた際に蓋の開く取っ手を持ったことにより転倒時に蓋が開き、中から多量の熱湯がこぼれてこどもにかかった可能性が考えられます。

【ウォーターサーバーによるやけど】
 こどもがウォーターサーバーを触ったところ、熱湯がかかってやけどを負いました。
→親が熱湯を給湯後、蛇口の先端に残っていた高温の水滴にこどもが触れたため手首をやけどしたものと考えられます。

【こどものやけどの事故を防ぐためのポイント】
○やけどのおそれがある製品にこどもを近づけないよう対策を取る

 こどもは目につくもの、手の届くもの、興味を引くものをすぐに触ろうとします。ウォーターサーバーや電気ポット・電気ケトルなどの高温の湯を扱う製品がこどもの触れられる場所に置かれていないか確認し、こどもから遠ざけるようにしてください。
 台所など複数の危険が潜む場所は、ベビーゲートを設置するなどして立ち入れないようにするのは有効な対策です。
 製品をこどもの手の届かない高所に設置することも有効な対策ですが、垂れ下がった電源コードをこどもが引っ張ったことで事故に至ったケースがあるため、コードの配置状況にも注意しましょう。
 電気ポット・電気ケトルなどには、転倒してもお湯がこぼれにくいように安全対策がなされたものがありますので、そういった製品の使用もご検討ください。
電源コードを引っ張って電気ケトルが落下(イメージ)電源コードの配置にも注意して設置

3. 窒息、誤飲の事故
【玩具の部品(磁石)の誤飲】

 こどもが破損した玩具(マグネットパズル)の部品を複数個誤飲し、負傷しました。
→玩具(対象年齢3歳以上)の樹脂ケースが破損し、内部の円柱形のネオジム磁石が脱落して、こどもが誤飲したものと考えられます。

カーテンの操作用ひもによる窒息
 こどもの首がカーテン(シェード)の操作用ひもに引っかかり、死亡しました。
→事故発生時の詳細な状況が不明のため事故原因の特定には至りませんでした。

【幼児用ベッドガード(ベッド用落下防止柵)による窒息】
 こどもが幼児用ベッドガードとマットレスの隙間に挟まり、死亡しました。
→事故発生時の詳細な状況が不明のため事故原因の特定には至りませんでしたが、わずかに広がった柵とマットレスとの隙間にこどもが体ごと落ち込んだ際に自力で脱出できずに窒息したものと考えられます。

【こどもの窒息・誤飲の事故を防ぐためのポイント】
○小さな玩具やその部品、コイン形電池やボタン形電池の保管方法や扱いに注意する
 
こどもが小さな玩具やその部品、コイン形電池やボタン形電池を飲み込んでしまう事故が発生しています。特に  3 歳までのこどもは、身の回りのものを口にいれて確認しようとするので、誤飲の危険性が高いと考えられます。
 玩具は購入前や使用前に対象年齢を確認してください。対象年齢を満たさない玩具等、誤飲のおそれのある製品は、こどもの手の届かない場所や鍵のかかる場所に保管するなど、保管場所に気を付け、こどもに触れさせないようにしてください。
 また、玩具などの部品で口に入るサイズのものが外れたりしないか、確認してください。コイン形電池やボタン形電池を使用する玩具は、電池を格納しているふたが外れやすくなっていないか点検を行いましょう。

○ブラインドの操作用ひも等のループ状のひもに触れさせない
 こどもが室内でかくれんぼなどをしている内に、首にブラインドの操作用ひもなどのループ状となったひもに絡まって窒息する事故が発生しています。ひもをこどもに触れさせないよう、次の点に注意しましょう。
・クリップなどでこどもの手の届かない位置にひもをまとめる。
・踏み台となるものをひもの近くに設置しない。
操作用ひもは高いところにまとめる

 ひものつなぎ目を外れやすくする安全対策を施した製品や、ひもにループがない若しくはループが小さい製品もありますので、購入時の参考としてください。
 操作用ひも以外にも、カーテンの留めひも(タッセル)や高所窓の開閉用チェーンが絡まったことによる事故も起きていますので、ループ状のひもに注意してください。

○幼児用ベッドガードは、対象月齢に注意する
 幼児用ベッドガードは、小さなこどもに使用してしまうと、正しく固定しても隙間が生じて体が挟まり、自力では脱出できず窒息するおそれがあります。
 製品購入前や使用前に、取扱説明書や注意表示で製品の対象月齢をよく確認してください。 一般財団法人製品安全協会が定めた製品安全基準(SG基準)では、幼児用ベッドガードの使用年齢を「生後 18 月以上」と定めており、「生後18月未満は窒息のおそれがあるため、絶対に使用しない」旨、取扱説明書等に記載することとなっています。
マットレスとの隙間に挟まり

(参考情報)
 こどもの寝具に関する注意ポイントについては、以下、消費者庁ホームページも参考にしてください。
 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20201105/

【こどもの事故を防ぐためのポイント】
○危険であることをこどもに伝える
 こどもが言葉で伝えて理解できる年齢になったら、製品の誤った使い方による危険や、正しい使い方を普段から教えるようにし、こどもとも一緒におうちパトロールを行ってください。

4. おうちパトロールでチェックすべきポイント例
おうちパトロールでチェックすべきポイント例

 上記で挙げたポイント以外にも、スチーム式加湿器など、こどもにとって特に注意が必要な製品や危険な設置状況が考えられますので、前述のポイントも参考に確認してみてください。

【注目!新作動画】
○その他「7.こどもの事故(屋内)チェックポイント」
 屋内におけるこどもの事故を防ぐためのチェックポイント。
 扉での指挟み、たんすの転倒による下敷き、電気ケトルでのやけど、ブラインド操作用ひもによる窒息の事故について。
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20240425.html

■NITEでは2024年4月25日に注意喚起として『旅先でも"おうちパトロール”を~こどもの「外傷」「やけど」「窒息」事故に注意!~』をプレスリリースしました。
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2024fy/prs240425.html

■その他の情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)

  1. (1) アイロン「1.子どもが触れて落下」
    https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/1613.html
  2. (2) ウォーターサーバー「3.乳幼児のやけどに注意!蛇口の外れ」
    https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1163.html
  3. (3) 加湿器「1.加湿器の蒸気で子どもがやけど」
    https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/1612.html
  4. (4) 空気清浄機「1. スチーム式加湿機能付の蒸気吹出口でやけど」 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20200428.html
  5. (5) 電気ケトル「1.こぼれたお湯で子どもがやけど」
    https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2021072901.html
  6. (6) ハンドブレンダー「1.目を離した隙に刃に触れてけが」
    https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20072101.html
  7. (7) マグネットセット・水で膨らむボール「1.こどもが誤飲」
    https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/23051601.html

(注意喚起ミニポスター)

  1. (1) 家の中のこどもの事故を防ぐ
    https://www.nite.go.jp/data/000153990.pdf
  2. (2) こどもの事故を防ぐおうちパトロール チェックポイント
    https://www.nite.go.jp/data/000153991.pdf

■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「幼児」「乳児」「誤飲」等をキーワードに検索していただけます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

◆◆◇     消費生活用製品の事故情報収集状況     ◇◆◆

        (4月14日~4月27日 受付81件)
  NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
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製品名              (事故状況と件数)
  1. 1.リチウムイオン電池内蔵充電器  ( 火災等 6件 )
  2. 1.洗面化粧台           ( 破損等 6件 )
  3. 3.石油ストーブ          ( 死亡等 4件 )
  4. 3.ノートパソコン         ( 火災等 4件 )
  5. 5.エアコン            ( 火災等 3件 )
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 リチウム電池内蔵充電器は製品及び周辺を焼損する火災が発生したという1件の同種事故を含み、洗面化粧台はキャビネットが落下したしたという5件の同種事故を含み、ノートパソコンは製品及び周辺を焼損する火災が発生したという1件の同種事故を含みます。

◇最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

■事故情報の提供をお願いいたします。
 事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html

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3.リコール情報

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4.その他の製品安全情報

◆◆◇令和6年度 製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2024)募集について◇◆◆

経済産業省は、製品安全に積極的に取り組む企業・団体を表彰する「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)」を主催しています。現在、令和6年度の募集を行っています。
消費生活用製品に関わる全ての企業・団体が応募対象になりますので、 皆様、奮って御応募ください。
審査費用は無料です。
なお、応募に関するお悩み等のご相談は、ぜひ個別相談会をご利用ください。

【募集期間】 4月8日(月)~7月19日(金)
【募集対象】
 ・「消費生活用製品」の製造・輸入、小売販売事業を行っている企業
 ・「消費生活用製品」に関連した事業を行っている企業・団体
 ・ネットモール運営事業者
【個別相談会】オンラインでの実施となります。詳しくはHPをご確認ください。
【詳 細】https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/index.html

<応募説明会のご案内>
応募を検討されている皆様を対象に応募説明会を開催いたします。
当日は、製品安全対策ゴールド企業であるYKK AP(大臣賞3回)、製品安全の取組を売上増につなげている大一電化社(大臣賞2回)よりご講演をいただく予定です。奮ってご参加のほど、何卒よろしくお願いいたします。

【日時】2024年5月31日(金) 13:00~14:30(開場:12:30)
【会場】ZoomおよびMS&ADインターリスク総研株式会社10階大会議室
    (東京都千代田区神田淡路町2-105 ワテラスアネックス10階)
【当日プログラム(予定)】
 13:00~13:05 開会挨拶
 13:05~13:30 事務局説明
 13:30~14:00 企業講演① 株式会社大一電化社
 14:00~14:30 企業講演② YKK AP株式会社
【定員】対面は25名(先着順、各社2名まで)
【申込方法】以下のFormsリンクよりご登録ください。
 https://forms.office.com/r/jcBZKegdNp
【申込期限】5月27日(月)17:00
【参加費】無料
【詳細】https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/3consumer/r6_explanatory.html

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◆◆◇「SAFE-Lite」のご案内◇◆◆

 NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信しており、NITEのウェブサイトで、事故情報データベース、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを提供しています。その中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「SAFE-Lite」というサービスを提供しています。
 「SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
 「SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。

【SAFE-Lite】
 https://safe-lite.nite.go.jp/

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◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆

消費者庁

 消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

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◆◆◇ Instagram アカウントのご案内 ◇◆◆

 NITEでは、公式アカウントを開設しております。
 インスタグラムでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいねをお待ちしております!

 Instagramアカウント→@nite_japan

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編集後記

 GWが終わり、日常が戻りました。今年のGWは暑かったですね。私は京都に遊びに行ったのですが、日焼け止めを塗っていても焼けてしまいました(ガーン)。まだ5月なのに寝苦しく、すでにエアコンを付けてしまっているので夏本番が不安です…。 NITEでは5/30(木)にエアコン及び扇風機の気を付けるポイントをご紹介するプレスリリースを行います。報道関係者でご興味がある方がいらっしゃいましたら、プレスリリースのご案内メールをお送りいたしますので、 ps@nite.go.jp までご連絡ください。今年も夏を乗り切るぞ!(ゆ)

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図