バイオテクノロジー

NITE バイオテクノロジーセンターが保有する微生物株を用いた、製薬用水の品質管理のための微生物定量試験用製品が全世界で提供開始

公表日

平成27年8月26日

本件の概要

報道発表資料

発表日:
平成27年8月26日(水)
タイトル:
NITE バイオテクノロジーセンターが保有する微生物株を用いた、製薬用水の品質管理のための微生物定量試験用製品が全世界で提供開始
発表者名:
独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター
資料の概要:

 NITE(ナイト)[独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長 理事長 :辰巳 敬、本所 :東 京都渋谷区西原 二丁目 49 番 10 号]が保有する、日本薬局方の培地性能試験に規定されている微生物株が、ビオメリュー社から微生物定量試験用製品として9月1日より全世界で提供が開始されることになりました。これにより、製薬用水の品質管理が簡便かつ迅速化することが期待されます。

  1. 1.医薬品の製造、容器や設備等の洗浄に用いられる製薬用水の品質管理においては、R2Aカンテン培地を用いて水に含まれる微生物数の測定が求められます。そのR2Aカンテン培地の性能を確認する試験※1では、NITEバイオテクノロジーセンター(NBRC)が保有している、日本薬局方で性能試験用として規定された微生物株Methylobacterium extorquens NBRC 15911の一定数の細胞を飢餓状態にして培地に接種する必要があります。
  2. 2.今回、ビオメリュー社は、NBRCとの契約に基づき、Methylobacterium extorquens NBRC 15911を予め一定数の細胞を含むように作られたボール状の微生物定量試験用製品BioBall®※2として、平成27年9月1日(火)に全世界で提供を開始することとなりました。この製品を用いることで、培地性能試験で接種する微生物を一定の数に合わせ、細胞を飢餓状態にする作業の必要がなくなり、製薬用水の品質管理を簡便かつ迅速に行えることが期待されます。なお、NBRCが保有しているもう一種類のR2Aカンテン培地性能試験用株Pseudomonas fluorescens NBRC 15842についても同社において同様の製品化が検討されています。
  3. 3.NBRCは、今後とも日本薬局方をはじめとする様々な公的試験規格に規定される微生物株を安定的に供給すること等を通じてバイオ産業の発展を支援していきます。

  1. (※1) 製薬用水の品質管理におけるR2Aカンテン培地の培地性能試験製薬用水の品質を検査するためには、水に含まれる微生物数の測定を行う試験が必要ですが、精製水および注射用水の検査の場合、その測定はR2Aカンテン培地で微生物を培養して行われます。日本薬局方では、R2Aカンテン培地の性能を確認する試験方法が定められており、性能評価用に指定された以下の2つの微生物株を飢餓状態にして一定数(50~200 cfu(colony forming unit、コロニー形成単位、固体培地に植えた時に生じるコロニーの数))培地に接種し、十分な微生物数が生育するかを確認します。なお、以下の2微生物株はいずれもNBRCが保有しています。
       Methylobacterium extorquens NBRC 15911
       Pseudomonas fluorescens NBRC 15842
  2. (※2) 微生物定量試験用製品BioBall®
    一定数の微生物を含むように作られたボール状の製品で、培地性能試験や精度管理などに使用されます。詳細は以下のウェブサイト参照。
    http://www.sysmex-biomerieux.jp/servlet/srt/bio/japan/dynPage?doc=JPN_IND_BPA_PRD_G_PRD_NDY_13
    製品については、シスメックス・ビオメリュー株式会社にお問い合わせください。
       シスメックス・ビオメリュー株式会社
       産業マーケティング部
       TEL:03-6834-2715
       FAX: 03-6834-2667

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発表資料

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