マイクロバイオーム測定の精度向上のための「微生物カクテル」の提供開始
公表日
令和元年5月21日
本件の概要
報道発表資料
- 発表日:
- 令和元年5月21日(火)
- タイトル:
- マイクロバイオーム測定の精度向上のための
「微生物カクテル」の提供開始
- 発表者名:
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター
- 資料の概要:
- NITE(ナイト)[独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長:辰巳 敬、本所:東京都渋谷区西原]は、令和元年(2019年)5月21日より、「微生物カクテル」を国内で初めて開発し、提供を開始します。
ヒトマイクロバイオームを測定する際の計測レファレンス(測定時の基準となる参照物質)として、「微生物カクテル」を利用することにより、実験手法の妥当性を評価することができます。その結果、測定結果の信頼性が向上し、ヒトマイクロバイオームを利用した新たな医薬品や食品等の研究開発に貢献することが期待されます。- 1.近年、腸内細菌をはじめとしてヒトに生息する様々な菌叢(ヒトマイクロバイオーム)がヒトの健康と密接に関連していることが明らかとなっています。ヒトマイクロバイオームの状態を正確に分析し、適正な状態に保つことが疾病の予防につながると知られており、医薬品や食品の開発が進められています。
- 2.一方で、マイクロバイオームの測定は、試料の採取・保存、DNA抽出、DNA測定、データ解析等の各工程において、測定手法や作業者の違いなどにより測定値に偏りが生じることが課題となっています。
- 3.そこでNITEは、各工程における測定値の偏りを検証するために、多様な微生物を管理している実績と確かな培養技術や微生物のゲノムシーケンスで培ったDNAの取り扱い技術を活かし、組成と内容量が明らかな「微生物カクテル」を国内で初めて開発し、提供を開始します。
- 4.「微生物カクテル」は、細胞の大きさ、壊れやすさ、ゲノムサイズなどの性質の異なる15種類の微生物(ヒト由来微生物、モデル微生物、土壌細菌など)から構成されています。そのため、医薬品や食品等の研究開発以外にも様々な用途にご利用いただけます。
- 5.「微生物カクテル」には、菌体を一定量混合した「菌体カクテル」と、同種の微生物から抽出したDNAを一定量混合した「DNAカクテル」の2種類があり(表参照)、両カクテルに含まれる細胞数やDNA量は、従来のショートリードシーケンスだけではなく、広く利用され始めているロングリードシーケンスにも対応した仕様となっています。
- 6.昨年度公募により実施した「微生物カクテル」の試験提供では、試料からのDNA 抽出方法、試薬の選定などの試験手順から作業者の手技まで、測定値の偏りの要因となりうる様々な工程の検証に使用できることが実証されました。
- 7.NITEは、多様な微生物の提供やその取扱い技術を活かして、マイクロバイオームを利用したヒトの健康増進のための産業発展に貢献して参ります。
- 1.近年、腸内細菌をはじめとしてヒトに生息する様々な菌叢(ヒトマイクロバイオーム)がヒトの健康と密接に関連していることが明らかとなっています。ヒトマイクロバイオームの状態を正確に分析し、適正な状態に保つことが疾病の予防につながると知られており、医薬品や食品の開発が進められています。
- 図 マイクロバイオーム分析工程と微生物カクテルの使用例
発表資料
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お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター バイオ技術評価・開発課(かずさ)
-
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