化学物質管理

化学品安全性データの相互受理(MAD)について

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1981年のOECDの理事会において、MAD(Mutual Acceptance of Data:データの相互受理)が採択されました。

MADとは、OECDテストガイドライン及びGLP(Good Laboratory Practice:優良試験所基準)に基づくデータであれば、他国にて規制目的で作成された試験であっても、OECD加盟国に当該データの受け入れを求めるものです。MADにより、試験の重複が避けられることとなり、貿易の円滑化が促進されます。

1997年より、OECDの非加盟国でもMADに参加が可能となりました。今後、さらに多くのOECD非加盟国がMADに関連した理事会決定等を遵守してMADに参加できるようになることが期待されています。

NITE化学物質管理センターでは、GLP試験施設の査察等を行い、試験成績の信頼性・国際整合性の確保に努めるとともに、OECDにおけるこれらの活動に積極的に参画しています。

MAD参加国(加盟年)
OECD加盟国
OECD非加盟MAD参加国 南アフリカ(2003年)、シンガポール(2010年)、インド(2011年)、ブラジル(2011年)、アルゼンチン(2011年)、マレーシア(2013年)
MAD仮参加国 タイ(2010年)

MADの概念図

OECDテストガイドラインの概要

OECDテストガイドラインとは、化学物質の安全性等に関する試験方法を国際的に調和するために、OECDにおいて統一的な試験方法として定められたものです。約100のテストガイドラインが定められ、政府及び産業界等ステークホルダーの合意に基づき作成・改訂されています。

化審法の試験方法は、OECDテストガイドラインに原則整合しています。例えば、化審法における分解度試験はOECDテストガイドライン301C及び301F、濃縮度試験はOECDテストガイドライン305、1-オクタノールと水との分配係数測定試験はOECDテストガイドライン107及び117に準じます。

詳細は、OECDのテストガイドラインプログラムのホームページをご参照下さい。

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GLPの概要

GLPとは、試験施設において作成された試験データの信頼性を確保するために、権威ある監視当局が、その試験施設について一定の基準を満たし特定の試験を行う能力があることを認めるものです。

1981年に制定、1997年に改訂されたOECD・GLP原則では、運営管理、試験施設、試験計画、内部監査、信頼性保証、標準操作手順書、記録と試資料の保管等に関して、試験施設が遵守すべき基準を定めています。1989年にはGLP適合確認に係る決定・勧告が採択され、各加盟国にGLP査察制度の構築などが求められました。さらに、GLP原則遵守及び監視当局による試験施設のGLP遵守監視のためにGLP関連文書が作成されています。

監視当局は、定期的に海外の監視当局のメンバーからなる国際評価チームによる厳格な現地評価(on-site evaluation)を受け、当該監視当局が運営するGLPプログラムの継続的なGLP適合が確認されます。

化審法に基づくGLPプログラムは、OECD・GLP原則に整合したGLP基準を定めた、OECD・GLPを遵守したプログラムです。

 
OECD・GLP関連文書一覧(制定又は改訂された年)
    No. 1:OECD・GLP原則(1997年改訂)
監視当局用のガイダンス文書:
    No. 2:GLPの遵守監視手順ガイド(1995年改訂)
    No. 3:試験施設査察及びスタディーオーディットガイダンス(1995年改訂)
    No. 9:GLP査察報告書作成ガイダンス(1995年)
コンセンサス文書:
    No. 4:信頼性保証及びGLP(1999年改訂)
    No. 5:試験所サプライヤーのGLP原則の遵守(1999年改訂)
    No. 6:フィールドスタディーにおけるGLP原則の適用(1999年改訂)
    No. 7:短期試験におけるGLP原則の適用(1999年改訂)
    No. 8:GLP試験の試験責任者の役割および責任(1999年改訂)
    No.10:コンピューターシステムにおけるGLP原則の適用(1995年)→No.17に改訂
    No.13:複数場所試験の組織及び管理におけるOECD・GLP原則の適用(2002年)
GLPワーキンググループの勧告文書:
    No.11:GLP原則における試験委託者の役割および責任(1998年)
    No.12:他国内における査察およびスタディーオーディットの要請と実施(2000年)
    No.14:in vitro試験におけるGLP原則の適用(2004年)
    No.15:GLP原則に遵守する試資料保管場所の構築及び管理(2007年)
    No.16:組織病理学のピアレビューに関するGLP要求ガイダンス(2014年)
    No.17:コンピューターシステムにおけるGLP原則の適用(2016年)
    No. 19:被験物質の管理、特性及び使用 (2018年) 
ポジション文書:
    No. 18:OECD GLP原則とISO/IEC 17025に関するポジションペーパー(2016年)            
    GLP遵守監視に関する試験所認定の使用 (1994年)
    GLP監視当局による査察機能の外注 (2006年)
審査当局のためのガイダンス文書:
  No. 20:非臨床試験のうちGLP適用試験の評価に関する審査当局のガイダンス文書 (2019年)

 *No.は、OECDのGLP関連文書のシリーズ番号を示します。

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最終更新日

2023年11月27日

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