製品安全

Vol.60 11月 7日号「石油ファンヒーターによる事故」

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 ■    ◆========= 製品安全情報マガジン(PSマガジン)========== 
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         ■ 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
      ■■■        生活・福祉技術センター 製品安全企画課
                       http://www.jiko.nite.go.jp/

===================2007.11.7 Vol. 60=====================

 今回は、冬場に多い石油ファンヒーターによる事故をご紹介しています。N
ITEからのお知らせでは、11月19日(月)に経済産業省と共催する「製
品安全総点検セミナー」をご案内しています。同セミナーでは、米国消費者製
品安全委員会(CPSC)の委員長代行ナンシー・ノード氏にご講演いただき
ます。ぜひ、ご参加いただきますようお願いいたします。事故100選は「食
器洗い乾燥機からの出火事故」です。

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                 目次 
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1.製品事故収集情報 
  ・石油ファンヒーターによる事故
  ・消費生活用製品の事故情報収集状況(10月18日~10月31日受付360件)
2.社告・リコール情報(5件)
3.NITEからのお知らせ
  ・製品安全総点検セミナーの開催について
  ・平成19年度成果発表会開催(東京会場)のご案内
4.関係機関の製品安全情報
  ・簡易な液化ガス容器への再充てん禁止に係る注意喚起について
  ・製品事故に該当しない事例について           経済産業省
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表済事故において、
   製品に起因して生じた事故であるか不明であると判断した
   案件について                     経済産業省
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表済事故において、
   製品起因による事故ではないと判断した案件について   経済産業省
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について    経済産業省
5.事故100選
   第28回「食器洗い乾燥機からの出火事故」
6.編集後記
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            1.製品事故収集情報
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       ◆◆◇ 石油ファンヒーターによる事故 ◇◆◆

◇冬場の事故として、今回は、消費者の不注意や誤使用による石油ファンヒー
 ターの事故事例をご紹介します。

  (事例1)木造平屋住宅から出火し、約105平方メートルを全焼しま
       した。
  ----------------------------------------------------------------
  → 石油ファンヒーターを消火せずにカートリッジタンクに給油し、本
    体にセットしようとしたところ、ふたが完全に締められていなかっ
    たために外れ、漏れた灯油にファンヒーターの火が引火して火災に
    至ったものと推定されます。

  (事例2)石油ファンヒーターを点火したところ爆発炎上し、2名が
       火傷して天井を焦がした。
  ----------------------------------------------------------------
  → バイク用に保管していたガソリンを灯油と間違えて給油したため、
    爆発炎上したものと推定されます。

  (事例3)車庫から出火し、約51平方メートルを全焼しました。
  ----------------------------------------------------------------
  → 石油ファンヒーターを点けて作業中、ファンヒーターの前に塗装用
    スプレー缶を置いていたためにスプレー缶が過熱し、火災に至った
    と推定されます。

◇石油ファンヒーターも、前回ご紹介した石油ストーブの事故と同じような経
 緯で事故になったケースが多くあります。例えば、事例1のように給油時に
 カートリッジタンクの口金の締め方が不十分だったり、消火せずに給油した
 りして起きた火災の事例や、事例2のように、間違えてガソリンを給油した
 ために異常燃焼して火災に至った事例です。少し違う事例では、事例3のよ
 うに、可燃性ガスを使用したスプレー缶(エアゾール缶)をそばに置いてい
 てスプレー缶が過熱されて破裂し、火災に至った事故があります。ファンヒ
 ーターは火が見えにくい構造のため、ついうっかり置いてしまうのではない
 かと思われますが、吹き出し口はかなり高温になりますのでご注意ください。

◇可燃性ガスを使用したスプレー缶には「火気と高温に注意」等の表示があり
 ますが、ファンヒーターの事例のように、火気と意識なく使ってしまうしま
 うケースがあります。例えば、まだ、調査は終了していませんが、錆止めス
 プレーをドアの蝶番に使用し、その後しばらくしてそばにあったシュレッダ
 ーを作動させて炎が上がり火傷を負ったという事故がありました。噴射する
 量や部屋の気密性などにもよりますが、これからの季節、部屋には暖房器具
 の火気がありますので、注意してご使用ください。

【参考】
  事故情報特記ニュース No.53
  「石油ストーブや石油ファンヒーターを使用するにあたって(注意喚起)」
  http://www.jiko.nite.go.jp/news/news53.html

      ◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
          (10月18日~10月31日受付360件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。

     製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
    ==========================================================
    1.デスクマット    (皮膚炎  155件) [+154]
    2.ガスこんろ     (火災等   28件) [+  9]
    3.サンダル      (巻き込み等 16件) [+ 16]
    4.洗面化粧台     (破損    12件) [+ 12]
    5.換気扇       (焼損等   10件) [+  9]

 デスクマット155件は使用して皮膚炎を発症したもので、まとめて報告が
あった社告対象製品の事故です。サンダル16件は、サンダルの一部がエスカ
レーターに巻き込まれて負傷した等の事故です。洗面化粧台12件は、丁番が
外れて鏡扉が落ち、使用者が負傷した等の事故がまとめて報告のあったもので
す。換気扇10件のうち9件は内部の一部が溶融していたの事故で、まとめて
報告があったものです。

<最新の製品事故情報の公表>

 最近1週間に受付をした事故情報について毎週月曜日に以下のNITEホー
ムページで公表しています。
  → http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html

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            2.社告・リコール情報
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◇マイクロソフト株式会社 「電気玩具(ゲーム機用コントローラー)(再社告)」
(平成19年8月23日に行った社告の再社告)(交換もしくは修理対応 )
 (H19/10/17)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20071017b.html

◇株式会社インターコンプ(発売元)/株式会社ベスト電器(販売店)
 /住友商事株式会社(輸入元)「ハロゲンヒーター(再社告)」
 (平成19年6月14日に行った社告の再社告(製品引取・返金 )(H19/10/17)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20071017.html

◇日本サムスン株式会社 「全自動洗濯機」
(対象機種に関して無償点検・修理(コンデンサー交換) )(H19/10/15)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20071015.html

◇株式会社日立製作所コンシューマ事業グループ 「液晶テレビ」
 (無料点検、処置)(H19/10/11)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20071011.html

◇リンナイ株式会社 「開放式小型湯沸器(再社告)」
 (平成19年2月12日に行った社告の再社告)(無償点検、注意喚起)
 (H19/10/09)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20071009.html

■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告・リコール情報】
     http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
 【社告・リコール情報の検索】
     http://www.jiko.nite.go.jp/index5.html

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            3.NITEからのお知らせ
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     ◆◆◇ 製品安全総点検セミナーの開催について ◇◆◆

 NITEは、毎月第ニ火曜日(火二(ひに)注意)の『製品安全点検日』に、
製品の安全な使用方法等についての情報提供を、経済産業省と共に行っており
ます。11月19日(月)から始まる「製品安全総点検週間」の初日に「製品
安全文化を育てていくために」をテーマとした「製品安全総点検セミナー」を
経済産業省と共催しますので、ご案内いたします。

 NITEは、製品安全に関して海外機関との連携を強化する中で、昨年11
月に経済産業省と共にガイドラインを締結した米国消費者製品安全委員会(C
onsumer Product Safety Commission、略称:CPSC)の委員長代行ナンシ
ー・ノード氏(Ms. Nancy A. Nord)を招聘し、当該セミナーにおきまして、
米国における製品安全の取り組みを講演いただきます。

 ※CPSCとは
 米国消費者製品安全法(Consumer Product Safety Act)に基づき設立され
 た米国の独立政府機関(1973 年執務開始)で、15,000種以上の消費者用製
 品に付随する死亡や傷害などの不合理なリスクから国民を保護することを目
 的としています。

 ※ナンシー・ノード氏とは
 米国大統領ジョージ W.ブッシュ氏からの推薦を受け、2005年の4月29日
 に上院で承認され、同年5月5日に委員長代行に就任。任期は2012年10月まで。
 サウスダコタ州スーフォールズ出身、ネブラスカ大学で学士号、ジョージワ
 シントン大学(ワシントンDC)で法律の学位を取得。

 ※ガイドラインとは
 NITEは、平成18年11月29日、経済産業省と共同でCPSCと情報
 交換、人材交流等を目的としたガイドラインを締結いたしました。

【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs071029.html

  ◆◆◇ 平成19年度成果発表会開催(東京会場)のご案内 ◇◆◆

 NITE生活・福祉技術センターは、去る11月1日、大阪国際会議場にお
いて平成19年度成果発表会(大阪会場)を開催いたしました。ご参加いただ
きました皆さま、ありがとうございました。同発表会の東京開催を下記の日程
で開催いたします。まだ少し席に余裕がありますので、参加をご希望の方はお
早めにお申し込みくださいますようお願いいたします。

   【日 時】平成19年11月13日(火) 10:00~16:30(受付 9:30~)
   【会 場】日本教育会館一ツ橋ホール(東京都千代田区)
   【参加費】無料 
   【詳 細】プログラム、申込方法等は以下のページをご参照ください。
        http://www.nite.go.jp/jiko/seika/seika2007.html
        ※申込みの締切日を過ぎておりますが受付可能です。 

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            4.関係機関の製品安全情報
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     ◆◆◇    簡易な液化ガス容器への    ◇◆◆
             再充てん禁止に係る注意喚起について

 経済産業省原子力安全・保安院は、高圧ガス保安法に基づき禁止されている、
使用済み又は残量の少なくなったアウトドア用、カセットこんろ用等の簡易な
液化ガス容器へ新たに液化ガスを再充てんすることについて、注意喚起を行っ
ています。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20071106002/20071106002.html

      ◆◆◇ 製品事故に該当しない事例について ◇◆◆
          (平成19年10月23日公表分)

 消費生活用製品安全法第2条第4項に「製品事故」の定義が規定されていま
す。経済産業省は、この規定内容を御理解頂くため、「製品事故」に該当しな
い事例について、消費経済審議会製品安全部会製品事故判定第三者委員会にお
いて審議した結果を基に公表しています。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/product_safety/index.html 
    (新着情報:2007年10月23日分)

 ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表済事故において、◇◆◆
     製品に起因して生じた事故であるか不明であると判断した
     案件について(お知らせ)
 
 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故に係る公表において、製品起因か否かが特定できていない
事故として公表した案件のうち、消費経済審議会製品安全部会『第4回製品事
故判定第三者委員会』における審議の結果、原因究明調査を行ったものの製品
に起因して生じた事故かどうか依然として不明であると判断したものについて、
製品安全に資する情報提供の観点から、不明の理由を付して公表しています。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/product_safety/index.html
    (新着情報:2007年10月23日分)

 ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表済事故において、◇◆◆
     製品起因による事故ではないと判断した案件について
    (お知らせ)

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故に係る公表において、ガス機器・石油機器に関する事故及
び製品起因か否かが特定できていない事故として公表した案件のうち、消費経
済審議会製品安全部会『第4回製品事故判定第三者委員会』における審議の結
果、製品起因による事故ではない(製品事故ではない)と判断したものを公表
しています。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/product_safety/index.html
    (新着情報:2007年10月23日分)

  ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆  

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

 11/ 6 http://www.meti.go.jp/press/20071106007/20071106007.html
 11/ 2 http://www.meti.go.jp/press/20071102002/20071102002.html
 10/31 http://www.meti.go.jp/press/20071031003/20071031003.html
 10/26 http://www.meti.go.jp/press/20071026005/20071026005.html

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             5.事故100選
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        第29回「食器洗い乾燥機からの出火事故」

◇平成15年、食器洗い乾燥機の電源を入れて1時間ほどしたところ発火し、
 家人が消火器で消火する事故が発生しました。事故が起きた食器洗い乾燥機
 は購入して約3年半の使用期間でした。

◇事故品は、本体の左側面の下部から底部にかけて外装の樹脂が焼損していま
 した。電源コードには損傷が無く、本体底部に組み込まれている乾燥用ヒー
 ターセット部の焼損が著しいことから、この部分から出火したものと考えら
 れました。乾燥用ヒーターに断線はなく、発熱線に著しい焼けと赤さびがみ
 られました。

◇送風ファンを取り付けた板の下面には赤さびがみられ、上面には水跡と考え
 られる白い付着物がみられました。給水弁は洗浄漕の樹脂が溶融して固着し
 ており、水漏れの痕跡の有無は確認されませんでした。しかし、同じ型式の
 製品で以前に同様の事故が2件発生しており、そのいずれも乾燥用ヒーター
 セット部分の焼損が著しく、給水弁から水漏れの痕跡があったことから、こ
 の事故についても、事故品の状況から、給水弁からの水漏れがあったと考え
 られました。

◇これらのことから、給水弁を洗浄漕に取り付ける際にパッキンが正しくセッ
 トされないで取り付けられたため、食器洗い洗浄機の使用によって洗浄水が
 少しずつ内部に漏れ、洗浄水の汚れや泡が送風ファンや乾燥用ヒーターセッ
 ト部に堆積して送風ファンの回転が低下し、ヒーターが異常過熱して付近の
 樹脂が溶融し、発煙発火したものと推定されます。

◇製造事業者は、当該事故の発生を受けて社告を新聞に掲載し、点検・修理対
 応をしています。

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              6.編集後記
===================================

 今回、経済産業省と共催する「製品安全総点検セミナー」をご案内していま
す。特別号でもご案内しましたが、同セミナーでは、米国消費者製品安全委員
会(CPSC)の委員長代行ナンシー・ノード氏の講演があり、拝聴できるの
を楽しみにしています。

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 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/index3.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html (Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

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        【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
                生活・福祉技術センター 製品安全企画課

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図