製品安全

Vol.77  7月23日号「電子レンジによる事故」

今回は、電子レンジによる事故をご紹介しています。NITEからのお知らせでは「視力補正を目的としないカラーコンタクトレンズに関する調査結果について」をご案内しています。事故100選は、太陽熱温水器のカバーガラスが落下した事故です。

目次

  1. 1.製品事故収集情報
    ・電子レンジによる事故
    ・消費生活用製品の事故情報収集状況(7月2日~7月15日受付148件)
  2. 2.社告・リコール情報(9件)
  3. 3.NITEからのお知らせ
    ・視力補正を目的としないカラーコンタクトレンズに関する調査結果について
  4. 4.関係機関の製品安全情報
    ・第17回製品安全点検日セミナー開催のお知らせ 経済産業省
    ・株式会社萬品電機製作所が製造・販売した電気こんろに係る注意喚起について 経済産業省
    ・パロマ工業(株)の消費生活用製品安全法第39条に基づく危害防止命令による再点検及び周知等の活動状況について(第3報) 経済産業省
    ・パロマ工業(株)の消費生活用製品安全法第39条に基づく危害防止命令による再点検及び周知等の活動状況について(第2報) 経済産業省
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 経済産業省
  5. 5.事故100選
    第46回「太陽熱温水器のカバーガラスが落下した事故」
  6. 6.編集後記

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1.製品事故収集情報

電子レンジによる事故

今回はご注意いただきたい電子レンジの事故事例をご紹介します。

(事例1)電子レンジの加熱調理中に庫内より火が出て、導波管カバー の一部を焼損しました。

→庫内の導波管カバー(マイカ板)とその周辺が焦げており、カバーに 食品カス等の付着物および炭化が確認されました。食品カス等でカバ    ーが汚れていたため、付着した汚れがマイクロウェーブで局部的に加 熱されて炭化・スパークし、火花が庫内壁面を焦がしたものと推定されます。なお、取扱説明書には「食品カスが付いたまま使用しない、 汚れた場合は拭き取る。」旨の注意表示が記載されていました。

(事例2)電子レンジで食品を加熱中、庫内から煙が出てきたので扉を開けたところ食品から発火し、消火の際に家人が軽い火傷を負いました。   

→使用者が手動で食品の加熱設定を行った際、食品の量に対して加熱の 定時間が長すぎたため食品が過熱・発煙し、その直後に扉を開けたことによって庫内に空気が供給され、食品が発火したものと推定されます。なお、取扱説明書には「食品は加熱しすぎると発煙・発火の原因となる」「庫内の食品が燃えだしたときはドアを開けない」旨の警告が記載されていました。

事例1のように、庫内の汚れをそのままにしておくと火花や発火のおそれが  あります。使用後は汚れをそのままにしないようにしてください。お手入れの方法は取扱説明書をご確認ください。事例2のように、食品を加熱し過ぎると食品が発火するおそれがあります。加熱方法や使用できる容器など、取  扱説明書をよく読んでからご使用ください。

消費生活用製品の事故情報収集状況(7月2日~7月15日受付148件)  

NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。

製品名 (事故状況と件数)

  1. 1. ガスこんろ (火災等 15件)
  2. 2. 自転車 (折損等 12件)
  3. 3. エアコン (火災等  7件)
  4. 4. ベビーカー(部品外れ 5件)
    .冷蔵庫 (火災等  5件)

ベビーカー5件は、背もたれ部のフレームを固定する取付ねじが外れて背も たれが傾き、幼児が転落した事故報告があったものです。

最近1週間に受付をした事故情報について毎週金曜日に以下のNITEホー ムページで公表しています。
→ http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html

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2.社告・リコール情報

◇プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
「電気シェーバー付属ACアダプター」(無償交換(送料着払いにて送付。なお、小売店での交換は不可。))(H20/07/23)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008072301.html

◇トヨスター株式会社 「ペンダントライト」(回収・返金)(H20/07/10)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008071001.html

◇ヤマハ発動機(株)(製造/販売)/ブリヂストンサイクル(株)(販売)/
宮田工業(株)(販売)/(株)タカラ(現 株式会社タカラトミー)(販売)  
「電動アシスト自転車」(無償交換(ドライブユニット))(H20/07/08)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008070802.html

◇タマリビング株式会社「オフィスチェア」(回収・交換)(H20/07/04)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008070402.html

◇株式会社アガツマ(販売元)/株式会社トコムコーポレーション(製造元)  
「らくがきデスク」(回収・交換)(H20/07/04)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008070401.html

◇プラス株式会社「マネージャーチェア」(点検・交換)(H20/07/01)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008070101.html

◇株式会社内田洋行「システムチェア」(無償交換)(H20/06/30)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008063001.html

◇株式会社シバタ「蛍光替球(32W)」(無償点検または代品交換)  (H20/06/27)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008062701.html

◇日本たばこ産業株式会社「吸殻入れ(たばこ用景品)」(自主回収)  (H20/06/24)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2008062401.html

NITE社告・リコール情報のページ

【過去1年間の社告・リコール情報】 
http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html

【社告・リコール情報の検索】
http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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3.NITEからのお知らせ

視力補正を目的としないカラーコンタクトレンズに関する調査結果について

NITEは、「視力補正を目的としないカラーコンタクトレンズに関する調 査委員会」を設置し、おしゃれ用カラーコンタクトレンズの流通・安全性評価 の実態、被害状況、品質、海外規制等についての実態調査を行い、報告書に取 りまとめ、公表いたしました。

【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs080710.html

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4.関係機関の製品安全情報

第17回製品安全点検日セミナー開催のお知らせ

経済産業省は、今回の製品安全点検日セミナーで、お子さま向け夏休み特別 企画として、サイエンスプロデュサー杉木優子さんによる「親子で学べる製品 安全~サイエンスショー」を東京の日本科学未来館にて開催します。二酸化炭 素や電気を使った科学実験を通じて、製品を正しく安全に使うことの大切さを 楽しく学んでいただけるプログラムです。お子さま、保護者の皆さまをはじめ、 多くの方々のご参加をお待ちしています。   

【日 時】平成20年8月12日(火)14:00~15:00   
【会 場】日本科学未来館 みらいCANホール(東京都江東区青梅)
    新交通ゆりかもめ 船の科学館駅 徒歩4分
    テレコムセンター駅 徒歩5分
【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20080722005/20080722005.html

株式会社萬品電機製作所が製造・販売した電気こんろに係る注意喚起について

株式会社萬品電機製作所が製造・販売した電気こんろにおいて、電気的ノイズ 等により電源スイッチが入り、こんろ周辺の可燃物が焼損したと思われる事故が 複数件発生したため、同社が対象製品の無償改修を実施しておりましたが、本年 7月16日以降、実質的に事業を廃止していることが確認され、同社による製品 の改修が望めない状況となりました。

経済産業省は、対象製品を使用されている消費者の皆様に使用中止を呼びかけ るとともに、販売事業者及び関係団体に対して注意喚起等の協力要請を行うなど 必要な処置を適切に行っていくこととしています。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20080718009/20080718009.html

パロマ工業(株)の消費生活用製品安全法第39条に基づく危害防止命令による再点検及び周知等の活動状 況について(第3報)

経済産業省は、パロマ工業(株)に対し、6月25日付けで発した危害防止 命令に関し、命令発出後三週間後の再点検の実施状況について、同社から受け た報告の概要を公表しました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20080718013/20080718013.html

パロマ工業(株)の消費生活用製品安全法第39条に基づく危害防止命令による再点検及び周知等の活動状 況について(第2報)

経済産業省は、パロマ工業(株)に対し、6月25日付けで発した危害防止 命令に関し、命令発出後二週間後の再点検の実施状況について、同社から受け た報告の概要を公表しました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20080711005/20080711005.html

消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

7/18 http://www.meti.go.jp/press/20080718008/20080718008.html   
7/15 http://www.meti.go.jp/press/20080715007/20080715007.html   
7/11 http://www.meti.go.jp/press/20080711006/20080711006.html

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5.事故100選

第46回「太陽熱温水器のカバーガラスが落下した事故」

平成19年、屋根に設置した太陽熱温水器から、集熱器のカバーガラスが外れて落下したという事故の報告が寄せられました。事故が起きた太陽熱温水器は、集熱器、カバーガラス、貯湯タンクからなっており、貯湯タンクに水を上げて溜めてお湯を沸かす、自然循環式のものでした。事故品は平成7年に購入し、約7年間使用されていました。

カバーガラスは、ステンレス製のガラス押さえ金具で固定されており、ガラス押さえ金具を、ステンレス製の集熱器ケースにアルミ製のリベットで取り  付けてありました。リベットが外れて集熱器ケースからガラス押さえ金具が取れ、カバーガラスが落下していたことから、以下のように事故に至ったものと考えられました。

集熱器ケースの微少な隙間から雨水が浸入し、集熱器内部に溜まって、ガラス押さえ金具(ステンレス製)を固定しているリベット(アルミ製)が湿潤状態になり、ステンレスとアルミの異種金属の電位差によりリベットの腐食が進行し、リベットが外れてカバーガラスが落下したものと推定されました。

事故を受けて販売事業者は、新聞とホームページに社告を掲載し、ユーザーにダイレクトメールを送付して無償点検・修理を実施することとしました。なお、平成8年以降、集熱器ケースに水抜き穴を追加し、リベットの材質をアルミからステンレスへ変更しています。

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6.編集後記

PSマガジンの配信を開始してこの7月で3年になりました。その間に、消費生活用製品安全法の改正による重大製品事故報告制度の創設など、製品安全 に係る様々なことがありました。今後も引き続きご覧いただきますようお願いいたします。


PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。

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 Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
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お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
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