製品安全

Vol.313  7月24日号 「エアコンによる事故」

 
                  2018.7.24 VOL. 313
=======================PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)====
                 製品安全についての情報をお届けします。
                                   (第2・4火曜日発行)
                ‥‥‥‥………………………………‥‥‥‥‥
               NITE(ナイト)[独立行政法人製品評価技術基盤機構]
                              製品安全センター
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 各地で猛暑日が続いており、エアコンを使われている方も多いと思われます
 が、エアコンの電源コードの途中接続やエアコン内部の洗浄による火災事故
 が毎年発生しています。今回はエアコンの事故紹介をします。

-----------------------------お知らせ---------------------------------

    7月の「PSマガジン」について、配信を一時停止させていただきます。
    
    メール配信再開までは、当機構ホームページに掲載の「PSマガジン」を
  ご確認ください。

https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2018fy/sub-index_2018fy.html   

  なお、メール配信の再開は8月頃を予定しております。

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               項目一覧 
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1.エアコンによる事故

2.製品事故収集情報(7月2日~7月14日 受付 67件)

3.リコール情報( 3件)

4.その他の製品安全情報
  ・2018年度第1回製品リコール研究部会
  ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告 
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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           1. エアコンによる事故
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  【事例1】
        エアコンを使用していたところ、エアコン室内機が焼損し、使用者が
    軽傷を負う火災が発生した。 

   →使用者が電源コードを延長するために途中でねじり接続※1したため、
        接続部が接触不良により異常発熱し、発火したと考えられる。


  【事例2】
      住人不在時にエアコン及びその周辺を焼損する火災が発生した。エア
    コンには洗浄液の付着が確認された。              

   →使用者がエアコンを洗浄した際に、エアコンの洗浄液が内部の電気部
    品に付着したことにより、トラッキング現象※2が発生し、出火した
        ものと考えられる。なお、エアコンを洗浄した際に電気部品を保護
        するカバーとして、ハンドタオルが使用されており、電気部品は保護
        できていなかった。

  【事例3】
      停止中のエアコン室内機を焼損する火災が発生した。  

   →エアコン室内機に侵入した小動物(ゴキブリ)の糞などがファン
    モーターの端子部に付着したことにより、トラッキング現象が発生
    して発火したものと考えられる。

    ※1ねじり接続
    電源コードの芯線をねじり合わせることで別のコードと芯線同士を
    つなぐ方法。
 
    ※2トラッキング現象
    付着したほこりや水分により電気の通り道(トラック)が生成され、
    異常発熱する現象。
   
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   【事例1の注意事項】
   電源コードをねじり接続などによって他のコードと途中接続する加工や
   修理は行わないでください。接続不良によって、発煙・発火するおそれ
   があります。また、延長コードやテーブルタップなどは使用せず、エア
   コン専用に設置されているコンセントに差し込んでください。

    【事例2の注意事項】
   エアコン洗浄の際には電源配線、電源基板などやファンモーターなどの
   電気部品にエアコン洗浄液がかからないよう十分に注意する必要があり
   ます。誤った方法で内部の洗浄を行うと、エアコン洗浄液などが電源配
   線、電源基板などの電気部品に付着してトラッキング現象を起こし、
   発煙・発火するおそれがあります。なお、ご不明な点がある場合は、製
   造事業者などの専門知識を有する事業者にご相談ください。
     
  【事例3の注意事項】
   エアコン室内機に小動物が侵入して発煙・発火する事故が発生していま
   す。エアコンの配管用壁穴がパテで完全に密閉され、隙間がないか確認
   し、隙間がある場合は、購入店または製造事業者の修理窓口に相談くだ
   さい。隙間があると、小動物が室内機などに侵入し、配線をかじって
   ショートしたり、電源基板に接触することによってショートして、発煙
   ・発火するおそれがあります。

  
  また、以下のような異常が見られる場合は、使用を中止して、電源プラグ
  をコンセントから抜き、購入店または製造事業者の修理窓口に相談してく
  ださい。
     
  ① ブレーカーが頻繁に落ちたり、正常に動作しない
  ② 電源プラグが変色している
  ③ 電源コードや電源プラグが異常に熱い
  ④ 焦げ臭いにおいや異音がする
  ⑤ 室内機から水漏れしている
  ⑥ 電源コードに途中接続している部分がある

   
   エアコンによる事故に関する資料も併せてご参照ください。
  
  (再現実験映像:下記のURLのページで動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
   (1)エアコン「1.電源コードの継ぎ足し接続で発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01220101.html
   (2)エアコン「2.ねじり接続で発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1251.html
   (3)エアコン「3.途中接続で発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/18062801.html
   (4)エアコン「4.内部に洗浄液がかかりトラッキング現象で発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1252.html
      (5)エアコン「5.害虫が侵入し、内部ショート」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/170824.html
 
  (注意喚起ミニポスター)   
   (1)エアコンの火災事故に注意
   https://www.nite.go.jp/data/000004295.pdf 
   (2)エアコン内部洗浄の事故
   https://www.nite.go.jp/data/000081051.pdf
   (3)エアコンの途中接続部で発火
      https://www.nite.go.jp/data/000091505.pdf
   (4)小動物や害虫による事故
   https://www.nite.go.jp/data/000086345.pdf

   その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「エアコン」などを
   キーワードに検索していただけます。
   https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/search/index.html 

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            2.製品事故収集情報            
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          消費生活用製品の事故情報収集状況     
                    (7月2日~7月14日   受付67件) 
  NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

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        製品名           (事故状況と件数)
      1.   防犯ブザー          ( 製品破損等 5件)
     1.   パソコン           ( 製品破損等 5件)
     3.   ノートパソコン        ( 火災等    4件)
     4.   電気こんろ          ( 火災等    3件)
     4.   エアコン                    ( 火災等    3件)
     4.   直流電源装置                ( 軽傷等    3件)
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   最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
   https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

   事故情報の提供をお願いいたします。
   事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
      https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html

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               3.リコール情報
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   ①アップリカ・チルドレンズプロダクツ合同会社
                       (法人番号 9120001130049)

   「ベビーカー」  7/11(HP)

   【詳細】https://www.aprica.jp/uploads/pdf/message20180711.pdf

  
   ②サンコー株式会社
                       (法人番号 3010001120157)

   「電気洗濯機」  7/19(HP)

   【詳細】https://www.thanko.jp/html/page270.html
       
   ③GSジャパン株式会社
                       (法人番号 1010401016238)

   「自転車」  1/22(HP)

   【詳細】http://www.gsglobal.co.jp/bike/pdf/2018_01.pdf

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           4.その他の製品安全情報
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        「2018年度第1回製品リコール研究部会」      

                            一般社団法人PL研究学会 

   2018年度第1回製品リコール研究部会を開催いたします。発表内容及び
  詳細は下記の通りです。
   なお、当部会は、PL研究学会会員に向け開催し、発表者のご了解を得て
  一般参加を認めています。一般参加の質疑応答については、発表者や司会
  からの要望のあった場合のみとさせていただきますのでご容赦ください。 
  
 【発表内容】
  ①部会開催挨拶:PL研究学会会長 大羽宏一
  ②製品リコールに関する発表:経済産業省製品安全課製品事故対策室
  ③世界のリコールに関する状況:(発表者調整中)
  ④意見交換会

 【開催日時】2018年8月24日(金)13:30~16:00 (受付開始13:00)
 【会  場】東京都板橋区グリーンホール5階504号会議室 東京都板橋区栄町36-1
 【定  員】50 名
 【参加費用】会員(無料) 非会員の方は資料代として500円
      (受付時に名刺を添えてお支払い下さい。領収書を用意してあります。)
 【申し込み】当学会ホームページよりお願いいたします。(https://aplics.org/)
 【アクセス】地下鉄・都営三田線板橋区役所前、東上線大山駅 各徒歩7分
   ※一般の方は名刺を受付時にお渡しください。
   ※お身体のご都合でお車でご参加の場合は、事務局まで事前にご連絡ください。

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             iPod nanoの製品事故に係る定期報告         

                             経済産業省

  平成30年7月19日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式
    会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定
    期報告がありました。平成30年6月1日から30日までの本体・バッテリ
  ー交換件数は772件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月
    11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は291,837件となっています。
    http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou180719_1.pdf     

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        消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について   

                              消費者庁

  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

      7/13 9件 http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou180713_1.pdf
      7/18 7件 http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou180718_1.pdf
   7/20 3件 http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou180720_1.pdf
      7/24 12件 http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou180724_1.pdf

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                  編集後記

  私は以前、就寝時にエアコンの電源OFFタイマーの設定を1時間で切れる
  ようにしていたため、朝は汗だくで起床していました。なんとなくのイ
  メージでエアコンを長時間を使うのは良くないとか、汗をかくのは身体
  にいいだろうし、問題ないかというぐらいの考えで、ぐったりした状態
  で、毎朝起床していました。ですが就寝時にエアコンなどの冷房機器を
  使わなかったり、電源のOFFタイマーを早めに設定すると室温が上がって
  睡眠が浅くなることがある、という話を聞いてからはエアコンのタイマー
  はすぐ切れないように設定しています。おかげで朝の目覚めが快適にな
  りました。皆様も体調には気をつけて、上手にエアコン等の冷房機器を
  使って体調管理しましょう。

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  PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致
  します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
                                                              
  PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ
  掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡
  ください。
   Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
  (メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)                       

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         【編集・発行】 独立行政法人  製品評価技術基盤機構 
                 製品安全センター リスク評価広報課
                 (法人番号 9011005001123)
                https://www.nite.go.jp/jiko/index.html

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