製品安全

Vol.317  9月25日号 「高齢者の事故」

 
                  2018.9.25 VOL. 317
=======================PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)====
                 製品安全についての情報をお届けします。
                                   (第2・4火曜日発行)
                 ‥‥‥‥………………………………‥‥‥‥‥
               NITE(ナイト)[独立行政法人製品評価技術基盤機構]
                              製品安全センター
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 先週の17日は敬老の日でした。現在、日本の人口のおよそ28パーセントが
 65歳以上となっており、高齢率は高くなっております。今回は高齢者の
 事故を紹介します。                
  
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               項目一覧 
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1.高齢者の事故

2.製品事故収集情報(8月26日~9月8日 受付 77件)

3.その他の製品安全情報
  ・経済産業省のツイッターアカウント開設について
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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           1. 高齢者の事故
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  【事例1】
   使用中の石油ストーブから出火して、住宅1棟を全焼し、隣接する
   建物8棟を焼損して、1人が死亡、1人が重傷を負った。 

  →カートリッジタンクへの給油後、給油口キャップを斜め締めにしていた
   ため石油ストーブへ戻す際に灯油がこぼれ、更に拭き取りが不十分
   だったため、点火時に灯油に引火し、燃え広がったものと考えられる。

  【事例2】
   使用者が介護ベッドのリモコンを操作したところ、介護ベッド用手すりと
   介護ベッドの隙間に手が挟まり、負傷した。            

  →使用者が介護ベッドの隙間に手を入れた状態で、リモコンを使って
   ベッドの背上げ操作を行ったため、手が抜けなくなり、持ち上がってきた
   ベッドマットと介護ベッド用手すりの間に手を挟まれたと考えられる。
    なお、取扱説明書には、「サイドレールの隙間に体の一部が入った状態
   でベッドを操作すると、はさまれてけがをするおそれがある」旨、記載
   されていた。

  【事例3】
   使用者が電動車いすで工事現場の誘導路を走行中、工事用の穴に転落し、
   数日後、死亡した。  

  →道幅約1mの誘導路を走行していた際、使用者が運転操作を誤り、道路脇の
   工事用の穴に転落したと考えられる。

  【事例4】
      使用者が電動車いすで走行中、踏切内で列車にはねられ死亡した。

  →夜間に踏切を渡ろうとした時に脱輪し、身動きが取れない状態で列車に
   接触したものと考えられる。   

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  【事例1の注意事項】
   高齢者の死亡事故が最も多い製品は石油ストーブ及び電気ストーブです。
   使用の際には次のポイントに注意してください。
    
   ・給油の際は必ず消火する。就寝中は必ず消火又は電源を切る。
   ・給油作業後はカートリッジタンクを石油ストーブに戻す前に、
    給油口キャップが確実に閉まっていることを繰り返し確認する。
   ・ガソリンや軽油などを保管する際は、灯油と間違えないよう別に保管する。
   ・給油時消火装置等の安全装置の付いた製品に買い替えることを検討する。
   

  【事例2の注意事項】
   80歳以上の高齢者は、介護ベッド及び関連製品による死亡・重傷事故が
   発生しています。主に事故は介護ベッド周りの隙間に頭や首、手足を挟み
   込むことで起こっています。使用の際には次のポイントに注意してください。

   ・介護者が不在の時にわずかなベッドの隙間に高齢者の身体が挟まれる
    おそれがあるため、保護カバーを取り付けてください。
   ・高齢者は感覚機能が低下し、異常に気付きにくくなるため、家族や周囲
    の方々は高齢者の変化を見逃さないようにしましょう。暖房機能付き便座
    による低温やけどなどは感覚の低下により変化に気付き難かったために
    起きた事故です。介護者の方は製品の使用を高齢者の変化に合わせて制限
    するなどの対応も検討しましょう。

     
  【事例3、事例4の注意事項】
   電動車いすの走行中に河川などへ転落する事故や踏切を横断中にタイヤが
   引っかかる事故などが発生しており、傾斜した路面や下り坂はハンドルを
   取られやすいため、注意が必要です。まずは電動車いすの操作や速度に
   慣れましょう。買い替えた際は新しい製品の操作に慣れるまで十分練習を
   行い講習会などにも参加しましょう。また、体調不良の際は運転させない、
   踏切を横断するルートは極力控えるなど、周囲の人も気を配りましょう。
   
   高齢者の事故に関する資料も併せてご参照ください。
  
  (再現実験映像:下記のURLのページで動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/1171.html
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02040101.html
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/1272.html
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/1283.html
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03020101.html
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03100101.html

  (注意喚起ミニポスター)
   https://www.nite.go.jp/data/000055703.pdf
   https://www.nite.go.jp/data/000076545.pdf   
   https://www.nite.go.jp/data/000072200.pdf
   https://www.nite.go.jp/data/000004860.pdf
   https://www.nite.go.jp/data/000086562.pdf

   その他の事故事例は、「事故情報の検索」で検索できます。
   https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/search/index.html 

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            2.製品事故収集情報            
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        消費生活用製品の事故情報収集状況      
                    (8月26日~9月8日   受付77件) 
  NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。


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       製品名             (事故状況と件数)
      1.   直流電源装置         ( 製品破損等 11件)
     2.   パソコン          ( 製品破損等  8件)
     3.   エアコン          ( 死亡等      7件)
     4.   扇風機           ( 火災等      6件)
     5.   モバイルバッテリー     ( 軽傷等      5件)
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   最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
   https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

   事故情報の提供をお願いいたします。
   事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
      https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
       
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           3.その他の製品安全情報
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        経済産業省のツイッターアカウント開設について    

                             経済産業省

  経済産業省は、リコールや製品事故に関する情報をタイムリーに発信す
  るため、ツイッターの運用を始めました。
  愛称は「こち事故」(こちら製品事故対策室の略)です。
  ツイッターをご利用の方は、以下のアカウントをぜひフォローをお願い
  します。

  リコール・製品事故情報(経産省)@kochijiko
  https://twitter.com/kochijiko

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        消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について    

                              消費者庁

  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

   9/14 10件
   http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_180914_0001.pdf

   9/19 5件
   http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_180919_0001.pdf

   9/21 10件
   http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_180921_0003.pdf

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                  編集後記

  先日、実家に帰省した際に祖母の家に行ったのですが、たまたま見つ
    けた延長コードが、かなり古い製品に見えたため、祖母に確認して
   みると祖父と結婚したときから使用していたとのことで、50年ほど前
  の製品のようでした。経年劣化による事故の可能性も考えて、新しい
  製品に交換しようと思ったのですが、思い入れのある物であれば勝手
  に交換しては悪いなと思い、祖母に確認してみたところ、使えなく
  なったら変えようと思っていたから変えていい、と言われたため早速、
  新しい製品に交換しました。やはり電話等で連絡をとるだけでなく、
  実際に会いに行くことも大事ですね。

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  PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致
  します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
                                                              
  PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ
  掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡
  ください。
   Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
  (メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)  

  配信停止、パスワード変更等は以下URLよりお願いいたします。
  https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html                       

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         【編集・発行】 独立行政法人  製品評価技術基盤機構 
                 製品安全センター リスク評価広報課
                 (法人番号 9011005001123)
                https://www.nite.go.jp/jiko/index.html

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図