製品安全

Vol.346  12月10日号 「石油ストーブ・石油ファンヒーターの事故」

早いものでもう師走。寒さも本番となり、灯油を売りにくる車から「雪やこんこ、あられやこんこ」の音楽が街のそこここで聞こえてきます。もうすでに暖房器具を使っている方、これから使い始める方ももう一度安全な使用方法を確認して、安全に暖かい年末をお迎えください。
今回は暖房器具、石油ストーブ、石油ファンヒーターの事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.石油ストーブ・石油ファンヒーターの事故
  • 2.製品事故収集情報(10月13日~10月26日 受付 140件)
  • 3.リコール情報(2件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・PCB廃棄物の適正な処理促進に関する説明会

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1.石油ストーブ・石油ファンヒーターの事故

【事例1】
使用中の石油ストーブから出火し、住宅1棟を全焼、隣接する建物8棟を焼損し、1人が死亡、1人が重傷を負った。

→使用者がカートリッジタンクに給油後、給油口キャップを斜め締めにしていたため石油ストーブへ戻す際に灯油がこぼれ、拭き取りが不十分な状態で点火したためこぼれた灯油に引火し、燃え広がったものと考えられる。
なお、取扱説明書に「こぼれた灯油はよく拭き取る。給油口キャップは確実に閉め、給油口キャップを下にして油漏れがないことを確認する」旨、記載されている。

【事例2】
石油ファンヒーター及び建物を全焼する火災が発生し、1人が死亡した。

→焼損した石油ファンヒーター周辺よりガソリン成分が検出されたことから、使用者が誤ってガソリンを給油し、気化したガソリンに引火したものと考えられる。
なお、取扱説明書及び本体には、「ガソリンの使用を禁止する。」旨、記載されている。

【事例3】
石油ストーブを使用中、建物1棟を全焼、建物4棟を類焼する火災が発生し、1人が死亡、2人が軽傷を負った。

→石油ストーブのガード及び天板の裏面に繊維の付着物が認められたことから、付近にあった衣類などに着火し、火災に至ったものと考えられる。
なお、本体及び取扱説明書には、「衣類等の乾燥には使用しない。」、「衣類等の燃えやすいもののそばでは使用しない。」旨、記載されている。
 

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【事例1の注意事項】
給油口キャップの締め方が不十分だったなどで、灯油が漏れて引火した事例があります。給油する際は、必ず消火してからにしてください。 また、カートリッジタンクへの給油後は、給油口キャップを閉め、しっかり締まっていることを必ず確認してから本体にセットしてください。
周囲に灯油が漏れていないことを、点火前に確認してください。 灯油がストーブにこぼれた際は、機器内部に浸入しているおそれがありますので、使用を中止し、販売事業者や製造事業者に相談してください。

【事例2の注意事項】
ガソリンを誤って給油した場合、たとえ少量の混入であっても火災が生じるおそれがあるため、注意が必要です。
灯油とガソリンを同じ容器で保管していたことで、ガソリンが混入した灯油を給油して火災に至った事故が発生しています。灯油は灯油用ポリタンクなどの専用容器に入れ、ガソリンは消防法に適合した金属製のガソリン携行缶に入れて保管してください。
また、同じ場所で保管していたガソリンを誤って給油して火災に至った事故が発生しています。灯油とガソリンは、別の場所で保管する、ラベル表示で区別するなど、誤給油を防ぐための対策を徹底してください。

【事例3の注意事項】
ストーブの周囲に布団や衣類などを置いたり、カーテンの近くにストーブを置いたりすると、放射熱による過熱や高温部への接触によって、火災のおそれがあります。 ストーブの上で衣類を乾燥させると、乾燥して軽くなった衣類があおられて落下し、高温部に接触することがあります。このような使用は絶対にしないでください。
   

■NITEでは2019年11月28日に暖房器具の事故をプレスリリースしています。
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2019fy/prs191128.html

■石油ストーブ・ファンヒーターの事故に関する資料も併せてご参照ください。
  (再現実験映像:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)

     (1)石油ストーブ「1.ガソリンの誤給油」
       https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02040101.html
     (2)石油ストーブ「2.こぼれた灯油の拭き残しに引火」
         https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02040103.html
     (3)石油ストーブ「3.ずれた燃焼筒の異常燃焼」
         https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02040105.html
     (4)石油ストーブ「4.燃焼筒を逆にしての異常燃焼」
        https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/1312.html
     (5)石油ストーブ「5.可燃物が接触して発火」
    https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02040106.html
     (6)石油ストーブ「6.給油時、こぼれた灯油に引火」
        https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02110101.html
     (7)石油ストーブ「7.カートリッジタンクのふたを締め忘れて漏れた灯油が発火」
        https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/1171.html
     (8)石油ストーブ「8.燃焼筒内部の吹き返し現象」
        https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/1173.html
     (9)石油ストーブ「9.換気不足による不完全燃焼」
        https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03280102.html
     (10)石油ストーブ「10.変質灯油で異常燃焼のおそれ」
        https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03300101.html
     (11)ファンヒーター「1.換気不足による不完全燃焼」
        https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03280103_2.html
     (12)ファンヒーター「2.スプレー缶の破裂」
        https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03110201.html
     (13)ファンヒーター「3.ガソリンの誤給油」
        https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/2018112201.html

(注意喚起ミニポスター)
     (1)石油ストーブでの火災
        https://www.nite.go.jp/data/000055703.pdf
     (2)石油ストーブによる火災
        https://www.nite.go.jp/data/000076545.pdf
     (3)石油ストーブによる死亡事故
        https://www.nite.go.jp/data/000101518.pdf

■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「石油ストーブ」「石油ファンヒーター」などをキーワードに検索していただけます。
   https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(10月13日~10月26日 受付140件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1.自転車 (重傷等 63件)
  • 2.直流電源装置 (製品破損等 8件)
  • 3.照明器具 (火災等 7件)
  • 4.エアコン (火災等 6件)
  • 5.ノートパソコン (火災等 4件)
  •  

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • 株式会社丸山製作所(法人番号 5010001008788)
    「刈払機(充電式)」12/02(HP)
     【詳細】http://www.maruyama.co.jp/news/20191202.pdf#view=FitV
  •  
  • コイズミファニテック株式会社 (法人番号 1120001112665)
     「オフィスチェア」11/25(HP)
    【詳細】https://kagu.koizumi.co.jp/news/docs/HP%E7%A4%BE%E5%91%8A%E6%96%87%E6%9B%B8191028-.pdf

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4.その他の製品安全情報

・iPod nanoの製品事故に係る定期報告  経済産業省

令和元年12月6日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。令和元年10月1日から31日までの本体・バッテリー交換件数は676件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は302,322件となっています。

    https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou191206_2.pdf
 

・PCB廃棄物の適正な処理促進に関する説明会  環境省、経済産業省

【残り4会場!広島(12/13)、福岡(12/20)、大阪(1/17)、東京(1/24)】
トランス・コンデンサーだけでなく、PCBを含む蛍光灯の安定器やPCB汚染物も 処分期間内※1 にお手続きが必要です!
※1 安定器及びその他汚染物(九州・中国・四国・近畿・中部地区):令和3年3月31日まで

□申込み方法や詳細等は、こちら https://www.omc.co.jp/pcb2019/index.html
□開催案内チラシは、こちら https://www.omc.co.jp/pcb2019/pdf/pcb2019.pdf

 ■講演内容■
・PCB廃棄物の処理(PCB特別措置法)について:環境省 廃棄物規制課
・PCB含有電気工作物(電気事業法)について:経済産業省 電力安全課(広島・福岡会場は除く)
・安定器の適正処理について :公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団
・高濃度PCB廃棄物の処理手続きについて:中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)

 ■日時・場所■
・開催地:広島(12/13金)、福岡(12/20金)、大阪(1/17金)、東京(1/24金)
・時間:13:30~ 約3時間程度 (受付開始 13:00)

 ■定 員■
・各会場80~200名 (まだまだ空きがございます!当日参加も可能です!)

 ■参加費■
・無料

 ■説明会申し込み及び会場についてのお問い合わせ■
令和元年度 PCB廃棄物の適正な処理促進に関する説明会 運営事務局

〒160-0004 東京都新宿区四谷4-34-1 新宿御苑前アネックスビル8階
株式会社オーエムシー 担当:五十嵐、秋山  受付時間:10:00~17:00(土日祝日を除く)
TEL:03-5362-0113 FAX:03-5362-0123 E-mail:pcbhaiki2019@omc.co.jp

 

・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁

消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 11/29  13件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_191129_01.pdf
  • 12/3    16件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_191203_01.pdf
  • 12/6    23件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_191206_01.pdf
  • 12/10  26件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_191210_01.pdf

 

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編集後記

私が通っていた幼稚園は大きな石油ストーブがありました。冬になると持って行ったお弁当を先生がそのストーブの近くにおいて暖めてくれるのです。
ある日のお昼ご飯の時間、暖められていたお弁当箱を開くと、黄色の液体の中にウインナーや卵焼きが浮いていました。きっと母が私の大好きなプリンを入れてくれたのでしょう。暖められたそれは溶けてどろどろになっていました。
母が大笑いしながら急いで新しいお弁当を持ってきてくれたことを思い出します。

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 Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)

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独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
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