製品安全

Vol.358  6月9日号 「屋内の高齢者の事故」

新型コロナの感染症予防のため、屋内で長い時間を過ごすことが多くなりました。外出を控えて動かないことによる高齢者の身体機能などの低下が懸念されています。今回は屋内の高齢者の事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.屋内の高齢者の事故
  • 2.製品事故収集情報(5月24日~5月30日 受付 24件)
  • 3.リコール情報(3件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
    ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告

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1.屋内の高齢者の事故

【事例1】
踏み台を使用中、転倒し、側腹部を負傷した。

→踏み台の脚を完全に開ききらない状態で設置していたことで天板が山形の状態となり、その上に乗って作業を行ったため、バランスを崩して転倒したものと考えられる。
なお、取扱説明書には、「踏み台を完全に開き、開き止め金具を確実にロックする。」旨、記載されていた。

【事例2】
立ち上がりスリッパを履こうとしたとき、床に敷いていたカーペットラグ(置き敷きタイプ)の上で滑りバランスを崩して転倒し、手を骨折した。

→床面の状態、使用者の体勢など、種々の条件が重なったことで、滑って転倒したものと考えられる。

【事例3】
使用者がEMS機器(電気的に筋肉を刺激する運動器具)を使用中、腰を骨折した。

→製品の出力に異常は認められず、使用者には生活に支障のある障害はなかったが、以前から骨粗しょう症との診断を受けていたにもかかわらず、医師に相談せずに使用していた。
なお、製品の取扱説明書には「骨粗しょう症などの骨に異常のある場合は医師に相談の上使用する」旨、記載されていた

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【事例1の注意事項】
踏み台は止め具のロックが不十分な状態で使用すると脚が開閉し、転倒や転落のおそれがあります。両方の止め具が伸びた状態でしっかりと固定してください。また、天板の端に乗ると踏み台が傾き、転倒・転落するおそれがあります。天板に乗るときは、体の中心が天板の中央になるように正しく乗ってください。

【事例2の注意事項】
置き敷きタイプのカーペットラグは端が浮かないようにテープなどで留める、段差に段差解消スロープを付ける、階段に滑り止めを付けるなど環境を整えましょう。また、動線上に電源コードを引かないなど身の回りを整理整頓することも大切です。

【事例3の注意事項】
運動器具を使った運動は体に負荷をかけるため、自分の体力などを考えて選んでください。また、自分の健康状態で安全に使えるかどうか、販売事業者や製造事業者へ問い合わせてから購入してください。薬を飲んでいる人や病院を受診している人はかかりつけの医師に運動器具を使った運動が安全に行えるかどうか、確認するようにしましょう。

■NITEでは2020年5月28日に屋内の高齢者の事故をプレスリリースしています。
  https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2020fy/prs200528.html

■屋内の高齢者の事故に関する資料も併せてご参照ください。
  (再現実験映像:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
     踏み台「2.高齢者が作業中に転倒」
     https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2020052801.html
     床敷物「1.高齢者がカーペットラグで滑って転倒」
     https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2020052802.html
     脚立「4.天板の端に乗って作業中に落下」
     https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/1271.html

  (注意喚起ミニポスター)
   高齢者の事故【屋内編】
     https://www.nite.go.jp/data/000109278.pdf

■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「高齢者」などをキーワードに検索していただけます。
  https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(5月24日~5月30日 受付24件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1.ガスふろがま              ( 製品破損    3件)
  • 2.モバイルバッテリー        ( 火災等      2件)
  • 3.ガス給湯器                ( 製品破損    2件)
  • 4.自転車、歩行補助車        ( 重傷等    各1件)
  • 4.電気ストーブ、他14製品    ( 火災等    各1件)
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最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ・株式会社スイデン (法人番号 2120001023861) 
    「電気掃除機」05/07(HP)
    【詳細】https://www.suiden.com/wordpress/wp-content/uploads/2020/05/newsannounce05.pdf
    http://www.trusco.co.jp/wp-content/uploads/2020/05/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B%E3%80%80%E4%B9%BE%E6%B9%BF%E4%B8%A1%E7%94%A8%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E5%9B%9E%E5%8F%8E%E6%A1%88%E5%86%85_200508.pdf
  •  
  • ・レノボ・ジャパン合同会社 (法人番号 2010401057479)
    「タブレット端末」05/12(HP)
    【詳細】https://pcsupport.lenovo.com/jp/ja/solutions/self-check-tool-service
  •  
  • ・アイリスオーヤマ株式会社 (法人番号 3370001006799)
    「LEDシーリングライト」05/22(HP)
    【詳細】https://www.irisohyama.co.jp/safetyinfo/ceiling-light.html
  •  

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4.その他の製品安全情報

・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁

消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 5/29   12件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200529_01.pdf
  • 6/2     6件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200602_01.pdf
  • 6/9    10件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200609_01.pdf
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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告  経済産業省

令和2年5月29日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。令和2年4月1日から30日までの本体・バッテリー交換件数は313件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は305,223件となっています。
  https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou200529_2.pdf
 

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編集後記

屋内でできる運動は意外と豊富です。ストレッチ動作のようなものから、椅子を使ってできる筋力トレーニングまで、やろうと思えば全身くまなく使えるものです。特に下半身は体の支えとなる部分であり、また多くの筋肉が付いている部分でもありますので、健康維持からダイエットまで様々な効果が期待できます。

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独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
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