製品安全

Vol.363  8月25日号 「スプレー缶の事故」

殺虫剤、冷却剤、制汗剤、日焼け止めなどのスプレー缶タイプの製品は、夏のこの時季には欠かせない製品です。しかし、これらのスプレー缶の使用方法を誤ると事故になるおそれがあります。今回はスプレー缶の事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.スプレー缶の事故
  • 2.製品事故収集情報(8月9日~8月22日 受付88件)
  • 3.リコール情報(2件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
    ・令和2年度 第14回製品安全対策優良企業表彰
    ・経済産業省本省・経済産業局からのお知らせ
    ・iNARTE PS(製品安全)資格試験のご案内

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1.スプレー缶の事故

【事例1】
殺虫剤を噴射したところ、周辺を焼損する火災が発生した。

→殺虫剤を壁内の給湯器の排気口付近に噴射したため、噴射された可燃性ガスに引火し、出火したものと考えられる。

【事例2】
車のダッシュボードの上にスプレー缶を置いていたところ、缶が破裂してフロントガラスが割れた。

→車のダッシュボードの上に置いたため、直射日光でスプレー缶が加熱され内圧の上昇により破裂し、フロントガラスが割れたものと考えられる。なお、高温にすると破裂の危険があるため、直射日光の当たるところや火気等の近くなど温度が40℃以上となる所に置かない旨、記載されている。

【事例3】
洗面台付近で、スプレー缶の穴開け作業を行っていたところ、火災が発生し、周辺が焼損、火傷を負った。

→換気の悪い場所で、中身が残ったものもあるスプレー缶のガス抜き作業を多量に行ったため、洗面台周辺に可燃性ガスが滞留し、乾燥していたことから着衣の静電気の火花が滞留したガスに着火して火災に至ったものと考えられる。

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【事例1の注意事項】
可燃性ガスを含むスプレー缶の使用時はガスが滞留しないように気を付けてください。換気が終わるまでは、ガスこんろやライターなどの火気を伴う製品、火花が発生しうる電気製品を使用しないでください。また、静電気の火花に引火し爆発するおそれがあります。

【事例2の注意事項】
夏季は、車内の温度も非常に高くなり、車内にスプレー缶を放置するのは非常に危険です。直射日光が当たる場所や高温になる場所に置かないで下さい。缶が熱せられると、内部のガスが膨張して内圧が上がり、缶が破裂するおそれがあります。

【事例3の注意事項】
スプレー缶を捨てるときは、屋外の風通しのよい場所で、スプレーボタンを押すなどして中身を出し切ってください。スプレー缶を振って、「シャカシャカ」などと音がする場合は中身が残っています。スプレー缶に中身が残っている状態で穴を開けると漏れ出た可燃性ガスに引火するおそれがあります。
なお、廃棄方法については、自治体の指示に従ってください。

 

■その他スプレー缶に関する事故情報も併せてご参照ください。
  (再現実験映像)
   (1)スプレー「1.冷却スプレーの可燃性ガスに引火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03250102.html
   (2)スプレー「2.冷却スプレー使用後、シャツに着火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03250104.html
   (3)ファンヒーター「2.スプレー缶の破裂」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03110201.html
   (4)製品安全教育DVDハンドブック(スプレー缶の事故)
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/kyouzai/dvdhandbook2_spray.html
   (5)カセットボンベ「1.ごみ収集車で発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/19102402.html

  (注意喚起ミニポスター)
   (1)冷やして殺す殺虫剤で火傷
   https://www.nite.go.jp/data/000004242.pdf
   (2)スプレー缶の爆発・やけど
   https://www.nite.go.jp/data/000086403.pdf
   (3)ごみ収集車の火災事故
   https://www.nite.go.jp/data/000101062.pdf

■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「スプレー缶」、「エアゾール缶」をキーワードに検索していただけます。
   https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(8月9日~8月22日 受付88件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1.エアコン                  (軽傷等       9件)
  • 2.自転車                    (重傷等       7件)
  • 2.扇風機                    (火災等       7件)
  • 2.パソコン                  (製品破損     7件)
  • 5.電子レンジ                (火災         4件)
  •  

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ・株式会社iHR (法人番号 1012801016866)
       「首掛け扇風機(充電式)」2020/07/13
       【詳細】 https://ihr-ec.jp/recall/
  •  
  • ・株式会社オートバックスセブン (法人番号 3010601030532)
       「収納ポケット(自動車シート用)」2020/08/07
       【詳細】 https://jackandmarie-store.com/contents/information

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4.その他の製品安全情報

・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁

消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 8/12   17件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200812_01.pdf
  • 8/14    3件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200814_01.pdf
  • 8/18    9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200818_01.pdf
  • 8/21   16件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200821_01.pdf
  • 8/25    3件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200825_01.pdf
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・ 令和2年度 第14回製品安全対策優良企業表彰  (PSアワード2020)締切り間近です!(9月8日〆) 

令和2年度製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2020)の募集期間終了が迫っております、まだ間に合いますので是非ご応募お待ちしております!オンラインでの個別説明会については今月28日(金)までですので、ご相談・ご質問等ありましたらどうぞお気軽にご参加ください!

【募集期間】 6月23日(火)~9月8日(火)
【募集対象】・「消費生活用製品」の製造・輸入、小売販売事業を行っている企業
        ・「消費生活用製品」に関連した事業を行っている企業・団体
        ・ネットモール運営事業者
【応募説明会・個別相談会】 今年度はオンラインでの実施となります。
              詳しくはHPをご確認ください。
【詳 細】 https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/index.html
【専用SNS】Twitter     :@psawardmeti
               Instagram :ps_award_seihinanzen

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・経済産業省本省・経済産業局からのお知らせ 製品安全関連法令の事業を行う皆様へ

■『保安ネット』をご存じですか?
『保安ネット』とは、産業保安・製品安全法令に基づく以下の4手続きが、
インターネットを利用して提出できるシステムです。
-「製造又は輸入事業届出」
-「事業届出事項変更届出」
-「事業廃止届出」
-「登録商標表示届出」

■『保安ネット』を使うメリット・事業者様の声
届出を行うときに、「書類を準備して、送付して、手間がかかる。。」、
「窓口まで行ったのに不備があってやり直し。。」といった悩みはありませんか?
『保安ネット』を使うとこんなメリットがあります!
-書類郵送が不要
-24時間365日好きな時間に届出が可能
-届出内容のミスをシステムが自動で検出
-2回目以降の提出はコピー機能で簡単作成
-保安ネットで提出した過去届出を一覧表示

・保安ネットでの届出の流れを分かりやすくまとめております。こちらをご覧下さい。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/procedure2.html

☆『保安ネット』を実際に利用した事業者様の声☆
  ・届出が受理されたかどうかリアルタイムで分かる点が良い!
  ・テレワーク時でも届出が可能で助かる。
  ・操作マニュアルがとても分かりやすく、スムーズに手続きを行えた。

■『保安ネット』を利用するための準備
保安ネットで申請を行うには、事前にGビズIDのプライムアカウント取得が必須です。
GビズIDとは、1つのID・パスワードで様々な行政サービス(jGrants(補助金申請システム)、
社会保険手続きの電子申請 等)にログインできるサービスです。
この機会にぜひ下記HPよりご取得ください!
 https://gbiz-id.go.jp/top/ ※取得には二週間程度を要しますので、お早めのご取得を。

また、紹介動画もございますのでぜひご覧下さい。
・紹介動画<メリット編>→https://youtu.be/A8ZGuexuSJo
・紹介動画<アカウント作成編>→https://youtu.be/HbPRuahun2o

※『保安ネット』で製品安全法令の届出を行うには、プライムアカウント、
 もしくはプライムアカウントに紐づくメンバーアカウントを使用する必要があります。
 エントリーアカウントを取得される方が多くいらっしゃいますのでご注意ください。

■『保安ネット』による電子届出の流れ
GビズIDのプライムアカウント取得が完了しましたら、実際に『保安ネット』で電子届出しましょう!
『保安ネット』ログイン画面→ https://hoan-net.meti.go.jp/prweb/PRAuth
※GoogleChromeからお開き下さいますようお願いいたします。

・保安ネットでの届出の流れを分かりやすくまとめております。こちらをご覧下さい。<再掲>
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/procedure2.html
・よくあるご質問についてはこちらをご覧下さい。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/hoan-net_faq.html

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不明点・疑問点があれば、保安ネットのヘルプデスクまでお問合せください!
<ヘルプデスクお問合せ先>
  050-2018-8381
<受付時間>
  平日9:00~18:00
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・iNARTE PS(製品安全)資格試験のご案内

iNARTE PSエンジニア・テクニシャン資格は、製品安全対策技術や
製品安全規格の知見を有している事を認定する技術資格です。
下記要領で資格試験を実施します。

 iNARTE PS(製品安全)エンジニア・テクニシャン資格試験
 ・開催日時:2020年11月5日(木)9:00~17:45
 ・大阪会場:CIVI研修センター新大阪東 E705(大阪市東淀川区)
  東京会場:日本教育会館 707号室(東京都千代田区)
 ・受験料 :16,000円(税込み)
    なお、合格された方は、別途認定料13,000円が必要です。
 ・募集人員:40名
 ・募集期間:2020年7月1日~9月30日
      (定員に達し次第、締切りとさせていただきます)

お申し込みは、下記のウエブサイト
https://www.kec.jp/seminar/narte_ps20/
からお申し込みください。

お問い合わせ
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
iNARTE Japan PS 分科会 事務局 石住 隆司
〒619-0237 京都府相楽郡精華町光台3丁目2番地2
TEL:0774-29-9041/E-mail:narte-safty01@kec.jp

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編集後記

スプレー缶に火を付け火災となったニュースや引火して爆発したニュースがありました。ここ最近、たまにそのようなニュースを見かけます。スプレー缶タイプの製品は、便利で身近なものですが、可燃性ガスを使用している場合が多く使用方法を誤ると破裂したり、火災になったりするおそれがあります。ゴミ収集車などでも毎年のように火災が起きていています。不注意によって事故になることもありますが、故意に火を付けるようなことは、絶対に行わないでください。ちょっとした油断が大きな事故につながります。可燃性ガスが使用されていて事故になるおそれがあることを認識しておきましょう。

PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
                                                             
PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
 Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)

配信停止、パスワード変更等は以下URLよりお願いいたします。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
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