製品安全

Vol.365  9月23日号 「自然災害をきっかけに発生する製品事故」

台風が頻発しております。自然災害そのものは当然驚異ですが、その他に、自然災害の最中や自然災害後の復旧時に発生する製品事故というのがあります。
今回は自然災害をきっかけに発生する製品事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.自然災害をきっかけに発生する製品事故
  • 2.製品事故収集情報(8月30日~9月12日 受付59件)
  • 3.リコール情報(3件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・「2020年度 製品安全基本教育講座」のご案内
    ・【最新!PL対策セミナー2020 10月15日開催】のご案内
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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1.自然災害をきっかけに発生する製品事故

【事例1】
落雷により停電が生じ、復旧直後にエアコンのスイッチを入れたところ、室内機から出火し、周辺を焼損した。

→落雷の影響により室内機の制御基板上の部品が損傷し、復旧後の通電によりショートして焼損したものと考えられる。

【事例2】
使用中のセンサーライト及び覆い被さった洗濯物から出火して、周辺を焼損した。

→センサーライトの上方で干していた洗濯物が落ちて当該製品に覆い被さり、洗濯物が風にあおられることで検知センサーが反応し続け、電球が過熱されたことで覆い被さった洗濯物が発火したものと考えられる。

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【事例1の注意事項】
停電の復旧前に分電盤の全てのブレーカーを切り、全ての機器などのスイッチを切った上で、プラグを持ってコンセントから抜いてください。スイッチが入っていた場合、復旧時に異常のある製品に通電されることにより発火のおそれがあります。機器などの外観に異常がないかを確認してください。電源コード、プラグ、テーブルタップ及び延長コードに傷や折れがないか、またコードが家具や荷物に踏まれていないかを確認してください。ブレーカーを入れ、機器などのプラグを1台ずつコンセントに差し、様子を確認しながら使用してください。発煙や異臭を感じた場合には、直ちに使用をやめてください。

【事例2の注意事項】
強風により屋外に設置しているものが動き、事故に至る場合があります。照明器具は発熱しているものがあるため、近くに布製品を配置しないでください。また、風雨により屋外に設置している製品内部に雨水が浸入するおそれがあります。使用再開に当たっては、しばらく異常がないか確認しながら使用するようにしてください。異音・異臭などがする場合は使用を中止し、製造事業者に連絡してください。

 

■自然災害をきっかけに発生する製品事故に関する資料も併せてご参照ください。
(再現実験映像)
     (1)照明器具「4.風の影響でセンサーライト近傍の布が発火」 
        https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20190822.html  
     (2)カートリッジガスこんろ「1.直結型カートリッジガスこんろの破裂」
         https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/1263.html
   (3)電気ストーブ「5.地震による電気ストーブの火災」
         https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1051.html
     (4)電源コード「7.地震で転倒したロッカーによる電源コードのショート」
         https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1052.html

(注意喚起ミニポスター)
  (1)自然災害をきっかけに発生する製品事故
         https://www.nite.go.jp/data/000100009.pdf
      (2)非常用グッズの事故
         https://www.nite.go.jp/data/000100010.pdf
   
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「天災」「落雷」「台風」などをキーワードに検索していただけます。
  https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

   特記ページ:災害復旧時の製品事故の防止について
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/saigai.html

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(8月30日~9月12日 受付59件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1.エアコン                   ( 火災等  6件)
  • 2.照明器具                   ( 火災等  6件)
  • 3.バッテリー                 ( 火災等  6件)
  • 4.電動アシスト自転車         ( 重傷等  5件)
  • 5.扇風機                     ( 火災等  5件)
  •  

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ・イオントップバリュ株式会社  (法人番号9040001057028)
       「フライパン」 2020/09/09(HP)
       【詳細】 https://www.aeon.info/wp-content/uploads/news/important/pdf/2020/09/200909R_1.pdf
  • ・株式会社シンワ (法人番号 6030001089743)
       「キャンプ用ケトル  キャンプ用ポット」 2020/09/11(HP)
       【詳細】 https://journal.muracodesigns.com/764/information/
  • ・キャノンデール・ジャパン株式会社 (法人番号 8120001121420)
       「自転車(フロントキャリア)」 2020/09/12(HP)
       【詳細】 https://www.cannondale.com/ja-jp/safety-and-recalls

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4.その他の製品安全情報

・2020年度 製品安全基本教育講座」のご案内   一般社団法人KEC関西電子工業振興センター 

製品安全の基本から個別の製品についてのIEC安全規格の具体的な要求事項に加えて、IEC62368-1や電気用品安全法の技術基準の性能規定化等の最新情報を盛り込んでいます。(通年全5回/選択受講可)
  
   【開催日】 2020年 10月23日(金)~ 2021年 2月26日(金) 計5回
   【会 場】Zoom ウェビナーによるオンライン  
   【参加費】無料(事前申し込み制)
   【詳 細】 https://www.kec.jp/seminar/anzen20/
 
  問合せ先: 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
        専門委員会推進部  事務局 藤田 泰男
        TEL:0774-29-9041 E-mail:publication01@kec.jp

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・ 【最新!PL対策セミナー2020 10月15日開催】のご案内  一般社団法人PL対策推進協議会

「品質保証・PL対策」を学びたい方に向けて、Webセミナーを開催します。職場、自宅、出先の場所を選ばす、パソコン、スマホのどちらからでも学べます。解説資料も事前に配信いたしますので、受講前にご一読ください。合計150分の枠を使い、テーマを深堀してまいります。双方向での質問時間も取りますので、ぜひご準備ください。

●日時  令和2年10月15日(木) 13:30~16:10 休憩10分
 受講方法 : Zoom配信が基本(会場参加希望者数名まで受け付けます)
 当日開始時刻の30分前に、Zoomミーティングに参加するURLをメールで配信いたします。
●資料代  3,000円(税込み) 
●講師 渡辺吉明氏
 一般社団法人 PL研究学会 
 製品リコール研究部会長 製品リコール検討委員会副委員長
●「最新!PL対策2020」~広義の品質保証とPL対策~(事業者向け導入ガイド)の視聴をお勧めします。動画とPDF資料が用意されています。  http://u0u0.net/4nLw
●配布資料 PDFデータにて事前にメール添付で配信いたします。
 「超スマート社会での品質保証とPL対策」~製品事故未然防止と再発防止~ 48ページ
 「PL研究学会学会誌2020 新PL研究5号」からの抜き刷り16ページ
  一般論文「製品リコールと自主回収のプロセスと重要事項」渡辺吉明氏
●内容 製品事故の未然防止と再発防止
  一部 13:30~15:00(90分) 
     社会構造の変化、国の方向転換、製品安全のスマート化、リコールなどの国の取
     り組みなど、さらにリコールプロセスにで「自主回収・リコール」の整理とPDCA、重
     要事項の確認になります。
  二部 15:10~16:10(60分)
     リコール対応について事例紹介、所々で質問や意見をいただきます。特に本体表
     示の高度化と取説の有効利用、取説や証明書のペーパーレス化を進め配信を行う
     ことの重要性なども入れる予定です。
●お申し込み、詳細は以下のページから 次回は11月19日(木)開催の予定です。
   https://pl-taisaku.org/?p=2383

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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁

消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 9/11   10件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200911_01.pdf
  • 9/15    9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200915_01.pdf
  • 9/18   10件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_200918_01.pdf

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編集後記

風雨と共に現れるのが雷です。子供にとっては恐ろしく、また大人になっても電化製品に影響を及ぼすというある意味恐ろしい存在です。雷が鳴っているときによく行うのが、雷との距離計測です。音は空気中ではおおよそ340m/sで伝わります。光はおおよそ30万km/sなので一瞬と仮定しますと、雷が見えてから何秒後に音が聞こえてくるかで距離がわかります。雷が鳴る度繰り返し計っていたものですから、今となっては光が見えたら無意識にカウントを始めてしまいます。

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独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
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