製品安全

Vol.367  10月27日号 「電動工具の事故」

巣ごもり需要により、DIY関連の資材や電動工具が脚光を浴びています。この機会にDIYに挑戦する方も少なくないかと思います。電動工具を使用することで、できることの幅が広がりますが、ちょっとした油断が事故につながることもあります。今回は電動工具の事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.電動工具の事故
  • 2.製品事故収集情報(10月4日~10月24日 受付123件)
  • 3.リコール情報(4件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
    ・製品安全総点検月間のお知らせ

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1.電動工具の事故

【事例1】
初めて電動ドリルを使用中、突然刃が三つに折れ、一部が顔にあたって切り傷を負った。

→使用者が穴開け作業中にドリルに曲げ方向の力を加えたため、刃が折損したものと考えられる。
なお、取扱説明書には「保護メガネ、保護マスクを使用して下さい。」との記載があるが、使用者は保護具を使用していなかった。

【事例2】
電動丸ノコを使用中、右手首を負傷した。

→電動丸ノコの連続運転中に手を離したため、キックバック(のこ刃が加工物に拘束され跳ね上がること)が生じ、使用者に向かって動いてきた丸ノコを手で避けようとして裂傷を負ったものと考えられる。
なお、取扱説明書には、「使用中、本体を確実に保持する」旨、記載されている。

【事例3】
切断機を使用中、手首を負傷した。

→本来砥石の回転刃を装着すべきところ取扱説明書で禁止されているチップソーを取り付けて使用しており、惰性で刃が回転している状態で手を刃の下に潜らせたため、手首部分が刃に当たり引き込まれて負傷したものと考えられる。
なお、取扱説明書には、「チップソーなどは使用しない。使用中は手を近づけない。回転させたまま放置しない。」旨記載されている。

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【事例1の注意事項】
安全のために、取扱説明書に記載されている適切な保護具を必ず装着してください。また、軍手のように表面が繊維状の手袋や、指の先端部などにだぶつく部分が多く見られる手袋は、その部分が作動中の刃に触れると巻き込まれるおそれがあるため、着用しないでください。

【事例2の注意事項】
電動工具を使用する際は、工具使用時の危険性を理解し、正しく使用してください。キックバック現象など思わぬことで、けがを負うおそれがあります。キックバック現象を防ぐには、工具を確実に保持して作業する、切断作業をする際は必ず刃を作動させてからゆっくり材料に押しつける、切れにくくなり刃の動きが鈍くなった場合はスイッチを切ってから刃を引き抜くなどしてください。また、自分の習熟度や用途などに応じた工具を選んでください。購入時や使用時に分からないことがあれば、販売店やメーカーに確認しましょう。初めて使用する際や購入する際は、日本DIY協会やホームセンターなどが開催している講習会に参加し、工具に関する正しい知識や情報を得るようにしましょう。

【事例3の注意事項】
違う用途での使用は絶対にしないでください。用途と違う刃物を取り付けるなどすると、工具や材料が跳ね上がったり、保持できなくなったりして、けがを負うおそれがあります。また、不用意に作動中の電動工具に手を近づけないでください。予期せず、巻き込まれるおそれがあります。

■その他電動工具に関する事故情報も併せてご参照ください。
  (再現実験映像)
   (1)バッテリーパック「1.電動工具用非純正バッテリーパックから発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20012301.html

  (注意喚起ミニポスター)
   (1)非純正バッテリーパックの事故
   https://www.nite.go.jp/data/000106071.pdf

■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「電動工具」等をキーワードに検索していただけます。
   https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(10月4日~10月24日 受付123件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1.電動アシスト自転車              (火災等        10件)
  • 2.自転車                          (重傷等       9件)
  • 3.電気オーブントースター          (製品破損等     8件)
  • 4.USB変換ケーブル                 (火災等       7件)
  • 4.モバイルバッテリー              (火災等       7件)
  •  

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ・株式会社宜居・イージーホームズ (法人番号 6120101052807)
    「乗車用ヘルメット」    8/12(HP)
    【詳細】 https://www.meti.go.jp/product_safety/recall/file/200812-1.html
  •  
  • ・株式会社ニットプランナー (法人番号 1011001059486)
    「オリジナルハンディファン(ノベルティ)」    8/28(HP)
    【詳細】 https://www.knitplanner.jp/topics/%ef%bc%9ckp%ef%bc%9e%ef%bc%9ckp-boy%ef%bc%9e%ef%bc%9ctrois-lapins%ef%bc%9e%e3%83%8e%e3%83%99%e3%83%ab%e3%83%86%e3%82%a3-%e3%80%8c%e3%83%8f%e3%83%b3%e3%83%87%e3%82%a3%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%b3/
  •  
  • ・株式会社ダルトン (法人番号 4080001003305)
    「カトラリー」    8/28(HP)
    【詳細】 https://www.dulton.co.jp/news/detail/498
  •  
  • ・株式会社セガ (法人番号 4010801006141)
    「首掛け扇風機」    9/8(HP)
    【詳細】 https://segaplaza.jp/info/news.php?t=298&data_id=32

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4.その他の製品安全情報

・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁

消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 10/16  10件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201016_1.pdf
  • 10/20  11件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201020_01.pdf
  • 10/23   6件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201023_01.pdf
  • 10/27  11件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201027_01.pdf
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・11月は製品安全総点検月間です~製品安全の向上に向けて全国で安全点検を呼びかけます~

経済産業省は、11月を「製品安全総点検月間」とし、製品を安全に使用いただくため、安全点検の呼びかけを実施します!
リコール製品の継続使用により重大事故に巻き込まれるケースや、掃除や点検を怠ったことによる事故も多く発生していますので、この機会にお使いの製品をご確認ください。

【実施期間】 11月1日(日)~11月30日(月)
【詳 細】 https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/soutenken.html

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編集後記

子どもの頃、学校の授業や手伝いで、のこぎりを使って木材を切った際は汗だくになった覚えがあります。なかなかの重労働でしたが、今では電動工具が普及し気軽にできるようになりました。夜中によく、何役にもなる電動工具の通販番組を見かけます。1台あるとできる大人って感じで欲しくなりますが、ちょっと待ってください。先に物置をよく確認してください。同じような工具があるかもしれません。買って満足してしまうのは、なんででしょうか。

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お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図