製品安全

Vol.368  11月10日号 「はしご・脚立の事故」

これから年末にかけ、庭木の剪定や果実の収穫、大掃除などの場面ではしごや脚立が活躍します。高所への昇降や家庭内での作業に役立つものですが、ちょっとした油断が事故につながることもあります。
今回ははしご・脚立の事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.はしご・脚立の事故
  • 2.製品事故収集情報(10月25日~11月7日 受付65件)
  • 3.リコール情報(7件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・令和2年度製品安全業務報告会のご案内
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
    ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
    ・PL対策セミナー2020 11月19日開催のご案内

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1.はしご・脚立の事故

【事例1】
屋根に昇るためにはしごを使用していたところ転落し、骨にひびが入った。はしごは傾斜した地面の上にコンクリートブロックを敷いた状態で設置されていた。

→コンクリートブロックの調節では脚の左右の高さと角度が揃っておらず、はしごの接地面が傾いていたこと、昇る際に補助者がいなかったことから、バランスを崩し転落したと考えられる。

【事例2】
床や壁が傷つかないよう、床に養生シートを敷き、はしごの脚に布を巻いて作業をしていたところ、はしごが滑って転落し、負傷した。

→脚の先端に布を巻いたはしごを養生シートの上で使用したため、滑りやすくなり、使用時の振動で傾き、身体のバランスを崩し転落したと考えられる。

【事例3】
看板を外すために、脚立の天板をまたいで作業していたところ、転落し打撲を負った。

→使用者が天板をまたいで重い荷物を下ろそうとしたため、脚立が傾き、身体のバランスを崩し転落したと考えられる。

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【事例1の注意事項】
地面にわずかでも傾斜があると、がたつきやぐらつきの原因となり、身体のバランスを崩して転落するおそれがあります。また、雨上がりの地面や雪上では、はしごが滑りやすいため、転落のおそれが高まり危険です。また、はしごを使用する際は必ずはしごの下部を補助者に支えてもらってください。

【事例2の注意事項】
はしごや脚立の脚に布を巻いたり、一部を切り落としてサイズを調整したりなどの加工・改造は行わないでください。製品の安定性を失い、使用時に転落しやすくなります。脚の端部が傷を付けにくい素材になっているものや、サイズ調整が行える製品がありますので、必要に応じてご使用を検討ください。

【事例3の注意事項】
脚立は踏ざんのない面の方向(左右方向)に転倒しやすい製品です。脚立をまたいで使用すると、踏ざんのない面が身体の背面に位置するため、後方に身体を傾けた際、バランスが取れず、転倒・転落のおそれがあります。
 

■その他はしご・脚立に関する事故情報も併せてご参照ください。
  (再現実験映像)
   (1)はしご「4.はしごの使い方」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2020102201.html
   (2)脚立「6.脚立の使い方」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2020102202.html

  (注意喚起ミニポスター)
   (1)はしごの使い方
   https://www.nite.go.jp/data/000115647.pdf
   (2)脚立の使い方
   https://www.nite.go.jp/data/000115648.pdf

■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「はしご」「脚立」等をキーワードに検索していただけます。
   https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(10月25日~11月7日 受付65件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1.自転車                    ( 重傷等      11件)
  • 2.バッテリーパック          ( 軽傷等       8件)
  • 3.オーブントースター        ( 製品破損     4件)
  • 4.携帯電話機                ( 軽傷等       3件)
  • 5.ヘアドライヤー            ( 軽傷等       2件)
  • 5.スピーカー                ( 火災         2件)
  • 5.電気掃除機                ( 火災         2件)
  • 5.パワーコンディショナ      ( 火災         2件)
  • 5.除湿機                    ( 火災         2件)
  •  

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ・株式会社ニッカリ (法人番号 1260001005178)
       「刈払機」    9/11(HP)
       【詳細】 https://www.nikkari.co.jp/product/info/d26cbn
  •  
  • ・トヨタ自動車株式会社 (法人番号 1180301018771)
       「LEDランタン(充電式)」    9/12(HP)
       【詳細】 https://toyota.jp/news/yc_lantern/
  •  
  • ・株式会社メテックス (法人番号 3010401029428)
       「モバイルバッテリー」    9/18(HP)
       【詳細】 http://www.pellini.jp/mtx_article/news_20200917.pdf
  •  
  • ・フリービット株式会社 (法人番号 8011001034292)
       「携帯電話機(スマートフォン)」    9/24(HP)
       【詳細】 https://guide.tone.ne.jp/manuals/6119980.html
  •  
  • ・東芝ライテック株式会社 (法人番号 5021001044112)
       「蛍光灯シーリングライト」    10/01(HP)
       【詳細】 https://www.tlt.co.jp/tlt/information/seihin/notice/safety/20201001/20201001.htm
  •  
  • ・株式会社サザビーリーグ (法人番号 6011001066354)
       「クッション(USB電源式ヒーター付)」    10/03(HP)
       【詳細】 https://www.sazaby-league.co.jp/news/detail/0003/
  •  
  • ・コーナン商事株式会社 (法人番号 3120101003135)
       「ライター(点火棒)」    10/05(HP)
       【詳細】 http://www.kohnan-oshirase.com/pdf/20.pdf

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4.その他の製品安全情報

・令和2年度製品安全業務報告会のご案内
        
NITE(ナイト)「独立行政法人製品評価技術基盤機構」
   令和2年度製品安全業務報告会
  ~安全とあなたの未来を支えます~

平素はNITE(ナイト)の業務に多大なるご支援とご協力を賜りまして誠にありがとうございます。
今年度も、NITE製品安全センターが取り組んでおります製品安全関係業務についてご紹介する「製品安全業務報告会」を下記のとおり開催いたします。

日  程:令和2年11月27日(金)13:00-17:00
実施形態:オンライン(YouTubeによるライブ配信)

■プログラム
開会にあたって
開会挨拶
経済産業省の製品安全施策について (経済産業省)
消費者庁の消費者安全施策について (消費者庁)
第I部
(1)令和元年度事故情報収集調査結果について
                 (製品安全センター 情報解析企画課)
(2)SAFE によるレジリエント・イノベーション支援
                 (製品安全センター 情報解析企画課 未然防止推進室)
(3)消費生活用製品の安全技術実装による費用と便益比較
       ~ガスこんろの過熱防止装置等についての事例研究~ 
                               (製品安全センター 計画課)
第II部
(4)非純正リチウムイオンバッテリーの事故について 
                               (製品安全センター 事故調査統括課)
(5)リチウムイオン電池搭載製品の発火事故事例 
                               (製品安全センター 事故調査課)
(6)中古品での事故と課題について 
                               (製品安全センター 事故調査統括課)
閉会にあたって
閉会挨拶

■参加申込み
申込方法:以下NITEホームページの申込みフォームに必要事項を記載しお申込みください。
     受け付け後、メールにてライブ配信用URLをお送りいたします。
     ※複数名の一括申込みはできません。お手数ですが、各自でお申込みをお願いいたします。

申込URL :https://www.nite.go.jp/jiko/event/houkoku/houkoku2020.html     
  
参加費:無料
  
締 切:令和2年11月26日(木)17:00 まで         

参加に際してのお願い
(1)新型コロナウィルス感染拡大を防ぎ、参加者の安全を確保するため、オンライン(YouTubeによるライブ配信)で開催いたします。
  なお、今後感染が再拡大し、緊急事態宣言あるいは同等の措置が取られた際には、開催を中止する可能性がございます。
  その場合は、業務報告会開始までに中止等のご案内をメールで連絡いたします。
(2)ご質問はYouTubeのチャット機能を利用する予定です。チャット機能を利用するためにはGoogleアカウントが必要になります。
(3)通信環境の影響により、業務報告会が実施できず継続できないと事務局が判断した場合、中止となる可能性がございます。
(4)発表資料は、業務報告会前日(11月26日 18:30)ごろに以下のURL掲載します。
   https://www.nite.go.jp/jiko/event/houkoku/houkoku2020.html
(5)業務報告会終了後に、報告会に関する簡単なアンケートを実施する予定です。ご協力いただければ幸いです。
(6)業務報告会開催中の動画や写真の撮影及び録音は、ご遠慮ください。
(7)参加に際しての事故や参加者間のトラブルなどについて、NITEは責任を負いません。
(8)その他ご不明な点やお問い合わせがございましたら、お気軽に「業務報告会」事務局までご連絡ください。

報告会に関するお問い合わせ先
製品評価技術基盤機構 製品安全広報課「業務報告会」事務局
Eメール:anzen-koza-o【アットマーク】nite.go.jp
※メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください。
※フリーメールは受信できないことがあります。
※ご提供いただいた個人情報は、NITE講座の運営以外の目的では使用いたしません。情報セキュリティポリシー及び個人情報保護管理規程を遵守して取り扱います。

    【問い合わせ先】
       製品安全広報課 事務局 佐藤、向井
       電話: 06-6612-2066  FAX : 06-6612-1617

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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁

消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 10/30  19件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201030_01.pdf
  • 11/4    4件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201104_01.pdf
  • 11/6    8件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201106_01.pdf
  • 11/10  16件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_201110_01.pdf
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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省

令和2年10月30日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告がありました。令和2年9月1日から30日までの本体・バッテリー交換件数は130件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は305,847件となっています。
  https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou201105_1.pdf

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【最新!PL対策セミナー2020 11月19日開催】のご案内  一般社団法人PL対策推進協議会


「品質保証・PL対策」を学びたい方に向けて、Webセミナーを開催します。職場、自宅、出先の場所を選ばす、パソコン、スマホのどちらからでも学べます。解説資料も事前に配信いたしますので、受講前にご一読ください。合計150分の枠を使い、テーマを深堀してまいります。双方向での質問時間も取りますので、ぜひご準備ください。

●日時  令和2年11月19日(木) 13:30~16:10 休憩10分
 受講方法 : Zoom配信が基本(会場参加希望者数名まで受け付けます)
 当日開始時刻の30分前に、Zoomミーティングに参加するURLをメールで配信いたします。
●資料代  3,000円(税込み) PDFデータでお届けいたします。
●講師 渡辺吉明氏
 一社)PL研究学会製品リコール研究部会長・製品リコール検討委員会副委員長
●「最新!PL対策2020」~広義の品質保証とPL対策~(事業者向け導入ガイド)の視聴をお勧めします。動画とPDF資料が用意されています。
https://pl-taisaku.org/?sympo=%e8%a3%bd%e5%93%81%e5%ae%89%e5%85%a8%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%82%b8%e3%82%a6%e3%83%a02020

●配布資料 PDFデータにて事前にメール添付で配信いたします。
 「超スマート社会での品質保証とPL対策」~製品事故未然防止と再発防止~ 48ページ
 「PL研究学会学会誌2020 新PL研究5号」からの抜き刷り16ページ
 一般論文「製品リコールと自主回収のプロセスと重要事項」渡辺吉明氏
●内容 製品事故の未然防止と再発防止
  一部 13:30~15:00(90分) 
     社会構造の変化、国の方向転換、製品安全のスマート化、リコールなどの国の取
     り組みなど、さらにリコールプロセスにで「自主回収・リコール」の整理とPDCA、重
     要事項の確認になります。
  二部 15:10~16:10(60分)
     リコール対応について事例紹介、所々で質問や意見をいただきます。特に本体表
     示の高度化と取説の有効利用、取説や証明書のペーパーレス化を進め配信を行う
     ことの重要性なども入れる予定です。
●お申し込み、詳細は以下のページから 次回は12月17日(木)開催の予定です。
   https://pl-taisaku.org/?p=2383

 

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編集後記

はしごや脚立とひとまとめに言っても、その実製品の形は多岐にわたります。踏ざんが片面のみにある三脚脚立、引き出して長さの調節ができる三連式はしご、はしごと脚立どちらの形態にもなるはしご兼用脚立など、長さの違いを含めれば製品の種類は優に100を越えるでしょう。更にはメーカーの努力によりオプション製品や特定地域での使用に重きを置いている製品などもあるため、購入の際は自分がどういった用途で使用するのか、吟味が必要です。

PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
                                                             
PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
 Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)

配信停止、パスワード変更等は以下URLよりお願いいたします。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図