製品安全

Vol.373  1月26日号 「電子レンジの事故」

身近な調理器具の一つとして広く普及している電子レンジですが、使い方を誤ると思わぬ事故に繋がります。今回は電子レンジの事故をご紹介します。

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項目一覧

  • 1.電子レンジの事故
  • 2.製品事故収集情報(1月10日~1月23日 受付98件)
  • 3.その他の製品安全情報
    ・SAFE-Liteのご案内
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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1.電子レンジの事故

【事例1】
電子レンジを使用中、庫内から出火し、製品と周辺を焼損した。

→電子レンジの電気部品に異常は認められず、正常に動作することから、食品(肉まん)を長時間加熱したため、過加熱となって出火したものと考えられる。なお、取扱説明書には、「手動時間設定で加熱する場合は、設定時間を控えめにし、様子を見ながら加熱する。」旨、記載されており事故発生時に温めていた食品について、温め時間が記載されていた。


【事例2】
使用中の電子レンジから異音がし、庫内から火が出た。

→電子レンジの内部に食品カスが付着したため、マイクロ波が食品カスに集中してスパークが発生したものと考えられる。なお、取扱説明書には、「庫内や付属品に食品カスなどがついたまま使用しない。火花や発火の原因になる。」旨、記載されている。


【事例3】
電子レンジを使用中、庫内で調理物が破裂し、庫内の底面が割れた。

→ゆで卵を含む調理物を加熱したため、ゆで卵が破裂した衝撃により、庫内のガラスプレートが破損したものと考えられる。なお、取扱説明書には、「生卵やゆで卵、目玉焼きは加熱しない。破裂した衝撃で庫内が破損する恐れがある。」旨、記載されている。

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   【事例1の注意事項】
食品などを電子レンジで加熱し過ぎると炭化し、発火する場合があります。食品の様子を見ながら少しずつ加熱することでこれらの事故を防ぐことができます。水分が少ない食品(パンや芋など)は水分を多く含む食品よりも比較的早く炭化し、スパークして発火します。特に油分を含む食品は、加熱し過ぎた際に爆発的に燃焼するおそれがあるため、注意が必要です。


   【事例2の注意事項】
電子レンジの庫内はこまめに掃除を行ってください。庫内やドアに食品かすが付着したまま使用すると、炭化してスパークし発火するおそれがあります。

 
【事例3の注意事項】
ゆで卵などの電子レンジで温めることを禁止されている食品は、加熱した場合、内部の蒸気が抜けず圧力が上昇し、破裂に至ります。取扱説明書などに記載されている、電子レンジで温めてはいけないものを事前に確認しておきましょう。

■その他電子レンジの事故情報も併せてご参照ください。
  (再現実験映像)
   (1)電子レンジ「7.肉まんを加熱し過ぎて発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20022702.html
   (2)電子レンジ「8.アルミパウチのスパーク」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20022703.html
 
  (注意喚起ミニポスター)
   (1)電子レンジで使用できない容器に注意
   https://www.nite.go.jp/data/000112951.pdf
   
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「電子レンジ」等をキーワードに検索していただけます。
   https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(1月10日~1月23日 受付98件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名       ( 事故状況と件数 )

  • 1. 石油ストーブ              ( 火災等   6件)
  • 2.除湿器                   ( 火災等   5件)
  • 3.電気ストーブ              ( 火災等   5件)
  • 4.自転車                     ( 重傷等   4件)
  • 5.ノートパソコン             ( 火災等   3件)
  •  

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.その他の製品安全情報

・SAFE-Lite
        
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。

NITEのホームページでは事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できる「SAFE-Lite」をサービス提供しております。

「SAFE-Lite」は、製品の危険性を評価するリスクアセスメント・ツール「製品事故予測システムSAFE(※)」の「あいまい検索」機能をWeb化したシステムです。NITEのホームページから「SAFE-Lite」へアクセスできます。

※SAFE(System for Accident Forecasting Events)は、2019年11月から製造事業者を中心にインストール用DVDで提供しています(利用者申請が必要)。

お使いの製品で異常を感じた際に、「SAFE-Lite」で事故となる危険性を調べることで、必要な対策の参考情報を得ることができます。

ご利用の際は、製品の利用者が普段お使いの言葉で、製品事故が発生する前にみられる「予兆(現象)」情報を「SAFE-Lite」に入力すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止につながることを期待してます。

SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/

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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について  消費者庁

消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 1/13   14件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210113_01.pdf
  • 1/15    7件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210115_01.pdf
  • 1/19    5件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210119_01.pdf
  • 1/22   23件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210122_01.pdf
  • 1/26   10件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_210126_01.pdf

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編集後記

空気が乾く季節です。喉が乾燥していると健康上の問題が発生するリスクがあります。そんなときに心強いのがお湯とハチミツです。少し熱めのお湯を用意し、スプーン一杯のハチミツを溶かしてください。一息に飲むのではなく少しずつなめるように飲んでいると、喉の乾きを防ぎ、おなかから体を温めてくれます。水をレンジで温めればすぐできるので、時間もかかりません。

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 Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)

配信停止、パスワード変更等は以下URLよりお願いいたします。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図