製品安全

Vol.391  10月26日号 「石油ストーブの事故」

少しずつ寒くなってきました。そろそろ暖房器具の準備を始める時期かと思います。石油ストーブは手軽に使えてとても便利な製品ですが、掃除や手入れ不足で事故が起こることがあります。使い始める前の今が点検のチャンスです。そこで、今回は石油ストーブの事故を紹介します。

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項目一覧

  • 1.石油ストーブの事故
  • 2.製品事故収集情報(10月10日~10月23日 受付297件)
  • 3.リコール情報(3件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・ミプロオンラインセミナー「輸入事業者のための電波法講座~無線を使用する製品を輸入販売するには~」
    ・SAFE-Liteのご案内
    ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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1.石油ストーブの事故

【事例1】
石油ストーブを使用中、異音がして火災が発生し、周辺を焼損した。  

→石油ストーブは、しんが正常な高さまで上がっておらず、しん案内筒内部に多量のすすが付着していたことから、日常的に不完全燃焼が起こっていたと考えられ、堆積したすすによって炎がストーブ内部に逆流する吹き返し現象が起こり、樹脂部品や置台に堆積していたほこりが燃えたものと考えられる。
  
【事例2】
石油ストーブを使用中、石油ストーブ及び周辺を焼損する火災が発生し、1名が軽傷を負った。             

→石油ストーブは、燃焼筒が正常に載っていない状態で、火力が絞られ燃焼を続けたことで油受皿が熱せられ、気化したことで未燃ガスが滞留し、出火に至ったものと考えられる。
             
【事例3】
石油ストーブ使用中に火災が発生し、住宅を全焼した。

→石油ストーブからガソリンが検出されたことから、使用者が除雪機に使用するために用意していたガソリンを灯油と間違えて石油ストーブに給油したため、異常燃焼を起こし出火したものと考えられる。

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【事例1の注意事項】
すすやほこりが堆積していると石油ストーブの燃焼状態が悪くなったり、炎が逆流してストーブの下からあふれ出たりするおそれがあります。また、堆積したほこりなどに引火して周囲を焼損してしまうこともあるので、石油ストーブは定期的に清掃してください。

【事例2の注意事項】
石油ストーブは燃焼筒の取り付けを誤ると正常に燃焼しません。火炎が大きくなりすぎたり、不完全燃焼により一酸化炭素が多く排出されてしまうおそれがあります。必ず使い始める前に取扱説明書を確認し、正常に設置した上で点火してください。             

【事例3の注意事項】
ガソリンを誤って給油した場合、少量の混入であっても火災が生じるおそれがあります。灯油とガソリンを同じ容器や同じ場所に保管していたため、ストーブの油タンクに誤ってガソリンを給油し火災に至る事故が発生しています。ガソリンは消防法に適合した金属製のガソリン携行缶に入れてください。灯油は、危険物保安技術協会の認証ラベル付きの容器に入れ、ガソリンとは別の場所に保管してください。

■その他の石油ストーブの事故情報も併せてご参照ください。
 (再現実験映像)
  (1)石油ストーブ「1.ガソリンの誤給油」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02040101.html
  (2)石油ストーブ「3.ずれた燃焼筒の異常燃焼」
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02040105.html
  (3)石油ストーブ「8.燃焼筒内部の吹き返し現象」
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/1173.html
 
 (注意喚起ミニポスター)
  (1)石油ストーブでの火災
      https://www.nite.go.jp/data/000055703.pdf
  (2)石油ストーブによる火災
      https://www.nite.go.jp/data/000076545.pdf


■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「石油ストーブ」等をキーワードに検索していただけます。
  https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(10月10日~10月23日 受付 297件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名( 事故状況と件数 )

  • 1.ベッドフレーム(軽傷等  211件)
  • 2.電動アシスト自転車(火災等    6件)
  • 2.乾電池(破損等    6件)
  • 3.パソコン(火災等    5件)
  • 4.電気掃除機(火災等    4件)

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ・株式会社ノジマ(法人番号 4021001013588)
        「携帯型電気冷温庫」2021/10/07(HP)
        【詳細】https://www.nojima.co.jp/wp-content/uploads/2021/10/4400e7fbd762b5b2f802e56bbe1bb7ec.pdf
  • ・デカトロンジャパン株式会社(法人番号 1120001067372)
        「キックスケーター」2021/10/19(HP)
        【詳細】https://support.decathlon.co.jp/hc/ja
  • ・株式会社カインズ(法人番号 3070001006474)
        「自転車」2021/10/21(HP)
        【詳細】https://www.cainz.co.jp/images/information/pdf/20211021_info.pdf?_ga=2.106084099.1071104474.1634782701-1695798403.1634782701
     

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4.その他の製品安全情報

・ミプロオンラインセミナー
「輸入事業者のための電波法講座~無線を使用する製品を輸入販売するには~」        
                 
一般財団法人 対日貿易投資交流促進協会(ミプロ)
 
身の回りには、Bluetooth機器、ワイヤレススピーカー、ワイヤレス充電器など
の無線製品が増えています。このような電波を利用した製品を日本国内で使う
ための基本ルールが電波法です。
「技適マーク 」「微弱無線設備」など、素人には難しい電波法のルールについて、
登録証明機関であるテレコムエンジニアリングセンターの講師より、初心者向けに
わかりやすくお話いただきます。ぜひご参加ください。

日時;11月10日(水)14時~15時30分
開催形式 :オンライン(ZOOM)
講師   :一般財団法人 テレコムエンジアリングセンター(TELEC) 
      認証・試験事業本部ビジネス推進部 
      お客様相談室  多田 隆一氏
参加費  :無料
     
▼セミナーの詳細・お申込みはこちら

https://krs.bz/mipro/m/config-id-1110anzenweb?e_3530=1&e_3542=5

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・SAFE-Lite

NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報
を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、
リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。

NITEのホームページでは事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できる
「SAFE-Lite」をサービス提供しております。

「SAFE-Lite」は、製品の危険性を評価するリスクアセスメント・ツール
「製品事故予測システムSAFE」の「あいまい」機能をWeb化したシステムです。
 NITEのホームページから「SAFE-Lite」へアクセスできます。

お使いの製品で異常を感じた際に、「SAFE-Lite」で事故となる危険性を調べる
ことで、必要な対策の参考情報を得ることができます。

ご利用の際は、製品の利用者が普段お使いの言葉で、製品事故が発生する前に
みられる「予兆(現象)」情報を「SAFE-Lite」に入力すると、同じ現象の事故だけ
ではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故
となる危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待しています。

SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/

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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省

  令和3年10月18日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会
    社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報
    告がありました。令和3年9月1日から30日までの本体・バッテリー交換件
    数は156件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降
    の本体・バッテリー交換件数の累計は307,008件となっています。
 
    https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou211019_2.pdf


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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁

  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 10/15   22件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211015_01.pdf
  • 10/19    5件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211019_01.pdf
  • 10/22   14件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211022_01.pdf
  • 10/26    3件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211026_01.pdf

 

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編集後記

石油ストーブの芯、から焼きというお手入れがあります。灯油を抜いて、しんや機器の内部に残っている灯油だけで自然鎮火するまで燃焼させることを指すのですが、これを行うとしんに溜まった不純物を除去することができ、燃焼効率の上昇や臭いの低減などの恩恵があります。特にしんが荒れていると燃焼状態が悪くなり、一酸化炭素の排出量が増えるおそれがありますので、手入れはとても大切です。

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(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)

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独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図