Vol.393 11月24日号 「特定保守製品(石油ふろがま、石油給湯機)の事故」
製品は長く使い続けることによって部品などが劣化し、事故が発生するおそれが高まるため、長期間にわたって使用している製品(長期使用製品)は点検が必要となります。特に所有者による点検が困難で、経年劣化により重大な事故が発生するおそれが高い製品は、「長期使用製品安全点検制度」における「特定保守製品」に指定されています。
今回は、特定保守製品(石油ふろがま、石油給湯機)の事故を紹介します。
項目一覧
- 1.特定保守製品(石油ふろがま、石油給湯機)の事故
- 2.製品事故収集情報(11月7日~11月20日 受付 61件)
- 3.リコール情報(5件)
- 4.その他の製品安全情報
 ・11月は「製品安全総点検月間」です
 ・製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2021)表彰式について
 ・令和3年度製品安全業務報告会のご案内
 ・SAFE-Liteのご案内
 ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
 ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
1.特定保守製品(石油ふろがま、石油給湯機)の事故
【事例1】
	石油給湯機付近から異音がして出火し、本体が焼損した。  
→石油給湯機の長期使用(17年)により、内部の基板が劣化して電磁弁の閉弁が遅くなったことで、燃料がノズルから滴下して本体内部にたまり、たまった燃料にバーナーの炎が引火したものと考えられる。なお、使用者は事故の 2~3 週間前から、繰り返しエラーが生じるなど不調であること認識していた。また、事業者による点検を受けたことはなかった。
	
	【事例2】
	石油ふろがまの点火操作を繰り返したところ、本体から出火した。             
→石油ふろがまの長期使用(18年)により着火不良が生じ、安全装置が作動していたが、使用者が安全装置を繰り返しリセットして着火操作を行ったため、着火不良により生じた未燃灯油が本体底部にたまり、たまった灯油にバーナーからの炎が引火したものと考えられる。なお、取扱説明書には、「火災の原因となるため、安全装置が作動したときはを何度もリセットを繰り返さない。」旨、記載されている。また、使用者は業者による点検を受けた際、「部品がなく修理が出来ない」として、買い換えを勧められたが、使用を継続していた。
	
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【事例1の注意事項】
	長期使用による経年劣化の事故の多くは、点検を受けることで防ぐことができます。製品を購入した時は、添付されている所有者票やインターネットで所有者情報の登録を行い、点検の案内が届いたら、点検を受けてください。また、長期使用製品安全点検制度の開始以前の製品(平成21年4月以前に製造された製品)についても事故防止のために点検を受けましょう。
【事例1、2の注意事項】
	点検により重大な不具合が判明したり、異音・発煙などの異常があったり、繰り返しエラーになるなどの不具合が生じたりしている場合、整備・修理を受けないまま使用を継続すると、発火などの事故に至るおそれがあります。整備・修理を行うか、使用を中止してください。詳細は製造・輸入事業者に相談してください。
	   
	 
	■NITEでは2021年10月28日に長期使用製品の事故に関する注意喚起
	  「きちんと登録、しっかり点検~長期使用製品安全点検制度~」をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2021fy/prs21102802.html
■その他の特定保守製品の事故情報も併せてご参照ください。
	 (再現実験映像)
	  (1)石油給湯機「2.機器の異常燃焼」
	  https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03350103.html
	  (2)ふろがま「3.石油ふろがまの空だき事故」
	  https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/1191.html
	  (3)ふろがま「4.石油ふろがまのバーナーの異常燃焼」
	  https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/1192.html
	 
	 (注意喚起ミニポスター)
	  (1)石油給湯機からの出火
	  https://www.nite.go.jp/data/000004230.pdf
	  (2)長期使用石油ふろがまと石油給湯機から発火
	  https://www.nite.go.jp/data/000086400.pdf
	■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「石油ふろがま」、「石油給湯機」等をキーワードに検索していただけます。
	  https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/
2.製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況
(11月7日~11月20日 受付 61件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名( 事故状況と件数 )
- 1.自転車(重傷等 7件)
- 2.モバイルバッテリー(軽傷等 5件)
- 3.携帯電話機(火災等 4件)
- 3.照明器具(火災等 4件)
- 4.温水洗浄便座(重傷等 3件)
- 4.エアコン(火災等 3件)
最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
- ・Elektron Distribution Group株式会社(法人番号 3011101062677)
 「電源ユニット(音楽機器用)」2021/07/30(HP)
 【詳細】https://www.elektrondistributiongroup.com/blogs/support/21073001
- ・スペシャライズド・ジャパン合同会社(法人番号 6021001048087)
 「自転車」2021/10/13(HP)
 【詳細】https://www.specialized.com/jp/ja/safety-notices
- ・株式会社TSI(法人番号 3010901033788)
 「靴(ブーツ)」2021/10/28(HP)
 【詳細】https://www.tsi.inc/#info
- ・グロウ株式会社(法人番号 4120001130929)
 「子供服」2021/11/03(HP)
 【詳細】http://gro-w.jp/press/p2213/
- ・ライトウェイプロダクツジャパン株式会社(法人番号 9013301014725)
 「一輪台車(布製)」2021/11/12(HP)
 【詳細】https://www.riteway-jp.com/rpj_info/top.html
4.その他の製品安全情報
11月は「製品安全総点検月間」です 経済産業省
経済産業省は、11月を「製品安全総点検月間」とし、製品を安全に使用いただ
	くため、安全点検の呼びかけやイベントの実施など様々な取り組みをおこなっ
	ております。
先日紹介した、製品の点検ポイントの動画や「うんこドリル」の作成に加えて、
	製品の安全な使い方に関する動画も作成しました。
	身のまわりの生活製品について、適切な使い方を確認することができる動画と
	なっていますのでご家族でご覧下さい。
https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/soutenken.html
	
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	製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2021)表彰式について 経済産業省
製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2021)表彰式が下記の日時で開催されます。
	今年度は新型コロナ感染予防対策のため関係者限定の開催になりますが、表彰式の
	様子は当日ライブ配信を予定しています。
【日時】令和3年11月30日(火曜日)9:30~11:30 ※ライブ配信予定
	①第15回製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2021) 表彰式
	②受賞企業によるプレゼン 
	③宮村鐵夫中央大学名誉教授による基調講演
▼製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2021)公式ウェブサイト
	 今年度の受賞企業が決定しました。
	https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/index.html
	
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	令和3年度製品安全業務報告会のご案内
	        
	NITE(ナイト)「独立行政法人製品評価技術基盤機構」
	   令和3年度製品安全業務報告会
	  ~安全とあなたの未来を支えます~
平素よりNITE(ナイト)の業務に多大なるご支援とご協力を賜りまして誠に
	ありがとうございます。
	今年度も、NITE製品安全センターが取り組んでおります製品安全関係業務
	についてご紹介する「製品安全業務報告会」を下記のとおり開催いたします。
日時:令和3年11月30日(火曜日)13:15-17:00
	開催場所:さくらホール(渋谷区文化総合センター大和田)
	https://www.shibu-cul.jp/access
	※本年度は、東京会場(さくらホール)のみの開催となります。
◎プログラム
	●開会にあたって
	  開会挨拶
	  経済産業省 製品安全課 ご挨拶
	  消費者庁 消費者安全課 ご挨拶
●第Ⅰ部 口頭発表(コロナ禍での製品事故)
	(1)令和2年度事故情報収集調査結果について(製品安全センター 情報解析企画課)
	(2)コロナ禍の家庭内事故防止対策と乳幼児挟み込み試験規格(製品安全センター 技術基準・規格課)
	(3)携帯型扇風機の事故事例の紹介 (製品安全センター 事故調査課)
	(4)ガストーチの事故について    (製品安全センター 事故調査統括課)
●第Ⅱ部 口頭発表(トピックス)
	(5)伝えるから伝わるへ~NITEの事故防止に係る注意喚起~(製品安全センター 製品安全広報課)
	(6)米国の製品安全に係る広報活動について(製品安全センター 計画課 国際連携室)
	(7)リスクアセスメントツールSAFE-Proの紹介(製品安全センター 情報解析企画課 未然防止推進室)
●閉会にあたって
	  閉会挨拶
	 
	参加申込み
申込方法:以下NITEホームページの申込みフォームに、必要事項を記載しお申込みください。
	     メールにて参加証をお送りしますので、当日、受付に以下をご提示ください。
	     ※スマートフォンの画面提示・本メールを印刷したものなど。
	     複数名の一括申込みはできません。お手数ですが、各自でお申し込みをお願いいたします。
申込みURL:https://www.nite.go.jp/jiko/event/houkoku/houkoku2021.html
参加費:無料
	定員:300人
	締切:令和3年11月26日(金曜日)
	
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	SAFE-Lite
	        
	NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報
	を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、
	リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。
NITEのホームページでは事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できる
	「SAFE-Lite」をサービス提供しております。
「SAFE-Lite」は、製品の危険性を評価するリスクアセスメント・ツール
	「製品事故予測システムSAFE」の「あいまい」機能をWeb化したシステムです。
	 NITEのホームページから「SAFE-Lite」へアクセスできます。
お使いの製品で異常を感じた際に、「SAFE-Lite」で事故となる危険性を調べる
	ことで、必要な対策の参考情報を得ることができます。
ご利用の際は、製品の利用者が普段お使いの言葉で、製品事故が発生する前に
	みられる「予兆(現象)」情報を「SAFE-Lite」に入力すると、同じ現象の事故だけ
	ではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故
	となる危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
	つながることを期待しています。
SAFE-Lite サイト
	https://safe-lite.nite.go.jp/
	
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	iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省
 令和3年11月22日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会社)
	  の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報告があり
	  ました。令和3年10月1日から31日までの本体・バッテリー交換件数は123件と
	  なっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降の本体・バッテリ
	  ー交換件数の累計は307,131件となっています。
 https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou211122_1.pdf
	
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	消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について   消費者庁
  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
	  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 11/12 13件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211112_01.pdf
- 11/16 5件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211116_01.pdf
- 11/19 9件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211119_01.pdf
- 11/24 14件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211124_01.pdf
編集後記
特に異常がないので点検を受けなくてもよいと考える人もいるかもしれません。
確かに、事故の前兆となるような異常があったとするケースは少なくありませんが、異常に気付かなかった、前触れ無く事故が起きたとするケースも多く報告されています。
特に異常がなかったとしても、点検の時期を迎えたら、しっかり点検を受けましょう。
PSマガジン配信先の紹介等PSマガジンの普及にご協力をお願い致します。また、社内報や広報誌、回覧板などへの掲載も歓迎致します。
	                                                             
	PSマガジンに関するお問い合わせ、「その他の製品安全情報」欄へ掲載のご希望などがありましたら、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
	 Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
	(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)
配信停止、パスワード変更等は以下URLよりお願いいたします。
	https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/index.html
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
- 
TEL:06-6612-2066
 FAX:06-6612-1617
 住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図
 








