製品安全

Vol.395  12月28日号 「電気こたつの事故」

いよいよ2021年最後の配信となります。今回取り上げるのは電気こたつの事故です。
電気こたつは、やぐら内の小さな空間ゆえにすぐ温まるのが特徴で、しばしば冬の風物詩にも挙げられる暖房器具ですが、誤った使い方をすると火災などの事故に至ることがあります。

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項目一覧

  • 1.電気こたつの事故
  • 2.製品事故収集情報(12月12日~12月25日 受付108件)
  • 3.リコール情報(5件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・「第3回 KEC製品安全フォーラム」のご案内
    ・SAFE-Liteのご案内
    ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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1.電気こたつの事故

【事例1】
電気こたつのこたつぶとんが焦げた。

→足の不自由な家人がつまずかないよう、使用者がやぐらの中にこたつぶとんを押し込んだたため、ふとんがヒーターの保護カバーと接触し、焦げたものと考えられる。なお、本体及び取扱説明書には、「ふとんをやぐらの中に押し込んで使用しない」旨、記載されている。

【事例2】
建物3棟を全焼する火災が発生し、現場に電気こたつがあった。             

→電気こたつ本体から外れたヒーターユニットをこたつ内の床に置いて使用していたことにより、こたつ布団など周辺の可燃物と接触して出火に至ったものと考えられる。 なお、電気こたつの本体表示には、「ヒーターユニットを床などに置いて使うことは絶対にしない」旨、取扱説明書には、「ヒーターユニット単体では使用しない、火災の原因となる」旨、記載されている。

【事例3】
使用中の電気こたつの電源コード及び周辺を焼損する火災が発生した。             

→電気こたつの電源コードをやぐら脚部で固定しなかったため、電源コードがテーブル中央付近のコード固定部から垂れ下がる状態となり、使用者が電源コードを踏む等により電源コードに過度の外力が加わって半断線となったことで異常発熱し、出火に至ったものと考えられる。なお、取扱説明書には「電源コードを必ず2箇所で固定する。こたつに出入りする際に電源コードに足を引っかける等して断線・火災等の原因となる。」旨、記載されている。 

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【事例1の注意事項】
ふとんなどをやぐらに押し込んで使用しないでください。ヒーターに接触し火災の原因になります。

【事例2の注意事項】
ヒーターユニットを床に置いて使用しないでください。また、ヒーターユニット単体での使用をしないでください。火災の原因になります。

【事例3の注意事項】
電気こたつの電源コードは必ず取扱説明書にしたがって固定してください。固定せずに使用すると、コードに負荷がかかり、断線やショートを引き起こし、火災や感電の原因となります。


その他の電気こたつの事故情報も併せてご参照ください。
 (再現実験映像)
  (1)こたつ「1.座椅子の押し込み」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01190101.html
  (2)こたつ「2.洗濯物の発火」
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01190102.html
   (3)こたつ「3.電源コードの発火」
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01190103.html
   (4)こたつ「4.温風ダクトの熱で変形」
      https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01280201.html

 
 (注意喚起ミニポスター)
  (1)電気こたつの事故1
      https://www.nite.go.jp/data/000086392.pdf
  (2)電気こたつの事故2
      https://www.nite.go.jp/data/000004836.pdf
 

その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「電気こたつ」等をキーワードに検索していただけます。
  https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(12月12日~12月25日 受付108件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名( 事故状況と件数 )

  • 1.インターホン(製品破損 21件)
  • 2.自転車(重傷等   10件)
  • 3.手すり(電動ベッド用)(製品破損  8件)
  • 4.洗面化粧台(軽傷等    7件)
  • 5.サウナストーン(軽傷等    5件)

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • ・Games Workshop Ltd.(法人番号 5700150003173)
          「ぬいぐるみ」2021/11/29(HP)
        【詳細】https://www.warhammer-community.com/wp-content/uploads/2021/12/KzJSOLnxTEr182AH.pdf
  • ・株式会社アキボウ(法人番号 9120101000440)
          「折りたたみ自転車」2021/12/15(HP)
        【詳細】https://www.dahon.jp/2021/information.html
  • ・株式会社カインズ(法人番号 3070001006474)
          「トーチバーナー」2021/12/16(HP)
        【詳細】https://www.cainz.co.jp/images/information/pdf/20211216_info.pdf
  • ・株式会社オウルテック(法人番号 1021001026741)
          「イヤホン(コードレス式、マイク付、リチウムポリマーバッテリー内蔵)」2021/12/13(HP)
        【詳細】https://www.owltech.co.jp/news/info-20211213
  • ・東芝ライテック株式会社(法人番号 5021001044112)
          「LEDシーリングライト」2021/12/22(HP)
        【詳細】https://www.tlt.co.jp/tlt/information/seihin/notice/safety/20211222/20211222.htm

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4.その他の製品安全情報

「第3回 KEC製品安全フォーラム」のご案内 –IoT時代の製品安全のあらたな潮流 – 
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター                 

近年、ネットワーク化、ソフトウェアによる自動化、モバイル化等の技術革新
に伴い、製品カテゴリが多種多様になってきています。
このような製品の多様化に伴い安全を確保する取組も様々な視点から対応が求
められます。
特に、これまでハードウェア単体での製品安全の確保が中心でしたが、IoT化
が進むことにより、ソフトウェアの介在、複数機器が接続されるシステムに
おける安全確保を考えていく必要があります。
このような中で製品安全の確保にむけて、経済産業省から、製品安全確保に
むけたガイドラインが発行されました。本フォーラムでは、このガイドライン
について、詳しく解説いただきます。
また、IoT化製品に多く組み込まれるリチウムイオン電池の選定方法について
講演いただきます。

【開催日】 2022年 2月21日(月曜日)

【会 場】オンライン開催(Zoomウェビナー)

【参加費】会員:5,000円 / 非会員:7,000円

【内 容】

[基調講演]「製品安全行政の概要と今般の動向」
             経済産業省 製品安全課       課長補佐 石曽根 智昭 氏

[講演2] 「電気用品、ガス用品等製品のIoT化等による安全確保の在り方に
              関するガイドライン」に関連して
             Part-1 リスク評価及び遠隔操作を行う機器の分類の考え方
             一般財団法人電気安全環境研究所      理事 住谷 淳吉 氏

[講演3] 「電気用品、ガス用品等製品のIoT化等による安全確保の在り方に
              関するガイドライン」に関連して
               Part-2 製品安全設計及び製造出荷後に配慮するべき事項
                AUX JAPAN株式会社 日本研究開発センター センター長 坂口 正 氏

[講演4] 「リチウムイオン電池を安全に使うための選定方法」
             Amaz技術コンサルティング合同会社     代表 雨堤 徹 氏

【詳細】   https://www.kec.jp/wp/img/committee/2021/psf21.pdf

【申込先】  https://www.kec.jp/seminar/psf21/
 
 
問合せ先: 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
         専門委員会推進部  事務局 藤田 泰男
         TEL:0774-29-9041 E-mail:publication01@kec.jp

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SAFE-Lite
        
NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報
を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベース、
リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。

NITEのホームページでは事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できる
「SAFE-Lite」をサービス提供しております。

「SAFE-Lite」は、製品の危険性を評価するリスクアセスメント・ツール
「製品事故予測システムSAFE」の「あいまい」機能をWeb化したシステムです。
 NITEのホームページから「SAFE-Lite」へアクセスできます。

お使いの製品で異常を感じた際に、「SAFE-Lite」で事故となる危険性を調べる
ことで、必要な対策の参考情報を得ることができます。

ご利用の際は、製品の利用者が普段お使いの言葉で、製品事故が発生する前に
みられる「予兆(現象)」情報を「SAFE-Lite」に入力すると、同じ現象の事故だけ
ではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故
となる危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
つながることを期待しています。

SAFE-Lite サイト
https://safe-lite.nite.go.jp/

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 iPod nanoの製品事故に係る定期報告 経済産業省

 令和3年12月21日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式会
  社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定期報
  告がありました。令和3年11月1日から30日までの本体・バッテリー交換件
  数は75件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11日以降
  の本体・バッテリー交換件数の累計は307,206件となっています。
 
 https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou211221_2.pdf
   
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消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 消費者庁

  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

  • 12/17  23件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211217_01.pdf
  • 12/21  20件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211221_01.pdf
  • 12/24  13件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211224_01.pdf
  • 12/28  13件 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_211228_01.pdf

  

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編集後記

こたつの心地よさに抗えずウトウト、気付けば朝、という経験をされた方は少なくないと思います。しかし、こたつで寝ると、暑さで睡眠が浅くなる上、せまくて寝返りができないため、体がだるくなったり、汗を大量にかいて脱水症状になったり、さらに、ヒーターの熱で低温火傷を負うおそれがあったりと、使い方や不注意により思わぬ落とし穴があります。こたつの持つ魔力には十分ご注意をお願いいたします。

それでは皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

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 Eメール:ps【アットマーク】nite.go.jp
(メールを送る際は【アットマーク】を@に変えてください)

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