バイオテクノロジー

第3回アジア・コンソーシアム会合の開催

全体概要


第3回アジア・コンソーシアム会合の様子


アジア・コンソーシアムの参加者


公開シンポジウムの様子

第3回アジア・コンソーシアム(ACM)は、ACMメンバーである中国科学院微生物研究所とNITEとの共催で2006年10月31日と11月1日に北京のBeijing Friendship Hotelにて開催されました。

昨年タイで開催された第2回ACMにおいて、BRCネットワークのためのACM内共通で使えるプロトタイプを作るための小グループ会合を日本、中国、韓国、タイの4ヵ国で行うことが決定されました。今回は4ヵ国による協議結果報告と試作されたACMホームページや菌株データベースを参加各国に提示し、意見を募りました。また、メンバー国のBRC同士で生物遺伝資源を交換する際の共通のルール作りについて今後ACMとして取り組んでいくことが新たに決定されました。

参加国:
カンボジア、中国、インドネシア、日本、韓国、ラオス、モンゴル、フィリピン、タイ、ベトナム

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会合の概要

1.BRCネットワークに関する報告 Bioresource Information Management (BIM)

  • オブザーバーとして出席したイギリスCABIのCuratorであり、WFCCの会長であるDavid Smith博士から、OECDにおけるBRC品質管理、バイオセキュリティーの監視等の取り組みとCABIの業務について紹介がありました。
  • NITEの鈴木NBRC部門長から、日中韓泰の4カ国で試作したACMホームページの概要説明を行いました。ACMの概要(歴史、目的等)、会合の議事録、メンバー各国へのリンク、メンバーが主催するトレーニングコースなどの情報、菌株データベースをコンテンツとする案が提案されました。
  • 続いて中国のMa博士から菌株データベースの具体的な入力項目や、どのようにデータを登録し、管理していくかについて説明がありました。菌株データに付随してたんぱく質立体構造、シーケンスデータ、論文データなどが登録でき、参加国は自由に利用することが出来ると紹介されました。

2.人材育成に関する報告 Human Resource Development in Microbiology (HRDM)

  • タイのBIOTECではUNESCOなどの国際機関ばかりではなく、日本、シンガポールなどの研究機関、大学などと協力して人材育成を行っていることが紹介されました。これらの人材育成は、特に周辺4カ国(ラオス、カンボジア、ベトナム、ミャンマー)を対象としていますが、今後はインドネシアからも学生の受け入れを計画しているなど、積極的に拡大していくことが説明されました。
  • HRDタスクフォースの議長であるインドネシアのGandjar博士より、途上国の熱帯資源から抗生物質を自ら探して薬等の開発を行えるようにするためには人材育成が大変重要であること、例えばインドネシアは好熱バクテリア、古細菌に注目したいと思っているが、解析、同定するための機器や技術がない、ぜひ各国の協力を仰ぎたいと報告がありました。

3.その他

タイより、BRC間での資源移転(交換)を円滑に行うための共通のルールづくりについてタスクフォースをつくることが提案されました。今後ACMとして活動することが承認されました。

4.次回開催国

第4回ACMはインドネシア(2007年)で開催されます。その次の第5回開催国は韓国が立候補し、承認されました。

5.国際微生物の日シンポジウム

  • NITEは、資源としての微生物に対する認識を高めるため、ACM開催にあわせて中国科学院微生物研究所などとの共催でシンポジウムを11月2日に開催しました。
  • 第1部「微生物多様性と生物資源センター」、第2部「微生物資源とその応用」という2つのテーマで中国国内外からの研究者が講演を行いました。
  • 質疑・討論も活発に行われ、中国の研究者にアジアの微生物学研究の一端を紹介することができました。

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