化学物質管理

(1)建材用接着剤・シーリング材について

1.接着剤とは

一般家庭用住宅では建築材料や建築工法の進歩に伴って、壁、天井、床などに使われる合板・化粧板・壁紙・クロスなどの建築用材料のほかに、下地工事、床仕上げ、壁・天井仕上げなど内装施工工事の場面で多種類の接着剤、シーリング材が使用されています。

「建築用接着剤」イメージイラスト

接着剤は、「物体の間に介在することによって物体を結合することのできる物質」(JIS K 6800)と定義されています。また、感圧接着剤と称せられている粘着剤がありますが、その粘着については「接着の一種で、特徴として、水、溶剤、熱などを使用せず、常温で短時間、わずかな圧力を加えただけで接着すること。」(JIS Z 109)と定義されています。(粘着は一時的な接着で、一般には永久接着に対して用いる語)。粘着剤は凝集力と弾性をもっているので、強く接着する反面、硬い平滑面からはがすこともできます。ただし、後処理によって永久接着になるものもあります。粘着剤はテープ、シート状の形態で広く使用されています。

図1 接着のモデルと接着剤利用製品の構成例

シーリング材は、「構造体の目地、間げき(隙)部分に充てん(填)して防水性、気密性などの機能を発揮させる材料」(JIS K 6800)と定義されています。

接着は、図1の接着のモデルに示してあるように同種あるいは異種の被着材(接着される材料)を接着剤で結合することです。一般に、被着材の表面は人間の目では平滑に見えても、数百オングストローム(注)の凹凸がありますので、接着剤の役割はこの凹凸を埋め、かつ被着材表面を完全に濡らして被着材表面と接着剤間で、化学的な結合力、分散力などの相互作用が働くようにする必要があることから、接着剤は必ず一度流動状態を経て固化します。

(注)オングストローム:長さの単位で10-10メーター(10-7mm)

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