製品安全

Vol.422  2月14日号 「着衣着火の事故」

冬場は、卓上こんろや暖房器具を使う機会が増えることに加え、厚着によって
着火に気付きにくくなるため着衣着火の事故が発生しやすくなります。着衣着
火は、ガスこんろのように炎が出る機器だけでなく、電気ストーブ等の炎が出
ない熱源を持つ機器に衣服が接触したりすることでも発生する可能性があり、
やけどや火災、死亡事故が多く発生しています。今回は着衣着火の事故をご紹
介します。

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項目一覧

  • 1.着衣着火の事故
  • 2.製品事故収集情報(1月15日~2月4日 受付 171件)
  • 3.リコール情報(4件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・「2022年度 製品安全共通技術セミナー」のご案内
    ・「SAFE-Lite」のご案内
    ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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1.加湿器の事故

○ガスこんろによる事故
【事例1】
 ガスこんろを使用中、着衣に着火する火災が発生し、1名が死亡した。

→事故発生現場、使用者のやけどの状況などから、ガスこんろを使用中に
 こんろの火が着衣に着火したものと推定されます。
 なお、取扱説明書には、「使用中はバーナー付近に触れないように注意
 する。衣服に炎が移ったりする場合があります。」旨、記載されていま
 す。
【SAFE-Lite 検索キーワード例】(SAFE-Lite についてはその他の製品安全情報参照)
 ガスこんろ、着衣、着火

○電気ストーブによる事故 
【事例2】
 電気ストーブを背にして暖を取っていたところ、着衣着火する火災が発
 生し、1名がやけどを負った。

→電気ストーブに接触又は長時間近付いた状態で使用していたため、衣類
 が加熱され、発火した可能性が考えられます。
 なお、同等品の本体及び取扱説明書には、「使用中、ヒーターやガード
 部等の高温部に触れない。」「可燃物の近くで使用しない。」旨、記載
 されています。
【SAFE-Lite 検索キーワード例】
 電気ストーブ、着衣、着火

○ライターによる事故 
【事例3】
 ライターを使用後、衣服のポケットに入れたところ、衣服が燃えてやけ
 どを負った。

→ライターのノズル付近に異物が付着したことによりノズルが戻らなくな
 り、残火が生じて事故に至ったもの推定されます。
 なお、本体表示には、「消火を確認する。残火、ガス漏れの原因となる
 異物混入のないことを確認する。」旨、記載されています。
【SAFE-Lite 検索キーワード例】
 ライター、衣服、着火

○草焼きバーナーによる事故
【事例4】
 草焼きバーナーから灯油が漏れ、使用者に付着しやけどを負い、死亡し
 た。

→使用者は、草焼きバーナーから灯油が漏れていることを認識しながら使
 用したため、炎が漏れた灯油に引火して使用者の着衣に燃え移り、やけ
 どを負った。経年劣化によりホースに亀裂が生じて灯油が漏れるように
 なっていたが、使用者がテープを巻いて使い続けていたため、事故発生
 時に漏れた灯油に火口の炎が引火し、使用者の着衣に燃え移ったものと
 推定されます。
 なお、取扱説明書には、「油漏れがないか確認する。」「ホースの劣化
 に気づいた場合は交換する。」旨、記載されています。
【SAFE-Lite 検索キーワード例】
 草焼きバーナー、着衣、着火

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【事故を防ぐためのポイント】
○ガスこんろや電気ストーブ等を使用する際は、衣服と炎や熱源との距離
 を意識し、近づき過ぎない。

 ガスこんろなどの炎は、目には見えていない部分にも存在するため、目
 に見えている炎から離れていても着火する可能性があります。特に冬の
 時期は重ね着などで衣服の厚みが出るため、衣服の過熱や着火に気付き
 にくくなります。衣服と炎や熱源との距離を常に意識して近づき過ぎな
 いよう注意してください。また、火を消したつもりでも残火が生じてい
 る可能性があるため、しっかり消火を確認しましょう。火が出なくても
 発熱している電気ストーブ、白熱電球などの製品についても、油断せず
 十分注意してください。
 また、調理中にガスこんろの奥の物を取ったり置いたりする行為は、衣
 服が炎に接近するので大変危険です。ガスこんろの奥には物を置かない
 ようにするか、どうしても置く場合は火を消してから物を取るようにし
 ましょう。
 なお、衣服だけでなく炎や熱源周辺の物に着火するおそれもあるため、
 こんろやストーブなどの熱源の上や周囲に、ふきん、洗濯物、樹脂製品
 等の可燃物を置かないでください。また、熱せられることにより破裂す
 るおそれがあるため、スプレー缶等も近くに置かないでください。周囲
 の物に着火し、それらが衣服に燃え移る危険性もあります。ガスこんろ
 の周りは整理整頓し、できる限り物を置かないようにしましょう。
 さらに、周囲でスプレー缶等を噴射すると、噴射剤として用いられてい
 る可燃性ガスに引火する可能性があるため、ガスこんろなどの使用中に
 は周囲でスプレー缶等を噴射しないでください。同様に、冷却スプレー
 には可燃性ガスが含まれているため、使用した後に近くでガスこんろや
 ライターを使用すると、着火するおそれがあるので注意してください。

○火を扱う際は、裾や袖が広がった“だるだる”“もふもふ”の衣服や紐
 付きの衣服などを避ける。 

 調理中で炎が近くにある場合は、マフラーやスカーフなど長く垂れ下が
 る可能性のあるものは外して、裾や袖が広がっている、毛先が長い、毛
 羽立っている、紐が付いているような衣服の着用はできる限り避けまし
 ょう。特に化学繊維の場合は、溶けて皮膚に張り付いてしまうのでやけ
 どの被害が大きくなる可能性があります。
 調理の際にはエプロンやアームカバーを着用することで、裾や袖の広が
 りなどを抑えることができます。また、難燃・防炎仕様の素材は、炎が
 接しても着火しにくくまた燃え広がりにくいので、調理中の着衣着火の
 防止につながります。

【着衣着火時の対処方法】
○直ちに水や消火器で消火を行う、周囲の人に助けを求める(すぐ服が脱
 げる場合は脱ぐ。)。 

 近くに水場や消火器がある場合は、着火箇所に水をかけるなどして消火
 してください。また、衣類を素早く脱ぐことができる場合は、服を脱い
 でください。一人では対処できない場合もあるため、周囲の人に大声で
 助けを求めてください。

○ストップ、ドロップ&ロール(止まって、倒れて、転がって)を行う。 

 服が脱げず、また近くに水や消火器が無い場合は、「ストップ、ドロッ
 プ&ロール(止まって、倒れて、転がって)」を実践しましょう。パニ
 ックになって走るなどしてしまうと、風によって酸素が取り込まれ火の
 勢いが大きくなってしまうおそれがありますので、まずはその場で止ま
 ってください。そして、体と地面の間にできるだけ隙間がないよう地面
 に倒れ込み、燃えているところを地面に押しつけるようにしながら左右
 に転がることで消火させます。また、両手で顔を覆うようにして顔への
 やけどを防ぎましょう。慌てず、落ち着いて対処しましょう。

 ストップ、ドロップ&ロールについては以下の動画で紹介しています。
 その他「着衣着火の対処方法」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2023012602.html

■NITEでは2023年1月26日に着衣着火の事故に関する注意喚起
 『“だるだる”“もふもふ”衣服は着火の元! ~毎年100人前後が死亡
 している「着衣着火」の注意点~』をプレスリリースしました。
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2022fy/prs230126.html

■その他の着衣着火の事故の事故情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
 (1)ガスこんろ「7.着衣着火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03120101.html
 (2)ガスこんろ「8.近くに置いた可燃物に着火」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03270101.html
 (3)ガスこんろ「11.着衣着火2」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/2023012601.html
 (4)その他「素材別燃え方の違い」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2023012603.html
 (5)ライター「1.ライターの残火(ざんび)」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03090101.html
 (6)スプレー「2.冷却スプレー使用後、シャツに着火」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03250104.html
 (7)消毒液「1.使用後に火気に近づいて引火」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2020082703.html
 
(注意喚起ミニポスター)   
 (1)「着衣着火」の注意点
 https://www.nite.go.jp/data/000142513.pdf
    
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「着衣」「着火」等をキー
 ワードに検索していただけます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(1月15日~2月4日 受付 171件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名         ( 事故状況と件数 )

1.電気やかん                ( 破損等  45件 )
2.洗面化粧台      ( 軽傷等  11件)
3.エアコン       ( 軽傷等  6件 )
4.石油ストーブ           ( 死亡等  5件 )
4.自転車          ( 重傷等  5件 )


最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • イケア・ジャパン株式会社(法人番号:1040001021866)
          「鏡」2023/1/12(HP)
        【詳細】https://www.ikea.com/jp/ja/customer-service/product-support/recalls/20230112-lettan-spair-parts-pub32fa4b80
  • 株式会社エイチアイエム(法人番号:6040001110391)
    ※2023日2月1日より株式会社キングジム(法人番号:8010001014924)に吸収合併
          「電気ケトル」2023/1/16(HP)
        【詳細】https://www.kingjim.co.jp/news/detail/500.html
  • 株式会社スコットジャパン(法人番号:9010901031407)
          「自転車(フロントフォーク)」2023/1/16(HP)
        【詳細】https://www.scott-japan.com/publics/index/1531/
  • 株式会社エイアンドエフ(法人番号:4011101002533)
          「照明器具」2023/1/30(HP)
        【詳細】https://aandf.co.jp/news/release/news_release_barebones_miniglobelight_recall

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4.その他の製品安全情報

・「2022年度 製品安全共通技術セミナー」のご案内  
 「製品安全の根幹である絶縁と樹脂材料の基礎」
 電気用品安全法・国際規格のベースとなる電気安全の共通技術を習得し製品安全設計に活かす
           
              一般社団法人KEC関西電子工業振興センター


 製品安全規格は製品の種類に応じて数多く発行されています。それらに共
 通し、根幹となる部分の理解を深めることは製品安全の確保に重要となり
 ます。
 今回は『絶縁』に焦点を合わせ、
 1.空間距離や沿面距離を決める基本的な考え方
 2.水平規格 JISC 60664-1 の重要性と各個別規格との関係
 3.絶縁に大きな役割を担う樹脂材料の基礎と難燃性 
 を取り上げます。それぞれの分野でご活躍中の講師をお招きし規格には表
 現されていない内容を織り交ぜながらご講演いただきます。

 【開催日】2023年3月23日[木]
 【会 場】  Zoom ウェビナーによるオンライン
 【参加費】会員:5,000円, 非会員:7,000円
 【内 容】
 [講演1]低電圧機器の絶縁協調について
       一般財団法人電気安全環境研究所 理事 住谷 淳吉 氏

 [講演2]樹脂材料の基礎知識と特性評価方法の解説
             株式会社UL Japan 材料技術部 部長 有森 奏 氏

 【詳細】 https://www.kec.jp/wp/img/committee/2022/pshs2022.pdf
 【申込先】 https://www.kec.jp/seminar/pshs2022/

 問合せ先:一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
      専門委員会推進部 事務局 藤田 泰男
      TEL:0774-29-9041 E-mail:publication01@kec.jp

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・「SAFE-Lite」のご案内      
        
 NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する
 情報を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベー
 ス、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。その
 中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、
 「SAFE-Lite」というサービスを提供しております。

 「SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。
 スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、
 6万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使
 いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。

 「SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、
 よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故とな
 る危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止
 につながることを期待しています。

 【SAFE-Lite】
   https://safe-lite.nite.go.jp/

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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
                          経済産業省
 
 令和5年1月30日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式
 会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定
 期報告がありました。令和4年12月1日から31日までの本体・バッテリー
 交換件数は22件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11
 日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は307,912件となっています。

 https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou230131_2.pdf
 

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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 
                           消費者庁
 
  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
 
         1/24      6件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230124_01.pdf

         1/27     11件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230127_01.pdf

         1/31     19件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230131_01.pdf

         2/3      25件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230203_01.pdf

         2/7       8件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230207_01.pdf

         2/10     18件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_230210_01.pdf

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編集後記

近年は「ぽわん袖」というまあるい、大きなシルエットの袖が流行っているそ
うです。先日買い物に行った際に意識して見てみたら、たくさんのブランドで
ぽわん袖の洋服が売っていました。1月のプレスリリースで着衣着火について
注意喚起したばかりだったので、自然と気になってしまう自分がいて、NITEの
職員としての成長を感じました。ぽわん袖に限らず、”だるだる””もふもふ”
した衣服は着衣着火しやすいので皆様もお気をつけください。(ゆ)

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図