Vol.502 6月9日号「エアコンの事故」
Vol.502 6月9日号 「エアコンの事故」 【PDF:5,199KB】
近年、夏の高温が常態化しており、今年は気象庁が「酷暑日(最高気温が40℃以上の日)」を定めるなど(※1)、命の危険を伴う気温の上昇が生じています。熱中症対策としてエアコンの重要性がますます高まる一方で、毎年エアコンに関する事故が報告されており、その多くは外部からの延焼など「製品に起因しない」事故でした。エアコン室外機の使用環境や使用方法に注意することで防ぐことができた事例もあります。
そこで今回のPSマガジンでは、エアコンに関して気をつけるポイントを事故の事例を交えてご紹介します。
また、本格的な暑さを迎える頃には点検・修理依頼が集中し、不具合が見つかってもすぐに対応できない場合があります。酷暑日が到来する前に使用環境の確認と試運転を行い、安心して夏を迎える準備をしましょう。
※1 気象庁大気海洋部の報道発表(令和8年4月17日)による。
https://www.jma.go.jp/jma/press/2604/17a/20260417_40degree_name.pdf

項目一覧
1.エアコンの事故
2.製品事故収集情報(5月10日~ 5月23日 受付63件)
3.リコール情報 3件
4.その他の製品安全情報
・iNARTE PS(製品安全)資格試験のご案内
・公共調達・重要インフラ向け蓄電池システムの安全ガイドライン 第1版 公表のお知らせ
・「NITE SAFE-Lite」のご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・NITE公式X アカウントのご案内
1.エアコンの事故
◆エアコンの試運転
シーズン初めの冷房を使い始める前に行っていただきたい試運転時の確認ポイント
○冷房運転をして冷風が出るか、異常が生じないか
設定可能な最低温度に設定し、冷房運転で冷風が出るかどうかを10分間試運転して確認しましょう。さらに30分ほど運転して、以下のような異常がないか確認しましょう。
☑室内機から水漏れがないか。
☑室内機や室外機から異音・異臭(焦げ臭いにおい)がないか。
☑エラー表示がないか、意図せず電源が落ちないか。
試運転に関するアンケートによると、シーズン初めの冷房を使い始める前に推奨される試運転を知らない人が多く、また知っている人でもしたつもりになっている可能性があるとの結果が出ています(※2)。
もし異常が確認された場合には、販売店やメーカーに相談し、必要に応じて点検を受けましょう。

※2ダイキン工業株式会社が全国の男女3,000人を対象に実施した、エアコンの試運転に関するアンケート調査によると、試運転を知っている人は約7割に上った一方で、実際に試運転を行った人は約4割にとどまりました。さらに、試運転を行った人の中でも、メーカーが推奨する「最低設定温度で10分間運転する」という方法で実施していた人は約1割に過ぎませんでした。このことから、多くの人が適切な方法で試運転を行えておらず、「試運転をしたつもり」の状態になっていた可能性があると考えられます。
参考ページ:エアコン試運転経験者の約9割が 「したつもり試運転」の可能性
(ダイキン工業株式会社のホームページ)
https://www.daikin.co.jp/press/2026/20260406
◆事故の現状
「製品に起因しない」事故の内訳
NITEが受け付けた製品事故情報(※3)のうち、2021年度から2025年度までの5年間にエアコンの事故は345件ありました。そのうち、「製品に起因しない」事故と判断された事故が152件あります。事象毎の件数は下表のとおりです。

※3 消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故を含みます。また、本資料では、調査の結果、外部からの延焼が原因であり明らかに製品事故ではないと最終判断された情報も含みます。なお、窓用エアコンは除きます。

◆製品に起因しない事故の事例
【事故事例1】
エアコン室外機及び周辺を焼損する火災が発生しました。(2022年 宮城県 年齢性別不明 拡大被害)
→事故当日はエアコンを使用しておらず、室外機にビニールシートを掛け、シートが飛ばないように天面に水の入ったペットボトルを2本載せていました。室外機は南東向きに設置されており事故当日は快晴でした。室外機に出火の痕跡は認められないことから、室外機に掛けられたビニールシートがペットボトルの収れん現象(※4)により着火し、出火に至ったものと考えられます。

※4 水が入ったペットボトルが凸レンズ(虫眼鏡など)のように作用して、太陽光が一点に集まり、可燃物が発火すること。
【事故事例2】
エアコンを使用中、異音がしたため確認したところ、室内機及び周辺を焼損する火災が発生し2名が軽傷を負いました。(2024年 東京都 年齢性別不明 軽傷)
→電源コードを途中で切断し、継ぎ足した単線ケーブルとねじり接続されていたため、接続部で接触不良が生じて異常発熱し、出火したものと考えられます。
【事故事例3】
エアコン室外機の取り外し作業中に爆発を伴う火災が発生し、周辺を汚損しました。(2024年 大阪府 80歳代女性 拡大被害)
→冷媒配管が外れたまま施工業者が冷媒回収作業を継続したため、圧縮機内に空気が入り込み、圧縮機内部が異常高温、高圧状態となり、破裂したものと考えられます。

◆気をつけるポイント
○室外機の上や前後など周辺に物を置いていないか
エアコンの事故では、室外機の外部から延焼する事故が多く発生しています。以下のような状況になっていないか確認しましょう。
☑水の入ったペットボトルを置いていないか
☑段ボール、新聞、雑誌、ごみなどを近くに置いていないか
☑灰皿置き場として使用していないか
室外機の周囲に可燃物が置かれていると、可燃物が着火した際に室外機に燃え移り、大きな火災に至るおそれがあります。他にも、段ボールやごみなどを置いておくと、小動物や虫などのすみかとなり、製品内部に入り込み配線をかじったり、電源基板に接触したりすることによって短絡して発火するおそれもあります。可燃物を置かないように注意しましょう。日頃から室外機周辺の片付け、清掃をするようにしましょう。

○エアコンの取り付け・取り外し・修理といった工事や作業は、販売店やメーカーに相談し、専門の知識や資格を有する業者に依頼する
エアコンの取り付け・取り外し・修理といった工事・作業には、専門の知識が必要であり、中には電気工事士などの資格が必要なものもあります。また、取扱説明書や据付説明書で禁止されている行為があり、特に以下の行為は重大な事故に至るリスクがありますので注意してください。
⚠電源コードの継ぎ足し接続(ねじり接続)で接続部が発火するおそれ
コンセントの形が合わない、長さが足りないなどの理由で「安易」に加工や修理をしてしまうと接続部で接触不良が生じて異常発熱し発火するおそれがあります。

コンセントの移設などの電気工事は、専門の知識を有する有資格者(電気工事士)による実施が求められています。必ず、有資格者によって工事がされるよう依頼してください。
⚠冷媒を集める作業(ポンプダウン)で室外機が破裂するおそれ
エアコンの設置、整備、移設、撤去の工事には、専門の知識や資格が必要な場合もあります。エアコンの移設などの工事の際は、配管や室内機内に残留している冷媒ガスを全て室外機に集めて一時的に保管する作業(ポンプダウン)を行います。十分な知識を持たずにポンプダウン作業を行うと、本来は入らないはずの空気が室外機内のコンプレッサーに大量に混入して異常な高温高圧となり、室外機が破裂するおそれがあります。さらに空気(酸素)が混ざったコンプレッサー内の潤滑油が発火(爆発)するおそれもあります。

家庭用エアコンの冷媒ガスに使用されているフロン類は、オゾン層破壊や地球温暖化に悪影響を与えるため、家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)において、回収が義務づけられています。そのため、エアコンを移設する際にはポンプダウン作業を行い、冷媒ガスを室外機に閉じ込める作業が必要です。確実な回収の観点からも、購入先の販売店、メーカーのサービス窓口などに相談し、作業が専門の業者によって行われるように依頼しましょう。
■NITEでは、5月28日に注意喚起として『ひと手間で!事故も熱中症も未然防止!~本格的な暑さの前に、エアコンの使用環境の確認と試運転を~』をプレスリリースしています。
今回ご紹介したエアコンの事故に関する詳しい分析結果の他にも、熱中症に関する情報や、エアコン試運転に関するアンケート調査の詳細などについてもご紹介しています。併せてぜひご覧ください。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2026fy/prs260528.html
新作動画:エアコン「10.エアコンのNG3選」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2026052801.html
2.製品事故収集情報
◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆
(5月10日~ 5月23日 受63件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
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製品名 (事故状況と件数)
1. モバイルバッテリー ( 火災など 6件 )
2. 電気かみそり(充電式) ( 破損など 3件 )
2. 洗面化粧台 ( 破損など 3件 )
2. 窓(引き違い窓) ( 破損など 3件 )
2. 直流電源装置 ( 火災など 3件 )
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◇最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
■(事業者・自治体向け)事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
3.リコール情報
◆株式会社バンダイ(法人番号:5010501016209)
「玩具」2026年5月28日
【詳細】https://www.bandai.co.jp/info/important2026c1.pdf
オンライン受付フォーム(24時間)
https://bandai-customer.jp/2837338/entry.php
◆サーモス株式会社(法人番号:4110001015858)
「保温容器」2026年5月25日
【詳細】https://www.thermos.jp/info/detail/20260515132523.html
オンライン受付フォーム(24時間)
https://input-form7.jp/modules/thermos_gbm101/index.php
◆ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社(法人番号:5013201005431)
「卓上ポット」2026年3月11日
【詳細】https://www.disney.co.jp/store/news/information/if20260311_01
お問い合わせフォーム(24時間)
https://om-shopdisney.disney.co.jp/pages/contact.aspx
4.その他の製品安全情報
iNARTE PSエンジニア・テクニシャンの技術資格は、製品安全対策技術や製品安全規格の知見を有している事を認証する技術者資格です。
下記要領で資格試験を実施致します。
iNARTE PS(製品安全)資格試験
場所を問わず受験可能なオンライン試験の形態で実施します。
・開催日時:2026年8月28日(金)
・受付時間:8:30~9:00
・試験時間:4時間(試験サイトにアクセス後)又は 13:00まで
・試験会場:オンライン @(ご自宅 或いは 勤務先会議室 など)
・受験料 :18,700円(税込)
なお、合格された方は、別途認証料 14,300円が必要です。
・募集期間:2026年4月1日(水)~7月30日(木)
お申し込みは、KEC関西電子工業振興センターのウェブサイト
(資格試験) https://www.kec.jp/seminar/narte_ps26/からお申し込みください。
お問い合わせ
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
iNARTE Japan PS 分科会 事務局 石住 隆司
〒619-0237 京都府相楽郡精華町光台3丁目2番地2
TEL:0774-29-9041/E-mail:narte-safty01@kec.jp
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令和8年5月14日、NITEは「公共調達・重要インフラ向け蓄電池システムの安全ガイドライン」第1版を公表いたしました。
本ガイドラインは、地震や台風などの非常時・災害時においても、衝撃や浸水による発火・破裂などの二次災害を防止し、重要インフラの機能維持および早期復旧に資することを目的として、重要インフラ用蓄電池システムに求められる安全要件を取りまとめたものです。
蓄電池システムの調達をご検討されている皆様にぜひご活用いただけますと幸いです。
(プレスリリース)
https://www.nite.go.jp/gcet/nlab/information/prs260514_00001.html
(「公共調達・重要インフラ向け蓄電池システムの安全ガイドライン」公表ウェブサイト)
https://www.nite.go.jp/gcet/nlab/infra-guideline.html
【お問い合わせ先】
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 電気安全評価センター
E-mail:infra-guideline@nite.go.jp
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NITE は、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信しており、NITE のウェブサイトで、製品事故の調査結果、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを提供しています。その中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「NITE SAFE-Lite」というサービスを提供しています。
「NITE SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6 万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
「NITE SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
【NITE SAFE-Lite】
https://safe-lite.nite.go.jp/
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◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告
のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
06/05 13件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260605_01.pdf
06/02 13件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260602_01.pdf
05/29 27件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260529_01.pdf
05/26 28件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260526_01.pdf
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NITEでは、公式アカウントを開設しています。
Xでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいネをお待ちしております!
Xアカウント→@NITE_JP
編集後記
先月、大阪府内のバラ園を数か所巡ってきました。
まず中之島公園の中央にあるバラ園では、北浜のビル群と阪神高速1号環状線、大川、土佐堀川を入れて様々なアングルから色とりどりのバラの写真が撮れました。
続いて万博記念公園にある平和のバラ園では、ピンク色のかばさんや、太陽の塔、OSAKA WHEEL(観覧車)、さらに今月初めに同公園を去るミャクミャク像「ワクワク」を背景に入れて色鮮やかなバラの写真が撮れました。
さて、次はどこに行こうかな。
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図







