化学物質管理

CMC letter No.13(第13号)- [NITE化学物質管理センターからのお知らせ]

平成21年度リスクコミュニケーションの国内事例について

化学物質管理センター リスク管理課

1.事業者におけるリスクコミュニケーションの必要性と現状

化学物質に対する関心が高まる中で、行政、自治体、地域住民や消費・生活者などの化学物質のリスク等に関する相互理解(リスクコミュニケーション)がさらに重要になると考えられます。

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)」においても、事業者が化学物質の管理について国民の理解を深めるよう努めなければならないとされています。また、「指定化学物質等取扱事業者が講ずべき第一種指定化学物質等及び第二種指定化学物質等の管理に係る措置に関する指針(管理指針)」では、事業者は、化学物質の管理について適切に情報を提供するため体制を整備することや、報告書の作成や説明会を通じて国民の理解の増進を図ることとされています。

こうしたリスクコミュニケーションをサポートするため、当センターでは、平成16年度から、リスクコミュニケーションに関する調査を行い、得られた調査結果、国内事例等をウェブページで公開してきました。また、講師を派遣しての講演会の実施、分かりやすいパンフレットの作成・提供などを行っています。

しかしながら、平成21年度リスクコミュニケーション国内事例に関するアンケート結果では、リスクコミュニケーションを実施した事業所は、有効回答のうち17%であり、PRTR届出事業者全体から見た実施割合はまだまだ低いというのが現状です。

2.平成21年度リスクコミュニケーション国内事例調査について

平成20年度のリスクコミュニケーション国内事例については、試験的に一部の事業所に対して調査を行いましたが、平成21年度は、PRTR届出対象の製造業を中心とした9621事業所に対し、アンケート調査を行いました。各事業所が行っているリスクコミュニケーションについて、アンケート結果をもとに、実施内容を事業所ごとに表にまとめました。本事例紹介では、地域住民などの関係者に対し、化学物質管理を含む環境や安全に関する話題について、情報公開や対話を行った事例を掲載しています。

事業者の個々の詳しい活動については、各事業者のホームページ等で公表されていることもありますが、それらの活動内容を一か所に集約することで、リスクコミュニケーションの手引きとして利用しやすくなっています。また、ホームページや環境報告書で報告したなど、内容の公表方法についての記載があるので、より詳しく知りたい情報に関しては、そちらを参考にお探しいただくことができるようになっています。

3.リスクコミュニケーションを始めようと思っている事業者さんの参考として

リスクコミュニケーションを始めようと思っても、「何から始めればいいか分からない、他の事業所さんはどんなことをやっているの?」という事業者さんは多いと思います。そのスタートのための参考になればと思い、リスクコミュニケーションの国内事例を作りました。まずは事例集を参考に、自分の事業所に合ったスタイルを探し、まねをすることから始めてはいかがでしょうか。まずチャレンジすることが重要で、回を重ねるごとに徐々にその事業所のやり方を作っていければ良いのではないでしょうか。また、リスクコミュニケーションというと、会議形式で司会者がいて、というように堅苦しく考えがちですが、決してそんなことはなく、住民の方々の疑問や不安に答えられればどんな形でも良いんだということも付け加えておきたいと思います。

4.一歩進んだリスクコミュニケーションへ

化学物質の取り扱いや排出量について話をすることができるようになったら、今度は、その化学物質のリスクについて考えてみましょう。リスクを伝える場として、リスクコミュニケーションを考えるのであれば、提供すべき情報は以下のとおりです。

  1. ①対象とする化学物質や地域
  2. ②リスク評価に用いたデータや考え方
  3. ③その結果としてのリスクの大きさ・評価
  4. ④評価結果を用いたリスクの管理方法

当センターでは、化学物質の大気中濃度の把握や地域ごとのリスク評価を行うための補助的ツールとして、PRTRマップやリスク評価体験ツールを用意しています。

PRTRマップ
http://www.prtrmap.nite.go.jp/prtr/top.do
リスク評価体験ツール
http://www.safe.nite.go.jp/management/risk/taiken.html

客観的なデータを示すことは、住民の方々の疑問や不安を取り除くためには不可欠であり、リスクコミュニケーションを円滑に進めるために重要な役割を担っています。より良い信頼関係を築いていくために、リスク評価を用いたリスクコミュニケーションを行っていただければと思います。


平成21年度リスクコミュニケーション国内事例
http://www.safe.nite.go.jp/management/risk/kokunaijirei.html

ページトップへ

化審法の新規化学物質に関するよくあるご質問をまとめました。

事業者の皆様方から化審法の新規化学物質に関するお問い合わせのうち、よくあるご質問についてとりまとめ、ホームページに掲載いたしました。ご質問に対する回答をわかりやすく解説しておりますので、ぜひご活用ください。ご質問内容は、下記の4つです。

  1. 1.製造・輸入しようとする物質が化審法の既存化学物質等であるか、どのように調べたらよいのでしょうか。
  2. 2.試験研究のために新規化学物質を輸入する場合、届出は必要でしょうか。
  3. 3.不純物として含まれる新規化学物質について届出が必要でしょうか。
  4. 4.既存化学物質7-97の公示名称の「ポリオキシアルキレン」とはどのようなものですか。

http://www.safe.nite.go.jp/kasinn/kasinn_faq.html

ページトップへ

メールマガジン【NITE化学物質管理関連情報】配信登録受付中

メールマガジン【NITE化学物質管理関連情報】は、化学物質管理に関するサイトの新着情報、報道発表情報等を無料で配信するサービスです。政府、独立行政法人等の公的機関等のホームページから発信された情報をリンクとともに掲載しております。原則として毎週水曜日にお届けします。ぜひご登録ください。

http://www.safe.nite.go.jp/mailmagazine/chemmail_01.html

ページトップへ

最近の当センターホームページからの主な情報提供

2011/2/24
化学物質排出把握管理促進法に基づき平成21~16年度のPRTRデータが公表されました。集計結果及び個別事業所データがご覧いただけます。
2011/2/23
「平成20年度PRTR届出データの過年度との比較報告書」を公開しました。
2011/2/8
1月6日に公開いたしましたPRTR届出作成支援プログラム(届出書/ファイル作成支援プログラムの化管法政省令改正対応版)の「二次元コードの生成について」の仕様について、重要な仕様変更が発生しましたので、ダウンロードファイルを更新しました。
2011/1/11
「化審法に基づく新規化学物質の届出等に係る資料の作成・提出等について」の内容が、平成23年1月11日付けで改訂されました。(平成23年4月届出分以降が対象となります。)
2010/12/20
化審法の新規化学物質に関するよくある質問と回答(FAQ)を掲載しました。
2010/12/14
「構造活性相関委員会(NITE内委員会)」で作成された「カテゴリーアプローチによる生物濃縮性予測に関する報告書[水素結合アクセプターによる双極子-双極子相互作用が受動拡散に影響を与える物質群]」を公表しました。
2010/12/ 1
「化審法に基づく官報公示整理番号とCAS番号との照合に当たっての情報提供依頼」の結果を公表しました。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター
TEL:03-3481-1977  FAX:03-3481-2900
住所:〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10 地図
お問い合わせフォームへ