製品安全

製品安全情報マガジン Vol.508 9月8日号「地震発生時や復旧時の製品事故」

Vol.508 9月8日号 「地震発生時や復旧時の製品事故」 【PDF:1,446KB】

 平成23年に発生した東日本大震災(※1)以降も、平成28年熊本地震、平成30年北海道胆振東部地震、令和6年能登半島地震、そして8月に発生した令和8年熊本地震など、大規模な地震が発生しています。過去の震災では、地震そのものによる被害だけでなく、電気製品やガス機器などが原因となる製品事故も発生しており注意する必要があります。
 そこで今回は、地震発生時や復旧時の製品事故を防ぐためのポイントをご紹介します。

※1 政府が閣議了解で定めた災害の公式名称になります。気象庁による正式名称は、「平成23年東北地方太平洋沖地震」です。

ページトップへ

項目一覧

1.地震発生時や復旧時の製品事故
2.製品事故収集情報(8月9日~ 8月22日 受付81件)
3.リコール情報 0件(新規の情報はありません)
4.その他の製品安全情報
・2026年度 製品安全基本教育講座のご案内
・経済産業省「PSアワード2026・+あんしん」応募説明会・個別相談のご案内
・「海外リコール・注意喚起情報」のご案内
・「NITE SAFE-Lite」のご案内
・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
・NITE公式X アカウントのご案内

ページトップへ

1.地震発生時や復旧時の製品事故

 震災時の製品事故は、主に「地震発生直後」と「復旧時」に発生します。自然災害の発生時には、揺れや浸水による直接的な被害に加え、その後の通電やガスの復旧に伴う「二次被害」が重大な懸念となります。
 電気の復旧では、損傷や浸水した配線器具や電気製品による通電火災、ガスの復旧では、損傷や変形が生じたガス供給器具からのガス漏れ・引火などによる重大な事故につながるおそれがあります。
 自然災害は突然襲ってきます。災害時には、まず身の安全を最優先に行動することが重要ですが、製品事故による二次被害を防ぐために、日頃から地震発生時や復旧時の注意点を確認し、災害に備えましょう。
 
◆地震発生時に気を付けるポイント(※身の安全を最優先に)
 地震発生後の二次被害に伴う製品事故を防ぐために気を付けていただきたいポイントです。
〇揺れが収まったら、ガス機器の火を消す
 自宅から避難する際に余裕があればガスの元栓を閉める
 ガス機器については、震度5程度以上の揺れを感知するとガスメーター(マイコンメーター)が自動的にガスの供給を遮断します。しかし、もし使用していたガスこんろなどの火が付いている場合は、やけどしないよう慌てず火を消しましょう。また、自宅から避難する際に余裕があれば、ガスの元栓を閉めましょう。



 なお、ガスのにおいがしたら、引火するおそれがあるため、火を付けたり換気扇や電気のスイッチなどに触れたりすることは絶対に避け、窓や戸を開けて換気してください。
 地震時に慌てず素早く対応できるように、普段から分電盤やガスの元栓がどこにあるのか、どのように操作するのかを確認しておくことが大切です。
 
〇揺れが収まったら、電気製品の電源を切り、電源プラグをコンセントから抜く
 ブレーカーを切る(OFFにする)
 電気製品の意図しない作動や復旧時の通電火災などを防ぐため、その場の状況に応じて、できる範囲で以下の対応を行いましょう。

1.使用している電気製品(特に、ヒーターを内蔵した電気こんろや電気ストーブなどの電熱器具)のスイッチを切って、電源プラグをコンセントから抜く。
2.懐中電灯などで明かりを確保した上で分電盤のブレーカーを切る。
 
 特に、自宅から避難する際には、分電盤のブレーカーは切るようにしましょう。
 製品が転倒/転落した衝撃や落下物との接触などによって意図せず電源が入ったり、停電から復旧したりする際、電熱器具などに可燃物が接触した状態で通電してしまうと火災につながるおそれがあります。


 
 また、製品本体や電源プラグ、電源コードが震災により損傷している場合、故障した製品に通電された際に火災になる可能性もあります。

 避難時に停電や製品の損傷などがなかったとしても、その後の余震で同様の状況になる可能性もあるので注意しましょう。
 
◆復旧時に気を付けるポイント
 地震後に電気製品やガス機器の使用を再開する際の製品事故を防止するために気を付けていただきたいポイントです。地震による損傷や浸水の有無を十分に確認し、安全を確保した上で使用を再開してください。
〇ブレーカーが切れていることを確認する
 通電火災を防ぐため、停電復旧前に分電盤のブレーカーが切れていることを確認しましょう。もし、地震発生時に家に居なかった、避難時に余裕がなかったなどで、分電盤のブレーカーを切っていなかった場合、帰宅時にまずブレーカーを切るとともに、機器の電源プラグをコンセントから抜きましょう。
 
〇製品が損傷したり水没したりしていないか、動作に異常がないかを慎重に確認する
 震やそれに伴う津波によって、損傷・浸水した電気製品やガス・石油機器は、そのまま使用しないでください。内部に水が残っていたり、水に混ざった泥や塩分などの異物が内部に浸入して付着したりすると、使用再開時に火災や不完全燃焼を引き起こすおそれがあります。メーカーや販売店に相談し、点検や修理などを受けるようにしましょう。



 浸水を免れた製品を使う際は、機器などの外観に異常がないか(電源プラグやコードに損傷はないか、製品に焦げた痕はないか、落下して破損していないか、など)を確認しましょう。
 外観に異常がなければ、分電盤のブレーカーを入れ、機器の電源プラグを1台ずつコンセントに差し、様子を確認しながら使用しましょう。
 もし、エラー表示が出る場合は、取扱説明書でエラーの内容を確認し、メーカーや販売店に連絡するなどの対応をしましょう。決してエラー表示を無視して使い続けないようにしましょう。
 
◆日頃から気を付けるポイント
 災害時に製品事故の発生リスクを高めるおそれがあることから、日頃から気を付けていただきたいポイントです。平常時から適切な点検・管理を行い、安全な使用環境を維持しましょう。
〇電源プラグ及び電源タップはこまめに掃除し、水分がかからないようにする
 電源プラグが十分に差し込まれておらず、コンセントや電源タップとの間に隙間がある状態で使用を続けると、隙間にたまったほこりに水分が付着したり、内部に水分が浸入したりして、ショートやトラッキング現象が生じるおそれがあります。
 
〇電源プラグが変形していないか確認する
 電源プラグが変形した状態で使用すると、コンセントの刃受金具と正常に接触せず、異常発熱や発火に至るおそれがあります。
 
〇電源コードを引っ張る、机や椅子の脚で踏むなど、無理な力が加わった形跡がないか確認する
 外部から電源コードに無理な力が加わる使い方をすると、電源コードの芯線が断線して、異常発熱や発火に至るおそれがあります。机や椅子の脚などでコードを踏みつけたり、足に引っ掛けたりしないよう、配線は設置状況に注意し、電源プラグは電源コードではなくプラグ本体を持って抜き差ししましょう。



〇ガスコードのソケットは、ゴミなどが付着していないことを確認し、カチッという音がするまでしっかりと差し込んだ上で簡単に外れないことを確認する
 接続する前にソケットやプラグにゴミなどが付着していないかを確認しましょう。ゴミなどをかみ込むとガス漏れ、火災の原因となるおそれがあるため、使用前には必ず確認しましょう。ソケットは、カチッと音がするのを確認するとともにゴム管を軽く引っ張るなどして外れないことを確認しましょう。


 
〇ガス栓を開けるときは、ガス栓からガス機器までしっかりと接続されていることを確認する



 誤開放を防ぐために、未使用栓のつまみにはガス栓カバーや誤操作防止キャップを取り付けましょう。また未使用栓の出口には必ずガス栓キャップ(※2)をかぶせましょう。
(ガス栓カバーや誤操作防止キャップの入手については、契約しているガス事業者に問い合わせましょう。)
※2 (注意)ガス栓キャップは、ガス栓口に傷が付いたり異物が付いたりするのを防ぐためのものです。ガス漏れを防ぐものではありません。
 
製品一般の共通事項です
〇「家具を固定する」「暖房器具の周囲に可燃物を置かない」「感震ブレーカーを取り付ける」など、地震発生時に製品事故が発生しないよう備える
 地震が発生した時に棚などから物が落下したり、棚そのものが倒れたりするおそれがあるため、家具はできるだけ壁に固定しましょう。あわせて、電気ストーブなどの暖房器具を使用する際は、周囲の棚や衣類などから離して設置するようにしましょう。地震時に物が飛散した場合、万一そばに火元があると、可燃物が接触して火災につながるおそれがあります。日頃から、電気製品を使用しないときは、電源プラグをコンセントから抜いておくように心掛けることも大切です。
 また、電気製品の周囲には、花瓶や水槽などの水気のあるものは置かないように注意しましょう。地震が起きたとき、水がこぼれて電気製品の内部に浸入し、ショートして発火するおそれがあります。
 
(参考)感震ブレーカー
 近年の大規模地震発生時には電気に起因する火災が多く発生しています。地震発生時に外出していたり、避難時にブレーカーを切る余裕がなかったりする場合でも、震度5強相当の揺れを感知すると自動でブレーカーを切る機能を持った「感震ブレーカー」という機器があります。こういった機器を設置しておくことも事故を防ぐ有効な手段になります。
 


 ご自宅に設置された分電盤などが感震ブレーカーかどうかの目安として、機能を有する機器には「感震ブレーカー」、「感震機能」、「感震センサー」などの表記があります。表記が見当たらず感震ブレーカーなのか不明な場合は、機器の型番を検索したり、メーカーに問い合わせたりするなどして確認しましょう。





 
■NITEでは、8月27日に注意喚起として『事例から学ぶ、地震後の電気・ガスによる二次被害~通電火災・ガス事故を防ぐチェックポイント~』をプレスリリースしています。
 今回ご紹介した注意するポイントで、基となった事故の分析結果や事故事例、注意喚起の対象とした配線器具やガス機器、ガス栓についての情報を紹介しています。併せてぜひご覧ください。
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2026fy/prs260827.html
新作動画:その他「9.地震後の通電火災に注意」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2026082701.html

ページトップへ

2.製品事故収集情報

◆◆◇     消費生活用製品の事故情報収集状況     ◇◆◆
         (8月9日~ 8月22日 受付81件)
     NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。



◇最新事故情報(これまでの事故情報もご確認いただけます)
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
 
(事業者・自治体向け)事故情報の提供をお願いいたします。
 事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html

 

ページトップへ

3.リコール情報

 (新規の情報はありません)

ページトップへ

4.その他の製品安全情報

◆◆◇  2026年度 製品安全基本教育講座のご案内  ◇◆◆
       - 製品安全の基本を学ぶ -
    (第2回)「事故事例とリスクアセスメント」
 
開催日 2026/10/09(金曜日)
開催時間 13:00~17:00
参加費 KEC会員:8,800円/非会員:12,650円
会場 オンライン開催(Zoomウェビナー)
申込締切日 2026/09/09(水曜日)
詳細 https://www.kec.jp/img/committee/2026/anzen26.pdf
問い合わせ先 一般社団法人 KEC関西電子工業振興センター
 
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
◆◆◇ 経済産業省「PSアワード2026・+あんしん」
    応募説明会・個別相談のご案内 ◇◆◆
 
 経済産業省では、誤使用や不注意による製品事故のリスク低減に資する機能・工夫を備えた製品を評価する「+(プラス)あんしん」制度を実施しています。
 自社の取組を社会に発信し、企業価値や信頼性の向上に繋がるものと考えられますので、応募説明会にぜひご参加ください。
 
(応募説明会)
日時:2026年10月5日(月)14:00~15:30
対象:次年度の「+あんしん(製品部門)」に応募をご検討の企業・団体
開催方法:
・会場参加:経済産業省別館7階 共創空間「ベツナナ」
・オンライン参加:Zoomウェビナー
 
プログラム(予定)
 1.制度説明
 2.審査概要・事務手続き・受賞事例の紹介
 3.リスクアセスメント講座
 4.質疑応答
※プログラムは変更となる場合があります。
※お申込みは、下記の申込フォームよりお願いいたします。
 
【申込フォーム】
 https://area18.smp.ne.jp/area/is?SMPFORM=ogle-mdlatd-dc3b3b8667948f25230d8f11aab1d9ed
 
皆さまのご参加をお待ちしております。
 
(個別相談のご案内)
 次年度の応募(受付期間:2027年4月12日(月)~6月25日(金)予定)に向けて、応募要件の確認や応募書類の記載方法など、事前準備の段階からご相談いただけますので、個別相談をぜひご活用ください。
 
(関連リンク)
PSアワード
・個別相談フォーム
 https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/5-other/toiawase.html

・応募手続き・関連資料
 https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/2-entry/p1.html
 
+あんしん
・個別相談フォーム
 https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/risksystem/contact.html
 
・応募手続き・関連資料
 https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/risksystem/flow.html
 
【お問い合わせ先】
株式会社 NTTデータ経営研究所
「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2026・+あんしん)」応募説明会事務局
E-mail:ps-award@nttdata-strategy.com
電話:03-6261-4629(輿石(こしいし)・石上)
 
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
◆◆◇ 「海外リコール・注意喚起情報」のご案内 ◇◆◆
 
 身の回りの製品は、いまやインターネットを通じて世界中から手に入る時代となりました。その中には、海外でリコールや注意喚起をされている製品が含まれているかもしれません。
 海外政府機関が、リコールなどの情報を検索できるウェブサイトを公開しておりますので、輸入を検討される前にご確認いただきたく、ご紹介いたします。
 
・米国消費者製品安全委員会(CPSC:U.S. Consumer Product Safety Commission)
 https://www.cpsc.gov/Recalls
・カナダ保健省(Health Canada)
 https://recalls-rappels.canada.ca/en
・オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC:Australian Competition & Consumer Commission)
 https://www.productsafety.gov.au/recalls
・英国製品安全基準局(OPSS:Office for Product Safety and Standards)
 https://www.gov.uk/product-safety-alerts-reports-recalls
・欧州委員会(EC:European Commission)
 https://ec.europa.eu/safety-gate-alerts/
・経済協力開発機構(OECD:Organisation for Economic Co-operation and Development)
 https://globalrecalls.oecd.org/#/?lang=ja
 
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
◆◆◇  「NITE SAFE-Lite」のご案内 ◇◆◆
 
 NITE は、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信しており、NITE のウェブサイトで、製品事故の調査結果、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを提供しています。その中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「NITE SAFE-Lite」というサービスを提供しています。
 
 「NITE SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、7 万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
 
 「NITE SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
 
【NITE SAFE-Lite】
 https://safe-lite.nite.go.jp/
 
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
       ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
 
                                    消費者庁
 
  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告
  のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

09/04 24件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260904_01.pdf
09/01 19件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260901_01.pdf
08/28   17件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260828_01.pdf
08/25 08件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260825_01.pdf
 
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
◆◆◇ NITE公式Xアカウントのご案内 ◇◆◆
 
 NITEでは、公式アカウントを開設しています。
 Xでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいネをお待ちしております!
 
 Xアカウント→@NITE_JP

ページトップへ

編集後記

 今年は8月30日(日)から9月5日(土)までの1週間が「防災週間」でしたね。元をたどれば、大正12年9月1日に発生した関東大震災(※3)、昭和34年9月に来襲した伊勢湾台風(昭和34年台風第15号)をきっかけとして、9月1日が「防災の日」として制定をされました。その後、昭和57年の閣議了解に基づき、9月1日を含む1週間が「防災週間」となり、翌年の昭和58年からこの週にさまざまな防災活動が行われています。皆様のまわりで、先週様々な防災意識向上の取り組みがあったかと思いますが、実はこのような経緯だったのですね。
 おりしも8月の熊本県と千葉県での甚大な災害を目の当たりにして、避難袋だけは最低限準備しなければ!とあらためて思いました。今号の情報が、皆様にとってお役に立てれば幸いです。
※3 気象庁による正式名称は、「大正関東地震」です。
 https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/1923_09_01_kantoujishin/gaiyo.html

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図