製品安全

事故情報特記ニュースNo.17

1998.2.10

株式会社日進製の循環式風呂湯沸器の事故に係る注意喚起について

通商産業省は、(株)日進製の循環式風呂湯沸器による発火事故の未然・再発防止を図るために、平成10年2月9日(月)に以下を公表し、使用者への注意喚起を呼び掛けました。

1.概要

北海道消費者センター(平成9年4月14日)及び札幌市消防局(同年4月24日)から、当省製品評価技術センター北海道出張所へ、株式会社日進が製造・販売した循環式風呂湯沸器の発火事故についての情報が計2件報告された。

当該事故案件について、製品評価技術センター北海道出張所で事故情報処理テストを実施した結果、寒冷地で使用する場合、回路設計及び制御リレー接点の耐久性に問題があり、事故の再発の可能性があると判断された。当該製品は、全国で推定約8000台が販売されており、その内約4000台が問題箇所の補修及び部品交換を行い改善されている。残り約4000台については現在も問題箇所の改善なしに一般消費者に使用されていると思われる。

株式会社日進は倒産しており、社告等による対応が不可能であると考えられることから、当省としては、事故の未然・再発防止を図るため、問題箇所の改善なしに当該製品を使用している者に対し、直ちに使用を中止するとともに、今後の使用に当たっては問題箇所の改善を図る必要がある旨の注意喚起を行うこととした。

(対象製品)
製品名 循環式風呂湯沸器(いわゆる24時間風呂)
商品名及び型式 ゆ仙人 NB3003(別図参照)
製造事業者 株式会社 日進
福島県須賀川市大字森宿字道久1ー1
製造期間 平成3年12月から平成6年6月と思われる。
対象台数 約4000台
発火事故の件数 2件

(当該製品の問題点)

当該製品の加温用の電熱ヒータ制御リレー接点については、寒冷地の冬季では常に接点が作動するにもかかわらず、そのための配慮がされておらず、寒冷地で1年程度使用した場合には、リレー接点のロッキング※が生じて連続通電状態となる可能性がある。その場合、上部筒が加熱され溶融、発火に至るものもあると考えられる。
(浴水が加温され続ければ安全装置である温度過昇防止装置が作動し、同時に循環ポンプも停止するが、リレー接点がロッキングした場合には電熱ヒータは通電を停止することができない回路設計となっている。)

(注)** ロッキング:
接点の消耗、転移に伴う変形により、相対する接触面が機械的にかみ合って解離困難となる現象。

別図

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2.当該循環式風呂湯沸器に関する事故の概要

  • 1 平成9年3月27日 店舗併用住宅の二階の浴室内で使用中の事故品が焼 損し、浴室内も焼損した。

    (情報提供者:札幌市消防局)

  • 2 平成9年4月 2日 共同住宅一階の浴室内で使用中の事故品から出火し、 浴槽の一部が燃えた。

    (情報提供者:北海道消費者センター)

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3.注意喚起事項

株式会社日進は倒産しており、社告等による対応が不可能であると考えられることから、当該製品の使用者は以下の対応を行うべきである。

  1. (1)株式会社日進製の循環式風呂湯沸器「ゆ仙人(型式:NB3003)」については、問題箇所の部品交換等を行っていない場合、使用中ヒーターから発煙・発火の可能性があり最悪の場合火災のおそれがあることから、その使用を直ちに中止すること。
  2. (2)今後の継続使用に当たっては、電気製品専門の修理事業者による接点等の改善を行うこと。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図