化学物質管理

界面活性剤の環境リスク評価を精緻化する1-オクタノール/水分配係数(Pow)測定ガイダンスを公開

公表日

令和8年10月8日

本件の概要

報道発表内容

発表日:
令和8年10月8日

タイトル:
界面活性剤の環境リスク評価を精緻化する1-オクタノール/水分配係数(POW)測定ガイダンスを公開
~洗剤や塗料などに使われる界面活性剤の環境中での分布をより正確に評価可能に~

発表者名:
独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター

資料の概要:
 独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、界面活性剤*1の1-オクタノール/水分配係数(POW)*2について、低速かくはん法(OECD TG 123)*3に基づき測定条件を最適化することで、これまで困難とされていた信頼性の高い測定を実現し、推奨測定手順を整備しました。その結果、アニオン、カチオン、両性、非イオンといった多様な界面活性剤に対し、信頼性および再現性の高いPOW測定を可能とする手法を提案し、その成果を測定ガイダンス「低速かくはん法による界面活性剤の1-オクタノール/水分配係数」として公開しました。
 界面活性剤は洗剤や化粧品、塗料やインクなど日常生活の幅広い製品に利用されていますが、その環境リスクを評価するためには、環境中での分布や生物への蓄積を適切に評価することが不可欠です。POWは、化学物質が環境や生物体内でどのように分布・蓄積されるか、また、生物に影響を及ぼす可能性があるか評価する上で、重要な指標の一つです。
 一方で、界面活性剤は、水と油の両方になじみ、双方を混ざりやすくする性質があるため、水と油のどちらに溶けやすいかを示すPOWの信頼性の高い測定は、通常の化学物質よりも難しいという課題がありました。
 本測定ガイダンスでは、界面活性剤のPOWを信頼性および再現性高く測定するための手順や留意点に加え、実測データや適用事例など、実際の測定現場で活用できる情報を体系的に整理しています。また、現場での実施をサポートする測定マニュアルも別添資料として公開しました。本測定ガイダンスにより、界面活性剤の環境リスク評価の精緻化が期待されます。また、その評価結果を活用することで、環境負荷のより低い界面活性剤の選定や開発につながることが期待されます。

*1 界面活性剤
水になじみやすい親水基と油になじみやすい親油基を持ち、水と油のように本来は混ざりにくいものも、なじませて混ざりやすくする性質を持つ化学物質。汚れを落とす働きや液体を均一にしてその状態を保つ働きがあるため、洗剤や化粧品など身の回りのさまざまな製品に使用されている。
*2 POW
1-オクタノール/水分配係数。化学物質が「1-オクタノール(油)」と「水」のどちらに溶けやすいかを数値で示す指標。
*3 低速かくはん法
1-オクタノールと水をゆっくりとかき混ぜ、POWを測定する方法。経済協力開発機構(OECD)が定めるPOW測定の標準的・国際的な試験法の一つ。一般に界面活性剤には適用が困難とされているが、先行研究では本手法の適用可能性が提案されている。

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発表資料

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