化学物質管理

界面活性剤の「1-オクタノール/水分配係数」測定ガイダンス・測定マニュアル

NITEでは、従来、信頼性の高い測定が困難とされていた界面活性作用を有する化学物質(界面活性剤)の1-オクタノール/水分配係数(POW)について、信頼性の高い測定法を取りまとめた「測定ガイダンス」及び「測定マニュアル」を策定しました。本測定ガイダンス及び測定マニュアルでは、多様な界面活性剤に対して信頼性および再現性の高いPOWを測定するための推奨手順や留意事項を整理しており、研究・試験・実務など幅広い分野でご活用いただけます。

背景

界面活性剤は、洗剤や化粧品、塗料やインクなど日常生活の幅広い用途に利用されていますが、環境中での分布や生物への蓄積といったリスク評価を的確に行うためには、POWの正確なデータが不可欠です。しかし、界面活性剤はミセルやエマルションを形成する特性を有するため、一般的な測定法では信頼性の高いPOWの測定が困難です。このため、界面活性剤に適した測定法の確立が求められていました。

ページトップへ

NITEの取組

NITEでは、界面活性剤に適用可能なPOW測定法が国際的に整備されていない状況を踏まえ、従来は「高疎水性物質のPOW測定用」として開発されたOECDテストガイドライン123(低速かくはん法)に着目し、界面活性剤のPOWを信頼性高く測定する手法を提案するとともに、ガイダンスにまとめました。本測定ガイダンスでは、低速かくはん法による界面活性剤のPOWの測定手法を解説し、併せて推奨される測定手順を記載しております。また、実際の測定現場での利用を想定し、測定手順を簡潔に整理した「測定マニュアル」を別添資料として提供しています。内容の信頼性を確保するため、本測定ガイダンス及び測定マニュアルの作成に際しては、検討過程で得られた成果を学術誌*などで公表するとともに、外部専門家によるレビューを実施しました。
 
*本研究で得られた測定条件や科学的根拠の詳細は、論文「低速撹拌法を用いる界面活性剤の1-オクタノール/水分配係数測定」として、日本分析化学会誌(74巻・10.11号・p.687-694・2025年)に掲載されています。
https://doi.org/10.2116/bunsekikagaku.74.687

ページトップへ

活用と期待される効果

本測定ガイダンス及び測定マニュアルの活用により、これまで測定が困難であった界面活性剤についても、信頼性の高いPOWデータの取得が可能となります。これにより、界面活性剤の環境リスク評価の精緻化が期待されます。また、その評価結果を活用することで、環境負荷のより低い界面活性剤の選定や開発と、より適切な化学物質管理の推進に大きく貢献することが期待されます。

NITE調査研究「低速かくはん法による界面活性剤の1-オクタノール/水分配係数測定」報告書


・測定ガイダンス(本文)
低速かくはん法による界面活性剤のPOW測定について、測定手順や留意点に加え、手法開発の背景、検討過程、適用事例、予測値との比較、再現性評価、測定結果の妥当性判断に活用できる具体例、他機関や他手法(HPLC法、溶解度比法)との比較・検証結果などを取りまとめています。

・測定マニュアル(別添)
実際の測定現場での利用を想定し、測定手順を中心に8ページに整理した実務向け資料です。OECD TG 107、117、123および対応するJIS規格(JIS Z 7260-107、JIS Z 7260-117)を参考に作成し、試験手順や評価方法に加え、項目構成や記載内容も国際規格との整合性を考慮しています。

PDFファイルをご覧いただくためには、Adobe Reader(無償)が必要です。Adobe ReaderはダウンロードページGet ADOBE READERよりダウンロードできます。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター  リスク評価課

住所:〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10 地図
お問い合わせフォームへ