化学物質管理

CMC letter No.2(第2号) - [特集・2]企業や自治体などの取り組み

連載第1回

化学物質管理を効果的に行うには、市民、企業、行政などさまざまな主体の協働が不可欠です。そこで、情報の共有化を推進し、併せて、皆様の連携のきっかけや事業の参考となるよう、それぞれの立場での化学物質管理の取り組みをご紹介させていただくことにしました。

本特集は継続して連載してまいりますので、皆様のご参加をお待ち申し上げております。

コニカミノルタ

コニカミノルタグループの化学物質管理

PRTR対象物質の大気放出量 近年、PRTR 制度の定着と自主管理の普及に伴い、有害化学物質の削減では、各企業とも積極的な取り組みが見られます。コニカミノルタも、「化学物質総合安全管理計画」に基づいて、化学物質のリスク低減に取り組んでいます。特に大気放出量の削減に注力しており、着実な成果を出しています(右図:PRTR対象物質の大気放出量 参照)。

また同計画では、PRTR 対象外の物質も含んだVOC(揮発性有機化合物)について、リスクに着目した削減を進めています。有害性と使用量からリスクが高いと判断される物質を優先的に削減し、2005年度は、VOC の大気総排出リスクを、2000年度比で72%削減することができました。

また、これら優先削減物質への取り組み、VOC大気排出総量削減については海外でも同じ基準で展開しています。例えば、中国大連工場では2006年度塩素系溶剤の使用全廃を目標に取り組んでいます。

一方、CSR(企業の社会的責任)が重要視される中、コンプライアンスにも注目が集まっています。コニカミノルタも、化学物質管理の基礎は法遵守であることに立ち返り、サプライチェーンの中で得た情報をもとに、材料製造~加工・組立て~販売の各段階で法規制が守られているか確認することが重要と考えています。つまり、グリーン調達調査を化学物質管理の起点と位置づけています。

製品の原材料や部品にさかのぼった調査では、RoHSをはじめとする各種遵法確認のための「禁止物質非含有調査」と、製品の環境負荷を推定するための「含有物質調査」を行っています。これらの調査情報は、システムを使ってグループ全体で共有化しています。

これに加え、工場で使用する化学物質については、企画・開発段階において事前評価を行い、使用する国にかかわらず、遵法対応・作業場安全・製品安全等について確認したうえで使用するようにしています。また、接着剤や、サービスマンが使用する副資材についても、原材料と同様の調査を行い、遵法対応・作業場安全・グリーン調達対応について、コニカミノルタの基準を満たしたものを推奨副資材として標準化することを進めています。

NITE 化学物質管理センターへの期待

化学物質のリスクに関する調査、検討においては、化学物質総合検索システムを大変便利に利用させて頂いています。今後、G H S 分類結果データベースあるいはIUCLID へのリンクの拡大により、より多くの方々に利用されるものと思います。規制の枠組みがグローバルな拡がりを見せている中で、国内企業が安心して利用できるデータベースとなることを期待しています。

製品のサイクルとコニカミノルタの化学物質管理

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神奈川県

神奈川県では、環境政策を推進する上での基本的な計画となる環境基本計画において、PRTR データ等を活用した化学物質による地域の環境リスク低減方策の確立を目指すこととしました。平成9年には、「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」に化学物質対策を導入し、事業者の取り組みを支援するための化学物質の適正管理に関する指針を制定するとともに、16 年には、事業者による排出量の削減計画の策定と県への報告、取扱化学物質に対する「安全性影響度」の評価の実施などを盛り込みました。ここでは、条例に盛り込まれている事業者の自主的な取り組みを中心に、神奈川県における化学物質対策の取り組みの概要について述べます。

(神奈川県環境農政部大気水質課)

本県の取り組み

1.化学物質の適正管理

県では、平成9年及び平成16年条例改正で指針を定め、化学物質を取り扱う全ての事業所に対して、事業内容、形態、規模等に応じた管理体制の整備、情報の収集・整理、受入れ・保管・使用・排出・廃棄の量及び方法の把握、事業所の特性に応じた適正管理等を求めています。

指定事業所については、化学物質取扱施設の設置時や改修時を捉えて化学物質の「安全性影響度」をもとにした低減対策の立案を求めるとともに、化学物質の環境への負荷の低減に配慮した内容を記載した「環境配慮書」の提出を求めています。

また、PRTR 法の届出対象事業者に対しては、化学物質の安全性影響度の評価結果をもとに、優先的に低減対策等を講ずべき物質について、同法に基づく届出時に管理目標(排出量の削減計画)とその達成状況も併せて県に報告することとし、県はこの報告をとりまとめて公表しています。管理目標は、事業者が自主的に設定し、事業所の取り組み状況については県民への情報提供に努めることとしています。

2.リスコミ・情報提供

事業所が行うリスクコミュニケーションを促進するため、平成15年度からは、地元住民に対し「地域対話集会」を開催しています。こうした事業者による化学物質の削減の効果を把握するため、化学物質の排出量や有害性に応じた12物質について平成18年度から県内15地点で大気モニタリングを行っています。あわせて、県民の理解促進のため県の主催によるセミナーで、PRTRデータや事業所の取り組みを紹介するほか、化学物質について事業者や県民の理解を促進するため、PRTRデータ等をわかりやすくまとめたパンフレットを作成し配布しています。

今後も、事業者、県民と一体になって、県内の化学物質による環境リスクの低減に取り組んでまいりたいと考えています。

工程ごと、物質ごとに〔取扱量×排出係数×毒性係数〕を算出しその総和から安全性影響度を算出する。

神奈川県における化学物質の適正な管理の体系

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