バイオテクノロジー

ジェマティモナス属細菌
(Gemmatimonas aurantiaca T-27T (= NBRC 100505T))

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Gemmatimonas aurantiaca T-27Tはリンを除去するための好気・嫌気交互処理システム中の活性汚泥から単離された微生物です。単離された際の16S rRNA配列解析により、この微生物が既存のどの分類群にも属さず、存在が予見されていたが実証のなかった新しい分類群に属することが明らかになりました。この微生物の単離報告を元に、門レベルでの新しい分類群‘ジェマティモナデテス’門が提唱され、承認されました。これは日本から初めての新門の提唱例となりました。ジェマティモナデテス門に属する微生物は土壌やカイメン等の環境サンプルからはしばしば検出されますが、実際の単離例は極めて少なく、そのため、この門に属する微生物の生理学的な諸性質や代謝能はほとんど明らかになっていません。

NITEではG. aurantiaca T-27Tのゲノム解析を行い、1本の環状染色体を持つことを明らかにしました。G. aurantiaca T-27Tのゲノム配列から遺伝子を推定し代謝系の再構築を行った結果、本菌が好気環境・嫌気環境の両方で生育できる遺伝子を備えていることが分かりました。また、多様なシグナル伝達関連因子やシグマ因子、輸送体等を持つことも推定されています。ゲノム解析によって本菌の持つ性状の一端が明らかとなったことにより、生活環の解明が進み、ひいてはまだ単離されていないジェマティモナデテス門微生物の発見・単離につながることが期待されます。


Gemmatimonas aurantiaca 電子顕微鏡写真
花田氏(産業技術総合研究所)提供

ジェマティモナス属細菌 Gemmatimonas aurantiaca T-27T (= NBRC 100505T))
ゲノムサイズth 4,636,964塩基対(約4.64M bp)
ORF(推定遺伝子領域) 3,935箇所
GC含量 64.3%
データベース DOGAN
NBRC番号 100505
代表共同研究先: 独立行政法人産業技術総合研究所

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