国際評価技術

NLAB施設概要

世界最大規模大型蓄電池システム試験評価施設パンフレット表紙画像

世界最大規模の多目的大型実験棟でご利用が想定される試験評価、機能別実験棟に設置されている試験装置を紹介しています。

世界最大規模大型蓄電池システム試験評価施設パンフレット【PDF:2.31MB】
  • 多目的大型実験棟(NLAB Large Chamber)
    耐類焼試験/水没・浸漬試験/消火装置の性能試験
  • 機能別実験棟(NLAB Testing Facilities)
    地震波再現試験/国連輸送振動試験/充放電試験/外部短絡試験/破壊試験/落下試験
  • 試験用電源装置(NLAB Power Unit)

多目的大型実験棟(NLAB Large Chamber)

 多目的大型実験棟(NLAB Large Chamber)は大型蓄電池システムの試験評価施設として世界最大規模の試験空間を備えている世界初の恒温型試験室です。多様な大型蓄電池システムの試験ニーズに対応するため巨大な試験空間を有しており、年間を通じて一定条件(※1)での試験評価が可能です。

 リチウムイオン蓄電池の試験時に発生する燃焼・爆発・有害ガスに対しても十分な耐火・耐爆性能と排煙処理能力を有し、安全に大型蓄電池システムの試験評価を実施して頂けます。

  • 性能概要
  • ・内寸:30[m]×18[m]×16[m]
  • ・壁面厚さ:コンクリート部1.2[m]、鋼板部8[mm]
  • ・温度制御:25℃(調節精度±5℃)
  • ・リチウムイオン蓄電池等の発火・燃焼・爆発の可能性を伴う試験が実施可能
  • ・試験室内で、リチウムイオン蓄電池の発火・燃焼時に発生した有害ガスを、隣接する排煙処理設備により無害化して空気中に排出します

※1 屋内型の試験施設であるため、試験が天候に左右されずに実施可能です。また空調制御を兼ねた可変速の排煙処理設備により、試験室内の温度制御を一定に保つことが可能です。

 

多目的大型実験棟(Large Chamber)
多目的大型実験棟(左)、および排煙処理設備(右)

 

多目的大型実験棟の内部
実験棟の内部:広い試験空間により恒温条件で様々な試験に対応可能いたします。

先端技術評価実験棟(NLAB MIDDLE Chamber)

 先端技術評価実験棟(NLAB MIDDLE Chamber)は世界的に蓄電池に対する需要が拡大する中で、全固体電池等の次世代蓄電池の試験を含め、今後とも増大する蓄電池の試験需要に着実に対応するため、各企業の枠を超えた安全性・性能評価が可能な施設として整備しました。既設の多目的大型実験棟の能力を保持しつつ、排煙処理において、硫化水素ガスの処理を可能とし、硫化物系全固体電池など次世代蓄電池の試験を安全に行うことが出来るという点が大きな特徴です。また、このような蓄電池を搭載したEVをはじめ、電動バス・電動トラック等の大型EVについても、車載蓄電池を搭載した状態での試験評価が可能な国内唯一の施設です。

性能概要
・内寸:24[m]×18[m]×16[m]
・壁面厚さ:コンクリート部1.2[m]、鋼板部8[mm]
・温度制御:25℃(調節精度±5℃)
・リチウムイオン蓄電池等の発火・燃焼・爆発の可能性を伴う試験が実施可能
・試験室内で、リチウムイオン蓄電池の発火・燃焼時に発生した有害ガス及び硫化水素ガス(硫化物系全固体電池対応)を処理可能な排煙処理設備を併設し、無害化して空気中に排出します

 

先端技術評価実験棟(外観)
先端技術評価実験棟(外観)

 

先端技術評価実験棟(内部)
先端技術評価実験棟(内部)

 

大阪事業所南側から鳥瞰
大阪事業所南側から鳥瞰

機能別実験棟(NLAB Testing Facilities)

 機能別実験棟(NLAB Testing Facilities)は大型蓄電池システムの試験評価の各種項目について、複数ユーザーの試験が実施可能な試験室です。試験体は蓄電池セル、モジュール、蓄電池盤までの試験評価に対応しています。試験時にビデオカメラ、サーモグラフィ、及びセンサ類によって試験体の状態を確認しながら安全に試験評価を実施できます。

 

機能別実験棟(NLAB Testing Facilities)
機能別実験棟:各試験室に特徴的な試験設備を備え、蓄電池評価に関連する複数の試験が実施可能です。

地震波振動試験室

 定置用蓄電池が地震の影響を受けた際の安全性を確認するための試験室です。
地震や洪水など災害時にバックアップ用電源装置として普及が進んでいるリチウムイオン電池に対して、実稼働に近い状態で大型地震と同等の揺れを与えることで、耐震性を確認することができます。

  • 性能概要
  • ・最大積載重量:2[t]
  • ・周波数範囲:0.1~200[Hz]
  • ・3軸同時の加震で、震度7までの地震波再現が可能
  • ・気象庁が記録、公表している東日本大震災、阪神淡路大震災、及び熊本地震等の大型地震(※2)の地震波を再現した振動試験が可能

※2 気象庁ホームページ(https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/jishin/index.html)に波形データが掲載されている。

 

地震波振動試験室
地震波振動試験装置:過去の大規模地震を模擬した震度7までの試験に対応可能です。

輸送振動試験室

 輸送振動試験室では蓄電池等の輸送中の振動を想定した試験を行うことができます。輸送時に振動に伴い発生する蓄電池の温度上昇や筐体の強度等の安全性確認に使用できます。

  • 性能概要
  • ・最大積載重量:1.5[t]
  • ・積載可能サイズ:1.5[m]×1.5[m]以下
  • ・周波数範囲:5~200[Hz]
  • ・最大加速度:正弦波で5[G]、ショック波で10[G]

 

輸送振動試験装置
輸送振動試験装置:輸送時や車載時の蓄電池の安全性や挙動を確認することが可能です。

釘刺し圧壊試験室

 釘刺し圧壊試験室では、蓄電池盤の釘刺し試験や圧壊試験の実施が可能です。

 

釘刺し圧壊試験装置
釘刺し圧壊試験装置:モジュールや蓄電池盤について、最大300[kN]の加重を加えることが可能です。

落下試験室

 落下試験室では試験室の天井付近からコンクリートの床に蓄電池を落下させて損傷具合を確認する試験や、隣接する試験室の外部短絡試験装置を使って大電流を発生させ意図的に蓄電池をショートさせる試験が可能です。

  • 性能概要
  • (落下試験)
  • ・最大つり下げ重量:2[t]
  • ・最大落下高さ:5.7[m]
  • (遮断試験)
  • ・外部短絡試験装置を用いた遮断試験が実施可能

 

落下試験室
落下試験室:試験体を落下させて損傷状態の確認を行う試験室です。

 

外部短絡試験室
外部短絡試験装置:試験体が外部短絡した際の安全性確認試験が可能です。

環境試験室

 

環境試験室1
環境試験室1:蓄電池盤について温度・湿度を変化させて試験を実施します。

 

環境試験室2
環境試験室2:蓄電池盤について温度を変化させて試験を実施します。

 

 環境試験室では、蓄電池モジュールや蓄電池盤について、作動条件として厳しい氷点下の低温環境から、制御基板や電池セルに悪影響を及ぼす高温多湿環境まで、過酷な環境下での性能確認や安全性確認を行う試験に対応しています。

  • 性能概要
  • ○環境試験室1
  • ・温度範囲:-40~85[℃]
  • ・湿度範囲:10~95[%]
  • ・内寸:2.4×2.5×3.0[m](幅×奥行き×高さ)
  • ○環境試験室2
  • ・温度環境:0~60[℃]
  • ・内寸:4.0×4.0×4.5[m](幅×奥行き×高さ)

施設で実施可能な試験の一例

施設区分 想定試験(例) 概要
Large Chamber
多目的大型実験棟

MIDDLE Chamber
先端技術評価実験棟
耐類焼試験 一つのセル、モジュールが発火した場合でも、周辺への類焼が起こらないことを確認する試験
充放電・システム効率試験 JIS C 8715-1及びJIS C 8715-2 に規定される放電性能等の各種試験が、盤、コンテナサイズ(※1)蓄電池でも可能
BMS動作試験 盤、コンテナサイズ(※1)の蓄電池に過出力、過電圧、過放電等の異常が生じた際のBMS動作確認試験
消火設備の性能試験 盤、コンテナサイズ(※1)の蓄電池を発火させた場合の消火装置の動作確認試験
水没試験 水害、津波を想定した盤サイズ蓄電池の水没試験が可能
車両の燃焼試験 硫化物系全固体電池(※2)などを積載した車両の評価試験が可能
Testing Facilities
機能別実験棟
地震波再現試験 東日本大震災、阪神淡路大震災の地震波を完全に再現可能
国連輸送振動試験 国連輸送規格(UN38.3)等の規格に基づいた振動試験
充放電試験 温度可変環境下での充放電試験
落下試験 モジュール、盤サイズ蓄電池の落下試験
直流遮断試験 蓄電池システムの外部短絡試験(1500V/16kA)、電流保護デバイスの遮断試験(1500V/15kA)
その他の試験 破壊試験(モジュールサイズまで)
※1 コンテナサイズの評価試験はLarge Chamberのみ
※2 硫化物系全固体電池の評価試験はMIDDLE Chamberのみ

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施設のご利用案内

 NLAB Large Chamber (多目的大型実験棟)では大型蓄電池(盤、コンテナサイズ)の様々な試験が、NLAB Testing Facilities(機能別実験棟)では大型のモジュール、盤サイズ蓄電池の各種試験が実施可能です。また、2024年3月に新設されたMIDDLE Chamber(先端技術評価実験棟)では硫化物系全固体電池など次世代蓄電池の評価試験が可能です。
 実施可能な試験、蓄電池のサイズについては、個別にご相談下さい。 試験のお申し込み手続き等は、メニュー「業務の案内」の「施設利用の募集」をご覧下さい。


〇試験のお申し込み
こちらのページにて、
大型蓄電池システムの安全性等に関する試験評価(共同試験)サービスについての契約手順を紹介しております。

https://www.nite.go.jp/gcet/nlab/information/koubo_n.html

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お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 国際評価技術本部  蓄電池評価センター
TEL:06-6612-2073  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪府大阪市住之江区南港北1-22-16 地図
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