国際評価技術

国内初:大型蓄電池が水没した際の製品状態を検証するための試験を開始

公表日

令和3年12月15日(水)~令和7年3月31日(月) 17時締め切り

本件の概要

報道発表資料

タイトル:
国内初:大型蓄電池が水没した際の製品状態を検証するための試験を開始
~試験データを蓄積・共有し、安全な蓄電池システムの実用化、普及を支援~
発表日:
令和4年1月31日
資料概要:
 NITE(ナイト)[独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、近年、集中豪雨、河川氾濫、高潮等により蓄電池システムが水没する被害が急増していることから、蓄電池システムが水没した際にも発火などの二次災害が起きず、安全に停止できるかどうかを検証するために、日本初となる大型蓄電池システムの「水没試験(NITE検証水没試験)」を実施し、安全性に関わる試験データを取得しました。この試験は、評価技術の開発や国際標準の提案、認証基盤の整備などを行っているNITEが、有識者等との議論を経て定めた試験条件に基づいて実施したもので、床上浸水レベルの水害を想定しています。
 NITEでは、今回の試験を契機として、様々な製品の水没試験、データ分析を行って、蓄電池システムの安全性確認を進めていきます。また試験によって取得したデータを蓄電池システム産業界と共有することで、これらのデータが有効に利活用され、より安全な蓄電池システム製品の開発・普及に貢献できると考えています。
  1. 1.カーボンニュートラルの達成に向け、循環型エネルギー(太陽光発電・風力発電等)のさらなる導入が求められています。気象条件に依存する循環型エネルギーでは需給に応じた発電が困難であるため、発電した電気をいったん蓄えておく「大型蓄電池システム」の活用、安全性確保が不可欠です。しかし、水没に関して蓄電池システムの安全性評価の適当な基準は存在せず、近年の水害の大規模化を背景に、蓄電池システム産業界では当該基準の策定への期待が高まっていました。
  2. 2.NITEでは、水没による機器内への浸水時に蓄電池システム由来の二次災害(発火、燃焼など)が起きず、安全に停止するシステムかどうかを検証することによって、水没被害後の蓄電池システムの安全な処置方法を確立するため、学術機関や有識者との議論を重ねてきました。その結果を踏まえ、集中豪雨による浸水被害(床上浸水レベル)を想定した水没試験の試験条件を定め、この度、第一弾となる「NITE検証水没試験」を実施しました。
  3. 3.令和3年10月末にエリーパワー株式会社と共同で実施した「NITE検証水没試験」では、住宅用蓄電システム(エリーパワー社製:POWER iE5 GRID)の使用中に浸水被害に遭ったケースを想定し、系統電源及び分電盤を接続した状態で水没試験を実施しました。その結果、蓄電池システム由来の二次災害は起きず、安全にシステムが停止することを確認しました。
      詳細は、下記に掲載している技術報告書をご覧ください。
  4. 4.NITEでは、今後とも「NITE検証水没試験」に協力いただける事業者を募り、様々な製品の水没試験、試験データの収集・分析を進めて参ります。
  5. 5.今後とも、蓄電池システム関連の事業者等の協力の下、水没試験のみならず、同一条件下で様々な試験を、異なる製品に対して実施し、試験データの収集・分析を進めて参ります。得られたデータ、分析結果は、一定の条件の下で、蓄電池システム産業界に共有して利活用いただき、安全性の高い製品の実用化や、蓄電池システムの導入促進を後方支援し、日本の蓄電池システム産業の更なる成長に貢献して参ります。

 

図は、蓄電池ユニットからPCSへ、PCSから分電盤と室内表示ユニットへ、分電盤から系統電源(模擬、単相100V/200V)へ接続する様子を表している
図 接続概要

 

画像は水没試験時の様子。蓄電池ユニット(満充電状態)、分電盤、PCSのほかに水槽(水位目印50cm)、メインカメラ、サーモビューワー、貯水タンクが用意されています。
写真 水没試験時の様子

報告書資料

NITE検証水没試験

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お問い合わせ

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