バイオテクノロジー

生態系等影響評価

新型シーケンサーを用いたアンプリコンシーケンスは従来法(クローンライブラリー解析、DGGE、T-RFLP等)では検出できなかった占有率の低い菌種の検出が可能だと考えられています。また、PCRプライマーの一端に"タグ"と呼ばれる配列を付加し、サンプル毎に異なるタグ配列を用いることで、同時に複数サンプルの解析が可能です。このため、NGSの普及にともない、その圧倒的な配列決定能力を環境中微生物の菌叢解析に適用する事例が増えてきています。 NGSを利用した16S rDNAのアンプリコン解析(菌叢解析)では、環境より抽出したDNAからPCR法で16S rRNA遺伝子を増幅した後、NGSを用いて網羅的に配列を決定し、低クオリティリードやキメラ配列の除去を行った後、配列同士をクラスタリングしてOTU (Operational Taxonomic Unit)解析を行います。OTUとは、ある一定以上の類似性(一般的には96-97%)を持つ配列同士を一つの菌種のように扱うための操作上の分類単位です。従って、OTU数は菌叢を構成する菌種の数を表し、同一のOTUに属するリードの数はその種の相対的な存在量を表していると考えられます。また、各OTUに属するリード数の中から代表的な配列を選び、データベース検索により属種名の同定が可能です。

図1 NGSを用いた16S rRNA遺伝子のアンプリコンシーケンス解析の流れ

図2 16S rRNA遺伝子のアンプリコンシーケンス解析の例

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