バイオテクノロジー

バイオレメディエーション技術とその成果

【表1】エクソン・バルディーズ号事故後使用された海岸クリーンアップ法と
その方法が使用された海岸区画数
クリーンアップ法 1989 1990 1991
調査区画数 1,149 740 415
無処置 89 366 344
人手による処置
手作業による回収(手道具) 51 368 94
タールマットの除去 0 221 0
油性ゴミの除去 42 0 0
手作業によるふき取り 130 0 0
熊手などによる耕作・掻き取り 0 75 38
汚染物の除去 170 0 0
吸着材による除去 0 0 7
汚染された植生の伐採 3 不明 不明
油溜め 29 0 0
水を利用した処置
スチーム洗浄 1 ? ?
ウォーター・デリュージ 153 0 0
湛水 44 0 0
中圧水流 31 0 0
高圧水流 63 0 0
高温水洗浄 194 0 0
スポット洗浄 0 58 1
重機による処置
耕耘 54 0 9
汚染堆積物の除去 不明 不明 不明
汀段の移動 0 不明 30
化学的な処置
分散剤 1 0 0
海岸洗浄剤2 0 0      
バイオレメディエーション
栄養剤 290 298 77
酵素剤 1 不明 不明
微生物添加 1 不明 不明

(出典:Merns, A. J. 1996. Exxon Valdez Shoreline Treatment and Operations: Implications for Response, Assessment, Monitoring, and Research. American Fisheries Society Symposium 18 , 309-328)

【表1】は、それぞれのクリーンアップ技術が使用された汚染海岸区分の数をまとめたものです。この表を見ると、バイオレメディエーションが他の技術と比較してもかなり一般的に用いられたことがわかります。特に2年目以降は、手作業による回収と並んでバイオレメディエーションがクリーンアップ作業の主体として用いられています。 しかし、バイオレメディエーションは、それまで小規模な試験が行われたことはあるものの(初期の主なフィールトバイオレメディエーション試験 参照)、実際の流出事故現場で実用的なクリーンアップ手段として用いられたことはなく、その効果と安全性については疑問も残されていました。そのため、バイオレメディエーションの実施にあたっては、有効性と安全性を検討するための幾つかの予備的試験がエクソン社とUS-EPAの共同研究によって行われました。この共同研究の内容は、1992年にエクソン社が出した報告書"Bioremediation for Shoreline Cleanup Following the 1989Alaska Oil Spill"に報告されています。以下、この報告書をもとに、エクソン・バルディーズ号事故の際に行われたバイオレメディエーションバイオレメディエーション実施に至るまでのステップを紹介します(【表2】)。バイオレメディエーション技術の検討事故発生から2 週間後、エクソン社は社内で研究者会議を開き、海岸のクリーンアップに栄養剤散布によるバイオレメディエーションを導入することを検討し始めました。

【表2】エクソン・バルディーズ事故後のバイオレメディエーションに係わる出来事
1989年 3/24 事故発生
4/17-18 国際バイオレメディエーション専門家会議(US-EPA主催)
5月 室内実験(エクソン)
6/2 EPA/エクソン共同研究契約締結
6/8 スナッグ港でのフィールド試験
7/25 パッセージ港でのフィールド試験
8/2-9/15 大規模適用
室内実験(エクソン)
1990年 2/1-2 海岸クリーンアップ評価ワークショップ
5月 バイオレメディエーションのモニタリングプログラム(ナイト島) 大規模適用
アーリントン島とディスク島でのフィールド試験(US-EPA)
1991年 大規模適用
1992年 6/12 クリーンアップ終了宣言

一方、US-EPAは、当時バイオレメディエーションに関する研究プロジェクトを進行させており、この事故をバイオレメディエーションの実用性を評価するよい機会だと考えました。そこで、4月17、18日に米国内外の専門家を集めて会議を開催し、事故で汚染された海岸へのバイオレメディエーションの適用について検討したのです。この会議の中では、(1)炭化水素分解菌の散布、(2)炭化水素分解酵素溶液の散布、(3)微生物の増殖を促進する栄養剤の散布 の3つの方法が検討されましたが、(1)はその効果を実証するデータが乏しく、(2)は現段階ではスクリーニング試験に時間がかかりすぎるとの理由から適用を見送ることが薦められました。アラスカの海水に炭化水素分解菌が豊富に存在するという情報もあったことから、専門家会議では、結局、(3)の栄養剤の散布が推奨されました。

エクソン社とUS-EPAは、ともに栄養剤散布によるバイオレメディエーションに関心を寄せていましたが、その効果と安全性には疑問が残されていることも認識していました。そこで、両者は6月2日に連邦技術移転法(Federal Technology Transfer Act of 1986)に基づく研究協力協定を結び、バイオレメディエーションを用いた海岸クリーンアップの共同研究を開始することにしました。

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栄養剤(fertilizer)の選択

【表3】イニポールEAP22とカスタムブレンの組成
商品名 構成物質 化学式 栄養塩濃度
イニポール オレイン酸(oleic acid) CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COOH 窒素 7.4%
EAP22 tri(laureth-4)phosphate [C12H25(OC2H4)3O]3PO リン    0.7%
2-butoxyethanol HO-C2H4OC4H9    
尿素(urea) NH2CONH2    
水(water ) H2O    
カスタムブレン 硝酸アンモニウム NH4NO3 窒素    28.0%
リン酸カルシウム Ca3(PO4)3 リン    3.5%
リン酸アンモニウム (NH4)PO4    

プリンス・ウィリアム湾には松の落葉や天然の石油の滲出などによりコンスタントに炭化水素が供給されており、炭化水素分解菌は豊富に存在していると考えられていました。バイオレメディエーションには栄養塩を散布してこれらの分解菌の増殖を促すバイオスティミュレーションの方法が採用されることになり、使用する栄養剤の選定が行われました。

栄養剤の選定は、効果の即効性、輸送や散布のし易さ、大量散布のための量の確保、窒素やリンを効果的また持続的に微生物に供給できるかといった観点から行われ、次の3タイプによる方法が検討されました。

親油性液体栄養剤(oleophilic liquid fertilizer)
油に馴染む性質を持っており、油汚染された岩や礫をコーティングするよう設計されています。栄養塩は、油-水界面付近の水にゆっくりと放出され、炭化水素分解菌は持続的に栄養塩を利用することができます。
緩効性固形栄養剤(slow-release solid fertilizer)
農業用肥料として開発され、栄養塩を含む顆粒が水に溶けたり壊れたりすることにより、徐々に栄養塩が水中に放出されるよう設計されています。
栄養塩水溶液(aqueous fertilizer solution)
可溶性の栄養塩を水に溶かしたもの。スプリンクラーなどを使って散布します。即効性だが持続性がないため、何度も繰り返して散布する必要があります。

親油性栄養剤として選ばれたのは、フランスのエルフ(Elf Aquitaine)社が開発したイニポールEAP22(Inipol EAP22)でした。イニポールEAP22はアモコ・カディズ号事故を契機にエルフ社が開発を進めたもので、当時、大量調達可能な唯一の親油性栄養剤であり、過去のフィールドテストや1985年にノルウェーのキングス湾で起こった小規模軽油流出事故の際に使用された実績がありました(初期の主なフィールドバイオレメディエーション試験参照)。イニポールEAP22は蜂蜜色をした粘性のある液体で、オリーブオイルの主成分であるオレイン酸(親油性)の内部に水滴が包み込まれたマイクロエマルジョン構造をしています。水滴は窒素源として尿素を含んでおり、リン源でもあるtri(laureth-4)phosphate がオレイン酸内部で水滴を安定化させる役割を果たしています。また、エマルジョン構造を安定化させるために2-ブトキシエタノールも配合されています(【表3】)。

緩効性栄養剤は、数種類がテストされた結果、ウッデイス(Woodace, Vigoro Industries)とカスタムブレン(Customblen, Grace Sierra Chemicals)の2種類がフィールドテストに使用されることになりました。ウッデイスは、ブリケット(煉炭)のマトリクスに含まれる窒素化合物(isobutylidine diurea)やリン化合物が加水分解されることによって窒素やリンが徐々に放出される仕組みになっています。一方、カスタムブレンは、無機栄養塩(【表3】)を植物性オイルのカプセルで包みこんだ顆粒の形になっており、内部の無機栄養塩が徐々にカプセルの外に溶出するよう設計されています。

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室内試験

まず、プリンス・ウィリアム湾の海水に生息する炭化水素分解菌の数と海水の元素分析が行われました。その結果、炭化水素分解菌は海水1mL中に103個(1-5×103/mL)ほど存在し、全従属栄養細菌数の1-10%を占めていることがわかりました。また、海水の元素分析の結果、鉄などの微量元素は十分に存在していることがわかり、微生物による増殖は主に窒素とリンによって制限されているのだろうと思われました。

次に、プリンス・ウィリアム湾の炭化水素分解菌が、プルドー・ベイ原油(エクソン・バルディーズ号から流出した原油)を分解できるのかどうかがフラスコ実験で調べられました。まず、十分な栄養塩を含む培地(Bushnell-Hass broth培地)で試してみたところ、10日間で90%の炭化水素が分解されました。この結果は、十分な栄養塩が与えられれば、プリンス・ウィリアム湾の微生物はプルドー・ベイ原油を速やかに分解できることを意味していました。そこで、海水に栄養塩としてイニポールEAP22を添加し同じように原油の分解を調べたところ、数週間で50%程度の炭化水素が分解されることがわかりました。

これらの室内試験の結果は、プリンス・ウィリアム湾の海岸に栄養剤を散布して十分な量の栄養塩を与えてやれば、漂着油は速やかに微生物分解されるのではないかという期待を抱かせるものでした。そして、実際の海岸における栄養剤散布の効果は、次のフィールドテストで確認されることになりました。

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フィールドテスト(1989 年夏)

US-EPAは、1989年の5月初旬からフィールドテストを行うためのサイトを探し始めていました。そして、プリンス・ウィリアム湾のナイト島(Knight Island)にある2箇所のサイト、スナッグ港(Snug Harbor)とパッセージ湾(Passage Cove)がフィールドテストサイトとして選ばれました。両方の海岸とも砂と砂利の混ざった地盤の上を丸石が覆っており、油汚染は表面の丸石だけではなくその下の砂・砂利層にも達していました。

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スナッグ港

スナッグ港の油汚染は中程度のもので、水圧洗浄は行われていませんでした。試験当初、エクソン社が水圧洗浄を行っていた場所はテストに使えなかったため、スナッグ港は水圧洗浄後の状態を想定する場所として選ばれました。

試験は丸石がメインになっている場所と砂・砂利がメインになっている場所の2種類の海岸で行われ、栄養剤にはイニポールEAP22とウッデイスが使われました。イニポールEAP22は6月8日と18日の2回に分けて散布され、ウッデイスはニシン網の袋に入れられて海岸に立てた杭にくくりつけられました。そして、油の残存量と組成の変化、炭化水素分解菌の数がモニタリングされ、栄養剤散布による生態系への影響も調査されました。イニポール EAP22を散布してから8-10日後、丸石プロットでは油の減少を視覚的に観察することができました。イニポールEAP22を散布した区画だけきれいに表面の油が消失しており、それは黒い海岸に現れた「白い窓」のようでした。しかし、小石の下の砂・砂利層にはまだ油が残っていました。イニポールEAP22処理をした砂・砂利プロットでも2-3週間後に視覚的な油の減少が観察されましたが、丸石プロットのように劇的なものではありませんでした。一方、未処理区とウッデイス処理区では、目に見えた変化はありませんでした。

各プロットの油残留量は重量法によって3ヶ月にわたり測定されましたが、すべてのプロットで残留量は減少しており、プロット間で統計的な違いはありませんでした。また、ガスクロマトグラフィーによる組成分析でnC18/フィタン(phytane)の比(生分解の度合いを表す値)が求められましたが、ここでもプロット間の統計的な違いを見出すことはできませんでした。炭化水素分解菌数の測定も行われましたが、すべてのプロットで菌数が増加しており、栄養剤添加による効果が確認できませんでした。

一方、環境影響調査では良好な結果が得られました。栄養塩濃度は処理区に隣接する海域でも増加しておらず、クロロフィル㈼分析の結果、植物プランクトンの異常増殖も起こっていないことがわかりました。また、処理区の沖合で籠に入れておいたイガイからPAHは検出されず、油膜も観察されなかったため、栄養剤が海水中への油の溶出を促進することはないと判断されました。

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パッセージ湾

パッセージ湾はスナッグ港よりも汚染がひどく、エクソン社による水圧洗浄が行われた海岸でした。油は薄い粘着性の膜となって存在し、油汚染は深さ30-40cmまで達していました。スナッグ港での結果から、イニポールEAP22は地表面の油には有効だと思われましたが、地表下に浸透した油に対する効果は疑問視されたため、地表下の油にはカスタムブレンを適用することが検討されました。そこで、パッセージ湾では、地表面:イニポールEAP22、地表下:カスタムブレンという組み合わせ散布の効果を確認する試験が行われることになりました。また、スプリンクラーによる栄養塩水溶液の繰り返し散布も試されました。

7月25日、パッセージ湾でイニポールEAP22とカスタムブレンの散布が行われました。また8月2日には、別のプロットで栄養塩水溶液を散布する試験も始められました。栄養塩は7mg/Lの濃度で海水に溶かされ、30日間にわたって毎日スプリンクラーで散布されました。イニポールEAP22とカスタムブレンを散布してから約2週間後、処理区では地表面の油の減少を視覚的に観察することができました。そして、1ヶ月後には、地下10cm以上の油はまばらに残るのみとなりました。栄養塩水溶液散布プロットでも油の減少を観察することができましたが、減少速度はイニポール/カスタムブレンプロットに比べると2週間程遅れているようでした。8月の終わり頃には、両プロットとも同じくらいきれいになっているように見えましたが、未処理区では試験開始時からほとんど変化が見られませんでした。しかしながら、20-30cmの地下では、両処理区とも依然として油が残されたままでした。各処理区の油の減少量は重量測定法で確認されました。丸石層(地表面)ではすべてのプロットで油の減少が確認できましたが、減少率は栄養剤処理区の方が未処理区よりも大きくなっていました。US-EPAは、栄養塩水溶液プロットでは4-5倍、イニポール/カスタムブレンプロットでは2-3倍の油分解促進効果があったと評価しています。一方、砂・砂利層(地表下)では、サンプル間のバラツキが大きく、栄養塩水溶液プロット以外では統計的に油の減少を確認することはできませんでした。

このフィールドテストおいて、栄養塩水溶液プロットで油浄化効果が得られたことは、US-EPAにとって大きな意味を持っていました。スナッグ港の試験で、イニポールEAP22は海岸表層の油浄化に効果を示しましたが、それは微生物分解によるものではなくイニポールEAP22に含まれる界面活性成分によるものではないかという疑問が持たれていたからです。栄養塩水溶液は栄養塩を海水に溶かしただけのもので、界面活性成分は含まれていません。栄養塩水溶液プロットでの浄化効果は、純粋に栄養塩によって活性化された微生物分解の結果だと考えられ、US-EPAはバイオレメディエーションに対する自信を深めるこにとなりました。

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1989年夏の大規模適用

スナッグ港での結果から、US-EPAとエクソン社はバイオレメディエーションの効果と安全性を主張し、海岸クリーンアップで大規模に適用することを提案しました。アラスカ州など関係諸団体の同意を得て、8月の始めからエクソン社はプリンス・ウィリアム湾での大規模な栄養剤散布を開始しました。

【表4】1989年夏の大規模適用のガイドライン
汚染の状態
  • イニポールEAP22は地表に油が存在する場所にのみ使用する。
  • カスタムブレンは地表下に油が存在する場所にのみ使用する。
  • イニポールEAP22は薄くて均質な被膜となるように散布する。
  • アスファルトの塊、ムース、油溜まりなどは栄養剤散布の前に取り除いておく。
海岸の地質
  • 透水性の高い砂、砂利、丸石海岸にのみ適用する。
  • 岩肌や大きな石がある場所、崖、急勾配斜面などでは、イニポールEAP22が低いスポットに溜まる危険性があるため、散布を行わない。
適用区域
  • サケなどの魚が遡上する川からは少なくとも100ヤード(約91m)離れていること。
  • 水面での散布は行わない。
  • 生物相の豊富な地域では散布を行わない。
  • ひれ足類の繁殖期には実施しない。
その他
  • 満ち潮時でも引き潮時でも散布して構わないが、散布直後の海水との接触を避けるため、海水からは常に4~5フィート(約1.2~1.5m)離して散布する。

大規模適用の栄養剤として選択されたのは、イニポールEAP22とカスタムブレンです。栄養塩水溶液は、散布設備を設置する時間がない、という理由から大規模適用での使用は見送られました。栄養剤の散布は、【表4】に示すようなガイドラインに沿って行われ、冬の到来で作業が中断される9月15日までに、約74マイル(約119km)にわたる海岸線でバイオレメディエーションが実施されました。なお、栄養剤の散布量は、最悪の場合を想定しても窒素分の放出によって生じるアンモニア濃度が、US-EPAの水質基準を上回らないよう配慮されました(カスタムブレン:28.7g/m2、イニポールEAP22:300g/m2)。

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エクソン社の室内実験(1989-1999年冬)

1989年夏のフィールドテストと大規模適用の結果から、エクソン社とUS-EPAは、バイオレメディエーションが海岸クリーンアップに有効だと結論づけていました。しかし、イニポールEAP22の効果については界面活性成分による洗い流し作用なのではないかという疑問が持たれていました。また、クリーンアップ中断後に行われた海岸の汚染状況調査から、1990年の課題が地中に埋没した油の除去だと予想されていましたが、地中の油にバイオレメディエーションが効果を発揮できるかどうかは分かりませんでした。このような疑問に答えを出すため、エクソン社は、クリーンアップ作業を行えない冬の間に1990年の適用に向けての室内実験を行うことにしました。

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フラスコ実験

「残留油が微生物にとって分解可能なものか?」、これは、1990年のクリーンアップにバイオレメディエーションを適用するかどうか判断する上で非常に重要なことです。残留油が微生物分解できないものになっていたとしたら、どんなに努力してもバイオレメディエーションが効果を発揮することはありません。「残留油が微生物にとって分解可能なものか?」を判断するとき、微生物が原油中のどの成分を分解できるのか、という情報は重要な判断材料となります。また、バイオレメディエーションの安全性を議論するためには、微生物分解によってどのような物質が生じるのかを把握しておく必要があります。そこで、そのような情報を得るためにフラスコ実験が行われました。

フラスコ内で、人工海水、イニポールEAP22、風化プルドー・ベイ原油、プリンス・ウィリアム湾の海水(微生物源)が15℃で培養され、ガスクロマトグラフィーと高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography:HPLC)で原油の成分変化が調べられました。60日後、投入された原油の36%が分解されており、CO2 発生量から、半分がCO2、残りの半分が微生物のバイオマスに変換されていると考えられました。原油の分解産物としては、途中、カルボン酸などが検出されましたが、高濃度に蓄積することはありませんでした。ガスクロマトグラフィー分析可能な成分は、実験開始時には44%を占めていましたが、60日後には28%になっていました。このことから、これらの成分が他の成分よりも分解されやすいことがわかります。分析不能な成分も全体量は減少しており、微生物分解を受けることがわかりました。HPLC分析の結果は、これを裏付けるものでした。分子量の大きい複雑な化合物は分解速度が遅いものの、プリンス・ウィリアム湾の微生物群集は、原油中のほとんどの成分を分解する能力を持っているものと考えられました。この実験では、分枝鎖アルカンのフィタンも微生物分解されることが確認されました。これまでの研究では、フィタンは「微生物分解されにくい化合物」とされており、原油の微生物分解の指標としてnC18/フィタン(炭素鎖18のノルマルアルカンとフィタンの比。この値が小さいほど微生物分解が進んでいるとされる)が用いられてきました。しかし、この実験では、フィタンもノルマルアルカンと同様に分解されており、フィタンが微生物分解の指標には適さないことがわかりました。

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小規模マイクロコズム実験

実際の海岸では、潮汐の作用によって栄養塩や残留油の洗い流しが起こっています。イニポールEAP22については、界面活性成分により残留油の洗い流しを促進するのではないか、という疑問も持たれていました。そこで、潮汐による作用をシミュレートするために、ソックスレー抽出器を使った小規模マイクロコズム実験が行われました。

カラムにプリンス・ウィリアム湾のインゴット島(Ingot Island)から採取した汚染堆積物を詰め、イニポールEAP22が添加されました。それを人工海水で満たし、潮汐をシミュレートして定期的に50-80%の海水が入れ替えられました。海水の入れ替えは、潮汐の作用を短時間でシミュレートするために、1時間に1回のサイクルで行われました。

残留油の分解は、フラスコ実験とほぼ同じ結果になりました。しかし、油の分解速度はフラスコ実験よりも速く、22日後にはフラスコ実験で60日後に観察された量とほぼ同じ量の油が消失していました。一方、塩化水銀(HgCl2)で微生物活性を阻害すると、油の消失は起こりませんでした。また、イニポールEAP22による油の「洗い流し」は観察されず、かえって油が堆積物に吸着している様子が観察されました。これらの結果は、フィールドテストで観察されたイニポールEAP22の効果が、油の「洗い流し」作用によるものではなく微生物分解の結果であると主張するものでした。

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大規模カラム実験 1989年10月-1990年4月

1990年のクリーンアップの課題の1つは、地中に埋もれた油をどのように処理するか、ということでありました。油の微生物分解には通常酸素が必要なため、酸素が到達しにくい地中では、バイオレメディエーションの効果は疑問視されていました。そこで、地中でのバイオレメディエーションの効果を確認するために、カラムを使ったモデル実験が行われました。実験に使用されたカラムは、直径1フィート(30.5cm)のもので、3フィート(91.4cm)の高さまで油汚染堆積物が詰められました。油汚染堆積物は、11月と12月にプリンス・ウィリアム湾から採取されたものです。これらの堆積物に付着している油は、1989年の夏の間に微生物分解を受けていると考えられ、バイオレメディエーションによってさらに微生物分解することができるのかが、この実験で確かめられました。このカラムには、1日に2回のサイクルで、酸素飽和した海水が通水され(12フィート/6時間)、潮汐がシミュレートされました。

栄養剤は、イニポールEAP22とカスタムブレンの組み合わせ添加が試されました。カラムに通水後、"干潮"時に、まずイニポールEAP22が添加されました。カスタムブレンの添加は、イニポールEAP22が添加されてから36日後に行われました。この実験では、油の減少が微生物活動によるものだということを証明するために、カラムは2本用意され、一方には殺菌剤が添加されました。もし、堆積物からの油の減少が微生物分解以外の作用によるものであれば、それは殺菌剤を添加したカラムでも起こるはずです。逆に、微生物分解によるものであれば殺菌剤添加カラムでは堆積物からの油の減少は起こりません。実験の結果は、油の減少が微生物分解によるものだということを強く支持するものでした。殺菌カラムでは堆積物からの油の減少は観察されなかったのに対し、非殺菌カラムでは油が減少して堆積物がきれいになっているのが観察されました。また、実験中、いずれのカラムでも、油の海水への移動はみられませんでした。実験開始から4ヶ月後、カラムから堆積物が取り出されて残留油の分析が行われましたが、その結果も、微生物分解以外の作用による油の消失を否定するものでした。殺菌カラムでは油の消失や組成の変化はほとんど観察されなかったのに対し、非殺菌カラムでは18-37%の油が消失し(重量法)、組成も変化していました(アルカン・低分子芳香族は減少、レジン・アスファルテンは増加)。

実験中は、カラムに取り付けられた3つのサンプリング口から経時的に海水が採取され、溶存酸素濃度、栄養塩濃度、微生物数が測定されました。この測定の結果から、エクソン社は、酸素と栄養塩が地下3フィートまでは浸透する、という結論を出しました。溶存酸素濃度は、イニポールEAP22添加後とカスタムブレン添加後、急激に低下しました。殺菌カラムでは、このような溶存酸素濃度の変化は観察されなかったことから、栄養剤の添加によって微生物が活性化し、酸素消費量が増加したのだと考えられました。しかしながら、炭化水素分解菌数には栄養剤添加後も変化は見られませんでした。

以上の室内実験の結果から、エクソン社は、1990年に海岸に残されている油にもバイオレメディエーションは有効であり、少なくとも深さ3フィートまでの汚染であればバイオレメディエーションによって処理することができる、と結論づけました。

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1990年のフィールドテスト-エクソン社/EPA /ADECの共同モニタリングプログラム-

エクソン社とUS-EPAは、1989年のフィールド試験や室内実験の結果からバイオレメディエーションに対する自信を深めており、冬の間に行われたフィールド調査でもバイオレメディエーションの効果を示すようなデータが得られていました。1990年2月1-2日、エクソン社、US-EPA、海洋気象局( NOAA: National Oceanic and AtmosphericAdministration)、沿岸警備隊、アラスカ環境保護局(ADEC: Alaska Department of Environmental Conservation)によって海岸クリーンアップのためのワークショップが開かれましたが、そこで得られた評価もバイオレメディエーションの効果を概ね肯定するものでした。

しかしながら、1990年のバイオレメディエーションの適用は、すんなりとは決まりませんでした。地元のアラスカ州がバイオレメディエーションの効果に疑問を呈したからです。アラスカ州は、バイオレメディエーションが地表の油にはある程度有効であると認めたものの、1990年の課題である地中に埋もれた油にも有効だという保証はないと主張し、バイオレメディエーションの実施を拒否する姿勢を示しました。一方、バイオレメディエーションに対する自信を深めていたエクソン社とUS-EPAは、地中の油にも有効であると主張し、バイオレメディエーションの適用を強く求めました。結局、アラスカ州が替わりに提案した「岩を掘り起こして洗浄する」という方法が現実的でなかったこともあり、「有効性と安全性に関して厳密なモニタリングを行う」という条件で、アラスカ州はバイオレメディエーションの実施を認めることになりました。

1990年5月1日、ADECからバイオレメディエーションの大規模適用に対する仮許可が出され、エクソン社とUS-EPA、ADECによるバイオレメディエーションの共同モニタリングプログラムが5月後半から始まりました。このプログラムではバイオレメディエーションの有効性と安全性がモニタリングされ、6週間以内にバイオレメディエーションの大規模適用を続けるかどうかが決定されることになっていました。

テストサイトとして選ばれたのはナイト島の3つの海岸(それぞれKN-135、KN-211、KN-132)でした。KN-135は波の作用が小さい低エネルギー海岸で、地表、地表下の両方が汚染されていました。KN-211は波の作用が大きい高エネルギー海岸で、主に地表下が汚染されていました。KN-132は低エネルギー海岸で、汚染は地表だけでした。これらの海岸は、プリンス・ウィリアム湾の他の海岸よりも汚染がひどかったですが、1989年のバイオレメディエーションの適用は受けていませんでした。

テストサイトは、「処理区」と「未処理区」に二分され、それぞれの区画に3ヶ所ずつ、間隙水を採取するためのサンプリング穴が、鉄パイプ(直径:5cm、長さ:70cm)で作られました。サンプリング穴から採取された間隙水は、栄養塩濃度、溶存酸素濃度、塩分濃度、pH、水温の測定に用いられました。

【表5】モニタリングプログラムで使用された栄養剤の種類と量
KN-135 KN-211 KN-132
油の汚染 地表・地表下 地表下 地表
栄養剤の種類 イニポール EAP22(I)
カスタムブレン(C)
カスタムブレン(C) イニポール EAP22(I)
カスタムブレン(C)
散布回数
I :
2 回
C :
3 回
C:
2 回
I :
2 回
C :
2 回
散布した日
(開始から何日目)
I :
0, 53 日目
C :
0, 53, 72 日目
C:
0, 44 日目
I :
0, 40 日目
C :
0, 40 日目
散布した窒素量
(g/m2)
106 53 56

栄養剤には、1989年と同様にイニポールEAP22とカスタムブレンが使用されました(【表5】)。KN-135とKN-132にはイニポールEAP22とカスタムブレンの両方が散布されましたが、KN-211は地表の汚染が少なかったために、カスタムブレンのみが散布されました。栄養剤の散布は手作業で海岸を清掃した後に行われました。

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栄養塩濃度と溶存酸素濃度

処理区海岸からサンプリングされた間隙水の窒素濃度は、栄養剤が散布された後、急激に上昇していました。ただし、KN-211での最初の散布では、散布されたカスタムブレンが洗い流されてしまったらしく、窒素濃度の上昇は見られませんでした。上昇した窒素濃度は徐々に減少し、およそ20日間で元の濃度まで低下しました。一方、未処理区ではこのような窒素濃度の変化は見られませんでした。リン濃度は、処理区でも未処理区でも大きな変動はありませんでした。

溶存酸素濃度は栄養剤の添加に反応して低下していました。栄養剤散布後、約2週間で酸素消費量がピークになり、1ヶ月後に元の濃度まで回復しました。これは窒素濃度の変化とほぼ一致しており、栄養剤から供給された窒素によって微生物が活性化されたことを窺わせる結果でした。

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微生物

海岸の砂利の表面に付着している微生物群集が採取され、ヘキサデカン(アルカン)とフェナントレン(多環芳香族)の無機化実験が行われました。採取した微生物群集を14Cでラベルしたヘキサデカンまたはフェナントレンと一緒に培養し、発生した14CO2の量が測定されました。

14CO2 は、通常、自然界には存在しないため、測定された14CO2 は(14C)ヘキサデカンまたは(14C)フェナントレンが微生物に分解されて生じたものだと考えられます。したがって、14CO2 の発生量を測定することにより、ヘキサデカンやフェナントレンをCO2 と水に完全分解(無機化)する微生物の活性を知ることができるのです。測定された14CO2 の発生量は処理区と未処理区で比較され、栄養剤散布によって無機化活性が上昇したかどうかが確認されました。ヘキサデカン無機化活性もフェナントレン無機化活性も処理区で高くなっており、栄養剤散布によってアルカンや芳香族化合物の無機化が促進されたことが推測されました。測定は地表のサンプル(2-5cm)と地表下のサンプル(30-35cm)の両方で行われましたが、いずれのサンプルでも処理区の方が無機化活性が高い結果が得られました。

また、測定された微生物数も(MPN法)、処理区の方が多くなっている傾向がみられました(統計的な差は2回目の栄養剤散布の後のみみられました)。

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石油の残留量と組成

3つのテスト海岸で400以上の堆積物サンプルを用いて石油残留量の測定と組成分析が行われましたが、サンプルのばらつきが大きかったために、処理区と未処理区との間に統計的な差を確認することはできませんでした。しかし、処理区では、栄養剤散布後1ヶ月目で海岸が視覚的にきれいになっていました。

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環境モニタリング

モニタリングプログラムでは、有効性の調査に加えて、バイオレメディエーションの安全性をチェックするための環境モニタリングも行われました。環境モニタリングでは、栄養剤散布後に採取された海水サンプルを使って、オキアミによる毒性テスト、アンモニア・硝酸イオン濃度の測定、クロロフィル?濃度の測定(藻類増殖の指標)、石油濃度の測定(石油が洗い流されていないかの確認)が行われましたが、いずれも環境に悪影響を及ぼさないと考えられる範囲内でした。

イニポールEAP22に含まれる2-ブトキシエタノールが、イニポール散布後、どれだけ長く海岸に残存しているかも調べられましたが、最初の潮汐の後に90-98%がなくなっており、48時間後には散布した量の0.04%以下の濃度になっていることが確認されました。このことから、2-ブトキシエタノールの野生動物に対する悪影響はほとんどないと考えられました。以上のようなモニタリングの結果から、残留油の分解が促進されるという定量的なデータを得ることはできなかったものの、7月1日までには、バイオレメディエーションは有効であるという結論が支持されるようになっていました。環境モニタリングの結果、栄養剤散布による環境への悪影響も特に観察されなかったことから、バイオレメディエーションの大規模適用は、1990年の夏の間、続けられることになりました。

なお、3海岸での共同モニタリングプログラムは、有効性と安全性に関するより詳しいデータを得るため、9月まで続けられることになりました。

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1990年夏の大規模適用

【表6】1990年夏の大規模適用のガイドライン
カスタムブレンは地表下、イニポールEAP22は地表に油が存在する場所に使用する。
(散布濃度)
カスタムブレン
イニポールEAP22と組み合わせて散布するとき:0.33lbs/100ft2
単独で散布するとき:0.75lbs/100ft2
イニポールEAP22:0.75gal/100ft2(単独でも組み合わせでも)
サケなどの魚が遡上する川の近くでは、魚がいるときは散布を行わない。
大雨が降っているときは、イニポールEAP22の散布は行わない。
適用した地域の記載や散布された栄養剤の量の計算には地形学を使用する。
野生動物への配慮
  • 営巣中のタカの巣の近くでは散布を行わない。
  • ひれ足類の棲息地の近くでは散布を行わない。
  • イニポールEAP22散布直後の海岸に野生動物が近寄らないように、おどし用目玉バルーン(scare-eye ballons)を設置する。
カスタムブレンの散布は、手作業で油残査やタールマットを回収した後すぐに行ってもよい。
イニポールEAP22は30日、カスタムブレンは15日の間隔を置いて散布する。

(出典:Bragg et al. 1992. Bioremediation for Shoreline Cleanup Following the 1989 Alaska Oil Spill. Exxon. p70 より作成)

1990年には、結局、1989年(788サイト)を上回る1,426サイトでバイオレメディエーションが適用されることになりました。栄養剤散布のガイドラインは、環境への影響を配慮して、1989年のガイドラインをさらにきめ細かくしたものが使われました(【表6】)。この年はバイオレメディエーションの効率を上げるために、機械などを使った物理的な処置も一部で用いられました。暴風雨で潮間帯の上まで打ち上げられた油は乾燥してしまっているために微生物分解が進みません。そこで、油汚染堆積物を潮間帯に移動して、潮汐に曝す処置がとられました。また、潮間帯では、微生物分解効率を上げるために海岸堆積物の耕作なども行われました(空気や水との接触を増やすため)。

エクソン社は、共同モニタリングプログラムとは別に、大規模適用のモニタリングを行い、バイオレメディエーションの評価を行いました。モニタリングは、プリンス・ウィリアム湾とキーナイ半島の90以上のサイトで行われ、そのうちの73%で油汚染の改善が見られました。また、4種類の指標生物(フジツボ、イガイ、巻き貝、褐藻)のモニタリングも行われました。フジツボでは、90サイトのうちの14サイトで致死率の上昇(>1%)が観察され、フジツボが多数棲息する領域での栄養剤散布は避けた方がよいと思われました。しかしその他の生物では致死率の上昇は見られず、栄養剤散布の悪影響はほとんどないと考えられました。

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US-EPAのアーリントン島(Elrington Island)とディスク島(Disk Island)での実験

1990年夏、US-EPAは、モニタリングプログラムや大規模適用とは別に、プリンス・ウィリアム湾のアーリントン島とディスク島で、バイオレメディエーション試験を行いました。

アーリントン島の試験には、栄養塩水溶液が使われ、散布方法によって効果に差が出るかどうかが調べられました。栄養塩水溶液の散布には、スプリンクラーによって繰り返し散布する方法と、一度だけ大量に散布する方法の2通りの方法が試されました。サンプルのバラツキを防ぐため、油汚染堆積物がよく混合されてバスケットの中に入れられ、テスト海岸に埋められました。バスケットはサンプリングの度に1つずつ取り除かれ、油残留量が測定されました。油の分解速度は、散布方法に関わらず散布区の方が未処理区よりも6-7倍速くなっており、有意な差を示しました。測定された地表下のアンモニア濃度は、生分解に適した濃度になっており(約3ppm)、地表下まで十分な量の窒素が運ばれたことを示していました。

ディスク島では、カスタムブレンが使用され、散布量の違いによって効果に差が出るかどうかが調べられました。3m×3mのサイズのプロットに50-1000g/m2のカスタムブレンが散布され、油残留量と油組成の変化が測定されましたが、どの散布量でも未処理区との間に有意な差は見られず、バイオレメディエーションの効果は認められませんでした。測定された地表下のアンモニア濃度は、いずれのプロットでも低い値に抑えられていたことから、何らかの理由で地表下まで窒素が到達せず、そのために油の生分解が進まなかったのだと考えられました。

これら2つのフィールド試験では、試験の目的であった散布方法や散布量による効果の違いを確認することはできませんでした。しかしながら、これらの結果は、残留油の分解に窒素濃度が重要な役割を果たしていることを示唆するものでした。

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1991年と1992年の大規模適用

大規模適用は1991年の夏も引き続き行われ、223サイトでバイオレメディエーションが適用されました。栄養剤散布のガイドラインは1990年とほぼ同じでしたが、1990年の調査結果から、野生動物を遠ざけるための目玉バルーンは設置する必要がないとされ、カスタムブレンの散布上限も引き上げられることになりました(イニポールとの組み合わせ:2lbs/ft2、単独:4lbs/ft2)。1992年には、まだ汚染のひどい数カ所のサイトでバイオレメディエーションが行われましたが、6月12日、沿岸警備隊とADECからクリーンアップ終了宣言が出されてクリーンアップ作業は終了しました。

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