バイオテクノロジー

微生物腐食とは?

微生物腐食とは、微生物の直接的あるいは間接的な影響によって金属材料が激しい腐食を受ける現象のことを言います。1934年にVon Wolzogen KuhrとVon der Vlutによって嫌気的環境下で硫酸塩還元菌(sulfate-reducing bacteria, SRB)が微生物腐食を引き起こす可能性が報告されて以来、一般的には、硫酸塩還元菌が微生物腐食の主な原因菌と考えられてきました。しかし、硫酸塩還元菌は必ずしも微生物腐食を引き起こすわけではなく(引用文献1)、また、硫酸塩還元菌以外にも微生物腐食を引き起こす微生物は多数存在すると考えられています(後述)。

【図1】微生物腐食と思われる事例(ヨード回収施設のパイプ)
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微生物腐食であるか否かを判定する客観的方法は今まで存在しませんでした。そのため、異常に速い腐食が局所的に起こり、腐食孔が形成され(孔食:pitting corrosion)、従来から知られている孔食の原因、例えば電食(迷走電流による腐食)や物理化学的な理由で作りだされる酸素濃淡電池等では説明がつかない場合に微生物腐食が疑われてきました。

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