バイオテクノロジー

黄色ブドウ球菌のエンテロトキシン毒素遺伝子および毒素性ショック症候群毒素遺伝子の検出

 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が産生する毒素は、ヒトに対して食中毒や毒素性ショック症候群などの疾病を引き起こすことが知られています。今回、NBRCで保有するStaphylococcus aureus 21株の黄色ブドウ球菌エンテロトキシンA~E遺伝子および黄色ブドウ球菌毒素性ショック症候群I型(TSST-1)遺伝子について、PCR法を用いた検出試験を行いました。

供試菌株

 NBRCで保有するStaphylococcus aureus 21株 (表1

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方法

  1. 1.各菌株指定の液体培地(802培地、ただしNBRC 14606とNBRC 14607は356培地)で1日間培養
  2. 2.DNAを抽出
  3. 3.各毒素遺伝子検出用のプライマーセットを用いて、供試菌株のDNA、対応するポジティブコントロール・テンプレート、及びネガティブコントロールとして滅菌水を鋳型にしてPCR反応(PCR条件は製品添付の説明書に準じています)
  4. 4.3%アガロースゲルで電気泳動後、エチジウムブロマイドで染色

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PCR法に用いたプライマーセット及びポジティブコントロール・テンプレート

 各毒素遺伝子を特異的に検出する以下の特殊細菌検出用プライマーセットを用いました。ポジティブコントロールには、各プライマーセットに対応する特殊細菌検出用ポジティブコントロール・テンプレートを用いました。PCR条件は製品添付の説明書に準じています。
特殊細菌検出用プライマーセット(製造:株式会社島津製作所、販売:タカラバイオ株式会社)

  • 黄色ブドウ球菌エンテロトキシンA遺伝子検出用Primer Set SEA-1, -2(製品コード:S009)
  • 黄色ブドウ球菌エンテロトキシンB遺伝子検出用Primer Set SEB-1, -2(製品コード:S010)
  • 黄色ブドウ球菌エンテロトキシンC遺伝子検出用Primer Set SEZ-1, -2(製品コード:S011)
  • 黄色ブドウ球菌エンテロトキシンD遺伝子検出用Primer Set SED-1, -2(製品コード:S012)
  • 黄色ブドウ球菌エンテロトキシンE遺伝子検出用Primer Set SEE-1, -2(製品コード:S013)
  • 黄色ブドウ球菌毒素性ショック症候群毒素遺伝子検出用Primer Set TST-1, -2(製品コード:S015)

 特殊細菌検出用ポジティブコントロール・テンプレート(製造:株式会社島津製作所、販売:タカラバイオ株式会社)

  • SE1(製品コード:S035)(対応するプライマーセット:SEA, SEB)
  • SE2(製品コード:S036)(対応するプライマーセット:SEZ, SED)
  • ST(製品コード:S037)(対応するプライマーセット:SEE, TST)

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結果


    1a.エンテロトキシンA遺伝子(423bp)


    1b.エンテロトキシンB遺伝子(391bp)


    1c.エンテロトキシンC遺伝子(146bp)


    1d.エンテロトキシンD遺伝子(499bp)


    1e.エンテロトキシンE遺伝子(557bp)


    1f.エンテロトキシンTSST-1遺伝子(228bp)

 図1a~f. 各毒素遺伝子の電気泳動写真

  • レーンMは100 bp Ladder Marker、レーン1~21は表1のレーン番号に対応しています。
  • ポジティブコントロールのPCR増幅産物は、万が一、コントロールにサンプルが混入しても区別することができるように、各毒素遺伝子の増幅産物とはサイズが異なります。そのため結果に示した泳動写真にはポジティブコントロールを含んでおりませんが、全ての試験で対応するポジティブコントロールの増幅が得られ、PCR反応が正常に行われたことを確認しております。

 表1.試験した菌株と検出した毒素遺伝子の一覧

レーン番号 NBRC番号 検出した
毒素遺伝子
1 3060  
2 3183  
3 3761  
4 12712 B
5 12732  
6 13276  
7 14462  
8 14606  
9 14607  
10 15035  
11 100910T  
12 102135  
13 102136 B
14 102137 A
15 102138  
16 102139 TSST-1
17 102140 A, B
18 102141 A
19 102142 C
20 102143  
21 102144  
  • 試験は2回行い、同一の結果を得ています。
  • ここで示したPCR法によるエンテロトキシン毒素遺伝子の検出結果は、エンテロトキシン毒素遺伝子を保有していることを示すものであり、毒素遺伝子産物が発現していることを証明するものではありません。

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