バイオテクノロジー

微生物腐食評価方法の提案

これまでの結果に基づいて、微生物要因と環境要因を考慮した腐食リスク評価方法の一例を提案します。

微生物腐食リスクにおける微生物要因として鉄腐食性M. maripaludis硫酸塩還元菌が存在し、かつ、環境要因として炭酸及び硫酸イオンが検出される場合、この環境は非常に高い微生物腐食リスクを抱えていると診断することができます。次に高い腐食リスクのランクとしては、鉄腐食性M. maripaludis と炭酸の存在が挙げられます。鉄腐食性M. maripaludis が検出されても、炭酸濃度が低い場合、腐食リスクはより低いと考えられます。鉄腐食性M. maripaludis による腐食リスクの判断基準としては、【図1】のようなランク付けが可能でしょう。

【図1】鉄腐食性M. maripaludis による微生物腐食リスク診断表(一例)

本調査で明らかになった知見を総合して作成した微生物腐食診断フローチャートの一例を【図2】に示します。
左上の「微生物が存在するかどうか」で始まり、環境要因、微生物要因を適宜進んで行くと、現状での腐食リスクにたどり着くというものです。これが完成ではなく、今後も情報の蓄積に伴い、それらの情報を追加していくことで、さらに精度の高い診断フローチャートへと発展させる必要があります。

【図2】微生物腐食診断フローチャートの一例
  

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