バイオテクノロジー

腐食防止技術の開発

微生物腐食の防食技術の開発に関して、二つのアプローチを検討しました。自然界には急速に物質の表面に付着する微生物がまれに存在し、本調査では10分程度で金属表面を覆いつくす程の高度付着性細菌を分離しています。この微生物を鉄腐食菌と混在させたとき、金属表面に急速に付着し物理的保護となって腐食を阻害する現象が確認されています。このような微生物を防食技術に応用することができるかもしれません。

自然界には多様な二次代謝を行う微生物が多く存在することが知られており、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)ではこのような微生物を含む膨大な微生物コレクションを保有しています。本調査の中でもこのNITEの微生物コレクションの一部を用いて簡易スクリーニングを行った結果、微生物培養液からのアセトン抽出物を鉄腐食菌の培養液に接種することで腐食阻害を誘導できることが示されました。このような微生物由来天然化合物は、使用実績のあるグルタルアルデヒドのような、環境負荷の高い防食剤に代わる低環境負荷型防食剤の開発につながることが期待されます。

【図1】アプローチ1: 非腐食菌を用いた腐食防止
【図2】アプローチ2: 天然化合物を用いた腐食防止
  

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