バイオテクノロジー

NITE、株式会社ゲノム創薬研究所、学校法人帝京大学の三者が有望菌株の優先使用に関する契約を締結

公表日

令和3年3月30日

本件の概要

報道発表資料

発表日:
令和3年3月30日 (火)
 
タイトル:
NITE、株式会社ゲノム創薬研究所、学校法人帝京大学の三者が
有望菌株の優先使用に関する契約を締結
 
発表者名:
独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター
 
資料の概要:
 NITE(ナイト)[独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長:辰巳 敬、本所:東京都渋谷区西原二丁目49番10号]は、株式会社ゲノム創薬研究所(以下、ゲノム創薬研)[代表取締役:安川 喜久夫、本社:東京都文京区、法人番号 1010001093545]及び、学校法人帝京大学(以下、帝京大学)[理事長・学長:冲永 佳史、本社:東京都板橋区、法人番号 6011405000207]と「希少放線菌を対象とした創薬利用可能な抗細菌活性物質を生産する菌株の探索における優先使用措置に関する契約の変更契約書」を令和3年3月3日に締結しました。本契約により、ゲノム創薬研及び帝京大学は、NITEの保有する希少放線菌の中から選抜した有望な菌株を一定期間、優先的に使用することができ、実用化に向けた研究の加速が期待されます。
  1. 1.近年、抗菌薬の不適切な使用による薬剤耐性菌の増加が懸念されています。薬剤耐性菌による集団感染も報告されており、公衆衛生上大きな問題となっています。このため、薬剤耐性菌に有効な新規抗菌薬の開発は世界的にも喫緊の課題となっています。
     
  2. 2.NITEとゲノム創薬研は、「希少放線菌培養抽出物の抗細菌活性評価」に関する共同事業を平成31年1月24日より開始し、NITEの保有する国内由来のRD株※1からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)※2に有効な物質を生産する希少放線菌※33株を創薬での実用化に向けて選抜することに成功しました。NITEは、共同事業で得られたこれらの成果の実用化に向けて、有望な菌株を一定期間、ゲノム創薬研が優先的に使用できるような措置(以下、優先使用措置)を行う契約をゲノム創薬研との間で令和2年11月1日に締結しました。
     
  3. 3.このたび、MRSAに有効な物質の作用機序を明らかにするため帝京大学が参画することとなり、NITEとゲノム創薬研に帝京大学を加えた3者で、希少放線菌の優先使用に関する契約を締結(令和3年3月3日付)しました。NITEは、微生物からの画期的な医薬品の創出に向けて、有望菌株の優先使用措置を活用した産学官による連携の取組を進めてまいります。
     
  4. ※1国内外の様々な環境から分離した菌株を属レベル程度まで同定し、提供している菌株。
    国内由来のRD株はNITEにのみ所有権があります。製品開発に適した微生物を選抜するために多数の微生物株を試験したい場合などに適しており、株数に応じて年間利用料を支払うことで比較的安価に利用できます。
    ■スクリーニング株(RD株)提供のウェブサイト
    https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/rd/index.html
  5. ※2メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA):院内感染症の主要な原因菌の一つで、メチシリンなどの抗菌薬が効かなくなった薬剤耐性黄色ブドウ球菌をいいます。
  6. ※3希少放線菌:グラム陽性細菌の一菌群である放線菌のうち、ストレプトマイセス属以外のものをいいます
     
  7. (参考)各機関の役割
  8. NITE:
    産業上有用な微生物を多数保有。試行的取組として、有望な菌株を一定期間、優先的に使用できる措置(優先使用措置)を実施。優先使用期間中に得られた試験結果はNITEに集約し、協議の上、菌株の付帯情報として公開予定。
  9. ゲノム創薬研:
    独自に開発したカイコを用いた評価試験により、MRSAの感染に対して有効性を示し新規構造を有すると推定される物質の生産菌株をNITEが保有する国内由来RD株から選抜した。本物質の研究開発を進める。
  10. 帝京大学:
    帝京大学医真菌研究センターの関水和久所長のもとで、浜本洋准教授を中心に、MRSAの感染に対して有効性を示す上記物質の作用機序を解析する。
  11. 契約締結発表会での写真2枚。左から、安川喜久夫代表取締役(ゲノム創薬研究所)、冲永佳史理事長・学長(帝京大学)、辰巳敬理事長(NITE)</

    写真 安川喜久夫代表取締役(左)、冲永佳史理事長・学長(中央)、辰巳敬理事長(右)
    ※写真撮影時のみマスクを外しています。

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